第4話 本当の自分 花咲 澪 デート編後半


俺はなにも考えず抱きしめてしまった。

今もこの状況が続いてる。

やばい! みんなに見られてる。

俺は、ゆっくりと抱きしめるのをやめた。

「ご、ごめん 澪急に抱きしめて」

俺は、申し訳なさそうに謝った。

澪は、抱きしめたからなのかすごくいい顔になった。

「いや、ありがとうございます! 千堂先輩 私今すごく幸せです!。」

笑顔でそんなこと言われたらうれしくてまた、抱きしめたくなる。

俺は、いい後輩がいるんだなと思った。

澪の腹から「ぐ~」となった。

俺は、それに気づいた。

時計を確認した。

今の時間は午後になる時間十一時四十分。

たしかに、お腹はすいた。

澪は、腹の音がなったせいか顔を赤くして下を向いた。

俺は、知らないふりをして「あ~腹減ったな~」と言った。

澪は、「私は空いてません」と何故か嘘をついた。

あ~なるほどさっきの腹の音は、私じゃありませんと言いたいのか。

しょうがない、何も言わないどこ。

俺は、腹を触りながら言った。

「澪、俺腹空いたから飯食いに行かない?」

俺が言うと、澪はうれしそうな顔をしてからすぐ上から目線で「仕方ないですね、しょうがないので一緒にご飯食べましょうか」と言った。

いやいや、こんな子だっけ。

でも、これはこれで可愛いからいっか。

その後すぐ近くにあるファミレスでご飯を食べに行った。

お互い、顔を合わせながらメニューを決める。

ここは、先輩の見せ所だな。

「よし、澪今日は俺のおごりだ!」

「好きなものなんでも頼んでいいぞ!」

俺が、先輩ずらをしていった。

澪は、申し訳なさそうな顔をしていた。

「でも、悪いですよ 奢ってもらうなんて」

「いや、気にするな! 今日はいい気分だからな!」

俺が言うと澪はまだ、すこし困っている顔をしていた。

「でも、お金大丈夫ですか?」

俺は、胸に刺された感情になった。

お金の事聞くなんて、俺がお金ないと思っているのか?

「大丈夫! 俺に任せておけ!」

澪は、ようやく納得した顔をした。

「わかりました! ありがとうございます!」

どうせ、そんな食わないだろう。

女の子だしな、澪痩せているし小食系だろう!

そう思っていた、だが違ったのだ。

「決まったか?」

「はい! 決まりました」

「すいませーん!」

俺は、大きな声で店員さんに言った。

「はーい!」

店員さんも大きな声で言った後、こちらに来た。

男性だった。

「えーと、ハンバーグ定食一つ」

「はい」

「澪は?」

「えーと、ラーメン一つと、スパゲッティ一つと、オムライス、パフェ一つお願いします!」

店員さんも俺もびっくりした。

まさか、こんな小柄な子がこんないっぱい頼むなんて。

店員さんは、苦笑いをしながら「かしこまりました」と言った後戻った。

(おいおい、まじかよ、たしかに奢ってやるとは、言ったけどここまでは予想してなかったぜ)

(だから、金の心配してたのか)

「澪って結構食べるんだね」

俺が言うと澪は顔を赤くしてから「す、すいません!」と言った。

「いや、だ、大丈夫だよ ハハハ」

料理がくるまで俺は澪に質問を色々した。

「澪は、家でいつもなにしてるの?」

「家ですか? そうですね、たぶん千堂先輩と一緒ですよ」

「俺と?」

「はい、ラノベ読んで、ご飯食べて、ラノベ読んで、お風呂入って、ラノベ読んで寝ます」

たしかに、俺と一緒だ。

「そうなんだ」

「はい、千堂先輩も同じですよね?」

「あ、まあね」

「澪は、生徒会の人とか、友達の人とかと遊んでいるイメージあったけどね」

「そんな、たまには、遊びますけどずっとではないです」

「あまり、みんなに私の本当は見せたくないんですよ」

「私の本当?」

俺は、疑問になった。

自分の本当を出したくない。

じゃあ、本当とは、何か。

俺は、気になってしまった。

「私、学校の時と家にいるときは、全然違うんですよ」

「家では、親ともあまり話さないですし」

「人と話すのが苦手なんです」

「もちろん、仲よくなった人とは多少話せます」

「でも、本当の自分までは、だせないです」

「海沢先輩と、滝川先輩は別です」

「私の本当の自分は出せます」

「私実は、学校だと優しい人とか言われますけど実はそんなんじゃないんです」

「できるだけ関わりたくない、話したくない」

「一人がいいと思った」

「そんな時、生徒会に入らないかって言われたんです」

「あなたの本当の自分を学校でだしていいよって二人が」

「出すところは、生徒会以外は、入っていけない教室」

「そこでは、ほとんど一人になれます」

「本も読んでいますし、ご飯だって」

「だから、好きなんですあの二人の事」

そうなのか、澪は、もしかしたら俺みたいな一人になりたかったのかもしれない。

俺は、常に一人それが当たり前でそれが寂しい時もあった。

でも、そうなりたい人もいるのか。

「そっか、澪の本当の自分を俺はみたい」

俺が言うと澪は微笑んで「いいんですか?」と言った。

「あぁ、当り前だろ!」

「私、今の自分じゃなくなりますよ?」

「いいよ、お前の姿見せろ!」

「わかりました」

そんな話をしていると食べ物がきた。

それは、とんでもない量で、これ一人で食べれるの?!って量が来た。

澪は、笑顔で「いただきます!」元気よく言って食べ始めた。

「いただきます」

俺は、澪の食べてる姿を見ながら食べた。

とても、幸せそうに食べていて俺はうれしかった。

「おいしいです!」

「そうだな」

そんな一言を言いながら食べた。

三十分後、食べた後会計に行った。

「合計で八千円です」

「は、八千円だと?!」

「はい、八千円です」

店員さんは無表情で言った。

俺は、金を出して財布を確認した。

今日のお金を使い果たしてしまった。

俺は、焦った瞬間「千堂先輩ちょっと早いですが今日は帰りましょう」

「え、いいのか?」

「はい! 楽しかったですし」

「なら、いいけど」

こうして俺たちは最初に待ち合わせした虹色公園にきた。

「今日は楽しかったです!」

「俺もだよ」

「私が選ばれることを願ってます!」

「あぁ」

澪は、少し手をもじもじしながら「先輩目を閉じてください」

「え?」

「いいから!」

言われるがままに俺は目を閉じた。

その瞬間なにやら柔らかいのが口についた。

とても柔らかく俺は目を開けた瞬間澪が俺の唇にキスをした。

その後澪は離れて「私の最初のキスです」と照れながら笑顔でいった。

俺は、もちろん顔を赤くなった。

「み、澪」

「言ったでしょ? 私は攻める人なんですよ」

「そうなのか」

「はい! 先輩また明後日返事を待ってます」

「あ、うん」

澪は帰って行った。

俺は言葉を失っていった。

衝撃だったのだから。

俺も、初めてだった。

澪とデートして今日色々しれてよかった。




明日は会長とデートだ。


花咲 澪編終了

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