サキュバスのダンジョン運営日記
私はダンジョンの主。
種族はサキュバス。人間の男を捕える女の悪魔だ。
ある日、ダンジョンの攻略に訪れた冒険者たちの中から好みの男を見つけたので捕獲して、一緒に暮らすことにしたのだが……
「……ねえ、オーク肉のステーキ、もう無いの?」
初めこそ怖がっていた冒険者だったが、ここの生活が快適なものだと気づくと、転がり落ちるように自堕落な生活を送るようになった。
捕えて二カ月が経った今となってはもう、最初に見かけたときの精悍さは見る影もない。最早、食っちゃ寝するだけのただの豚である。
「……なあ。お前、そろそろ帰らなくていいのか? 地上の仲間が心配してるんじゃないのか」
と、私が言っても、
「えー、今更いいよ。冒険者稼業も楽じゃないからさ。
キミが俺を捕まえたんだから、ちゃんと面倒見てよ」
「…………」
この始末である。
駄目だな、こいつ。
私はオーク肉のステーキを用意しながら、ある決意を固めた。
この男はもう魔物に変えてしまって、ダンジョンの防衛隊に加えよう。
そうだな。この男の好きなオークなんてお似合いじゃないか。
私はオーク肉を美味しそうに頬張る男を見ながら、薄く口元を歪めた。
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