箱根EP - 02 食欲と大切な過去
「いや、さすがに
「そうですよ、私のことなんだと思ってるんですか…」
「行き
「たしかに…間違ってはいないですね…」
「でしょ?」
ノアは結局自分の食べたざるそば
「ただ、今持っている
「そう、
「本当は持っていたお金は
「そうだね、そうしてもらえると助かる」
ノアの食べる分すべてを私が出してたら、頑張って
「なのでと言ってはあれですが、お父さんになにかお
「それって帰りで良くない?」
「いいじゃないですか、せっかく来たんですし…あっちのお
「食べることに関する
という私も、箱根のお土産には少し
飛脚は、人にもよるけど大体自分の担当する地域というか、より
例えば、私と同じ高校に通う
飛脚という仕事は
とにかく、箱根の道の駅をこんなにゆっくり見て回るのはなんだか
「これなんてどうでしょう?」
箱根のおみやげコーナー。ノアが
「うーんおしい。うなぎパイは静岡なんだよねぇ…ここ、ギリギリ神奈川だから。ってかなんであるの?近かったらなんでもいいんか?」
「今は
「なんか
「あ、こっちも美味しそうですよ?」
「クソッ!キワを
熱海も静岡…この道の駅はかなり静岡県をプッシュしたいようだ。まあたしかに、神奈川って言うとパッと思いつくのは
「レイナさん、これとこれどっちがいいですかね」
「いや…さっきお昼ごはん食べたばっかりなのに、よくそんなに食べ物ばっかり…」
「もちろん今食べるわけじゃないですよ!?お土産に…」
といいつつ、よだれがたれそうになっているのを見る限り、さっさと
「まあ、私のお金じゃないしなんでも好きなの選べばいいと思うけど…せめて箱根っぽいものがいいんじゃない?有名所で言えば、あっちの黒いのとか…」
横の
「レイナさん?どうかしましたか?」
チームスワローテイルはもうすでに
「おーい、レイナさーん?どうしたんですかー?」
彼女の名前はサラ・アニーラ。KeepRightの2つ名で知られ、
つまりは、
「レイナさん、もうお会計しますけど何も買わなくていいんですか?」
ノアは結局気になったお菓子をすべて買うことにしたようだ。さすがの食い
「私は大丈夫。お会計が
ノアをその場に
「サイン!?誰のサインですかー!?」
「あこがれの人!!」
「じゃあ先戻ってますよー」
「いいよ!!」
ノアがレジに向かうのを振り返って確認し、そのままピンク色の髪をした女性、おそらくサラであろう人の後を
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
追いついたときには店員に荷物を受け
「すいません、そこのお姉さん!!もしかして、SPEEDSTARに出てたサラ・アニーラさんですか!?」
「おお…こんにちは、お
「あっ、こ、こんにちは…」
「えっと、SPEEDSTAR…そういえばしばらく出てないけど、そんなこともあったね…私はサラで間違いないけど、なにか
「あ、あの、実は私、すっごいチームスワローテイルが大好きで…2069年の第3戦を生で見て、飛脚を始めたんです…!サインもらえませんか…!?」
「69年の第3戦…ああ、もしかして私がエンジンぶっ飛ばしたやつ?」
「あっ、えっと、違くて…いや違くはないんですけど…その」
「フフッ、別に気にしなくていいよ。レースしてればそういうことは
「あ…そういえば今何も持ってない…そうだ、この
髪を
「よしよし、サインサインっと。そういえば第3戦、私は
「いいえ、きっとサラさんの前半のアシストがあったから、黒髪の彼女も体力を残しておけたとかいうことも…」
「ノアか…元気にしてるかな?」
「は!?」
ノア!?ちょっとまってなにかおかしい。この人今ノアって言ったような気がする。黒髪の少女の名前はノア…?うちの機械人の、リアドライブ使いもノアっていう名前なんですけど…
「ん?どうかしたかい?」
「一つ聞きたいんですけど、いつもタッグを組んでた黒髪のリアドライブの彼女の本当の名前、ノアっていうんですか?」
「ああそうか、そういえば彼女は一般に名前を
そう、黒髪の少女はなぜか名前が公開されていなかった。だから、私は呼ばないけど、大会なんかでもたまにリンって呼ばれることがあった。たしか、その長く
「ノアは当時は珍しかった、機械人の飛脚。名前は
「すいませんちょっと失礼します」
端末を取り出し、すぐにノアにコールした。
『もしもしレイナさん、どうかしましたか?サインもらえました?そういえばさっき店員さんに聞いたんですけど、この道の駅普通に静岡県にあるらしいですよ?だから静岡のものが多かったみたいです』
「え、マジ?ここは静岡だったのか…とか言ってる場合じゃないから。ちょっと横のベンチのとこ来て。今すぐに」
『え?うなぎパイ…』
「結局今食べとったんかい!じゃなくて」
『?』
「サラ・アニーラがいる。
『ああ、そういえば彼女は今箱根に住んでるんでしたね』
「やっぱり…とにかく早く来て」
『わかりました』
通話を切る。もう
「お友達かい?」
「説明するより早いと思ったので、今本人呼びました。…まじか…」
1分もしないうちにモフモフの白髪を
そして
「あ、ノア!ひさしぶり〜元気してたー?ってか、あれ、なんかすっごいきれいになってない?ほっぺたやわらかーい!」
「ちょ、サラ、やめてください。せっかくの新しい体なのに、
「ごめんてー。ていうか、新機体?結局新しくしたの?」
「話すと長くなるんですが、まあいろいろあって今はこちらの、五十嵐レイナさんのお
「ノア、全く状況がつかめないんだけど、チームスワローテイルの黒髪の少女は、ノアだったってことでOK?」
「そうですよ。言ってませんでしたっけ」
「言ってないもなにも、髪の毛!黒髪はどうしちゃったのさ…」
「ああ、メンテナンスが十分にできなかったので、
「色々やらかしまくってんじゃん…ええ?どうすればいいのこれ…」
「そうか、ノアは私の家族にはならないって言ってたのに、結局は
「だってサラ、お
「ま、いいんだけどね。せっかく再会できたんだし、このあとちょっとどこか飲みに行かない?私ここらへんに住んでるし、美味しい店連れてってあげるよー!」
「
「うーんわかってるって。美味しいケーキとお茶が飲めるお店、ね?」
「ぜひ行きたいです、サラさんとノアの話、もう少し詳しく聞きたいというか、きかなきゃいけないことがいっぱいあるみたいなんで…」
「レイナちゃんもそう言ってるし、決まりかな。あ、ノアは食べられないんだったね、どうする?」
「もう食べられるようになりましたよ」
「え?」
「ケーキ、
「え?ほんとに言ってる?」
「マジですよ、マジ。今まで
「さすが新型機…こりゃ私もお気に入りのところに連れて行かなくちゃだなあ!」
このあとサラさんの案内で、近くにあったおしゃれなカフェに
抹茶のケーキがすんごく美味しかったが、サラさんがノアのあまりの食いっぷりに固まってしまい、なにも大切なことを聞くことができなかった。結局ノアは
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