まどろみのナイフ

眠れぬ夜にすがり付ける温み

それを見つける為の僕の旅路

人であったら嬉しいけれど

記憶であっても構わない

言葉であっても構わない

鉛みたいに冷たく沈み込む心

ふと天井に投げかけた独り言

静けさ切り裂いたバイクの音

今の僕が合わせる過去の辻褄

それすらも数時間後

起きて目覚めたら過去になって

巡回のゴミ収集車

公園となりの清掃工場ドナドナドナドナ

白い煙と共に立ち消えるのだ

あるのはきっとこの瞬間だけ

未来も過去も語る必要なんてなく

蝋燭一本の命

揺らめく炎のような自意識

それを吹き飛ばす為

僕らは何にだって奔走する

何にだって手を伸ばそうとする

それがナイフでないことを

こんな夜には祈っている

信心なんて無いくせに

胸に手を当て祈って眠れ。

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