3.

今の状況を整理してみよう、

目の前の”天体観測部の後輩らしい人”に幽霊部員の確認をされて

時間にゆとりのある人....つまりは暇人認定された?


「あの...私別に暇じゃないですけど。こうして図書委員の仕事してますし。」


「でも別に二階堂さんの当番じゃないですよね?俺の友達が今日図書委員の当番らしいのに、まぁいいかとか言うから覗いてみたら自分の部活の幽霊部員さんがボランティア委員してるんですもん。」


何の悪気もなく人の心にナイフを刺してくる。

渾身の睨みをきかせると、彼は事実を述べたまでというかのようにきょとんとした顔をしている。


「ちょっとついてきてください、30分でいいんで」


「私離れたら当番いなくなるから」


「大丈夫、図書室の先生準備室にいたからいざとなったらどうにかしてくれるでしょ。はーやーくー」


いつの間に消えていた敬語に突っ込みたくなることをぐっとこらえる。

見た目はすごく大人しそうで真面目そうで綺麗な目の前にいる後輩が、

こんなにも行動が破天荒だったとは。


今後人を見た目で判断することはやめようと誓う。

断ったら何をされるかわからない不安と断れない私の性格が邪魔をし、


私は受付台に広げていた本とプリントを渋々と鞄にしまう。

目の前にいる彼はなんだか楽しそうだ。


「ところであなた名前は?」


ここまでずけずけ入り込んできて名前を聞いていないことを忘れていた。

彼は自身の青色のバッジを指さした


「1年K組の小坂弘樹です。どうぞお見知りおきを、二階堂さん」

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