いやあ、面白かった。
『燐姫』以降、調子のいいときにだけ追っかけてきたこの、六姫シリーズ。
出逢い、別れ、また巡り合う。
言ってみれば人生なのだけれど。
それがまあ。
作者様のおっしゃる『ゴリゴリの純文学』なわけだけどさっ。
これは、姫たちがそれぞれの魅力でリアルに切りこむ話なわけで。
目指すものはそれぞれに違っていて、でもつながり合う。
何て言うのかな。
高みに至れば、見えてくるものが、くっきりとしてくるものなのかなって。
世界のありかたは、それでいいんだって、信じられる。
いや……今はまだ、信じたい、かな。
思えばわずかな時の中で、遠くへ来たものだ。
作者様の筆致によって、ノリノリでついてきてしまったけれども。
きっと、ここが始まりなんだよね。