第20話 フロリダ時間
洗濯乾燥機が壊れた。
アメリカでは普通、洗濯物を外に干すことはまずない。貧乏っぽく見られるらしい、という理由だと聞いたことがあるけどほんとかな。実際こちらでまだ干しているのを見たことがない。(とは言え、フロリダは年中湿気てるからなあ…)
大屋さんに連絡すると、代理の人がすぐに見に来てくれた。修理が必要なので、すぐに業者に連絡して、それもすぐに来てくれた。
業者曰く「パーツの交換が必要だ」とのこと。そして、そのパーツは「発注してから届くのに二週間かかる」と。
いやいや、パーツくらいストックないんかい。二週間部屋干しちょっとキツいわ。などと思っていた。
けれど待てど暮らせど音沙汰がない。1ヶ月近く経つ頃に代理人に聞いてみたら、業者に連絡を取ってくれた。
すると、うちに見積もりに来た日から5日後に発注したけど、まだ来ていないとの返答。
二週間かかると言いながらその5日はなんやねん。と言うか、本当に発注してるのかも謎。言い訳にも聞こえる。まじポンコツ。部屋干し1ヶ月。
沖縄には「沖縄時間」というものがある。本州より時間の流れがのんびりしてる。
観光で行った時、添乗員さんが翌日の朝の集合時間を10時に指定した。のにも関わらず、添乗員さんが現れたのは約1時間後。どのお客さんよりも遅かった笑。
みんな初めは「え? 大丈夫? 」ってなってたけど、そのうち「ああ…もしかして…これが噂の沖縄時間では…」てなってた。
かれこれざっくり20年前のことやけど、今やったらもっとシビアに文句言う人居そうでやだな。
実はフロリダにも、「フロリダ時間」が存在する。内容も似たようなもの。くそう、これだ。
さらに二週間経過。こちらからつっつかないと何の連絡もない。すると、今度は部品でなくて、「丸ごと交換しないといけない」と言ってきた。
アメリカでは洗濯機と乾燥機が1セット。洗濯機の上に乾燥機がくっついている。それを丸々新しいものに交換する、ということ。
新しくなるのは嬉しい。既に何回か修理してるし。けどさ、この1ヶ月半は何だったわけ? 代理人もさすがに呆れてたぞ。
しかし少なくともフロリダってこんなもんです。のんびりしてるというか、だらだらしてるというか。
日本人の仕事は素晴らしい。早くて的確。勤勉な国民性は伊達じゃないね!と、生まれて初めて認識した。どっちが普通かなんて最早分からなくなってきた。
結局、2ヶ月間無駄に待って、まるごと交換が決まったらすぐに新しいのが来た。絶対パーツの発注してなかったやろな、これは。部屋干しは二週間どころか2ヶ月。長かった。
アメリカ人の仕事は、(フロリダだけなのか??)「あっ忘れてた!」が多い。本当に多い。めっちゃ多い。そして、それが罷り通る。なんなら「わたしは悪くない!」で押し通される。
ニューヨークとか競走の激しいところだとまた違うのだろうけれど。
日本人としては驚きを通り越して呆れるくらいやけど、仕事する側としてはこのくらいの緩さで働けたら楽でいいな。
客としては不便でしょうがないけど、お互いに首を締め合うこともないわけで。
ついでに書くなら、スーパーのレジ係なんて、お客を挟んで隣のレジ係と大声で喋りながらレジ打ってるのがほぼ日常。なんなら、お客もその会話に参加してたりする。
いいなあ。わたしももっと英語が堪能なら加わりたいところ。
少し補足しておくと、アメリカの賃貸は大物の家電が大抵セットでついてきます。
うちの場合は、冷蔵庫、食器洗浄器、洗濯機と洗濯乾燥機、コンロとオーブンと電子レンジ(これコンロとオーブンはひとセット。オープンの上部はコンロになってて、日本だと換気扇でもありそうな所に電子レンジが付いてる)は部屋と一緒に借りている物です。家具とか他の細かい家電は自前。
また、うちの場合は50ドル以下の物は自分で調達する。これ以上の場合は申請すると交換なりなんなり費用を持って貰えることになってる。
09/10/2019
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