第3話 花咲 澪 デート編 前半

今日がやってきた。

花咲 澪とデートの日だ。

昨日は、加恋とデートして楽しかったし加恋の事よくわかった。

そして、澪のことも。

とりあえず今日澪とデートして楽しもう!

俺は、またいつものように下に降りてリビングに向かった。

そこには、父さんと母さんがいて。

いつものように、テーブルで眼鏡をかけて新聞を読んでいる父さん。

そして、いつものように台所にいて朝ごはんを作っている母さん。

俺が、リビングにつきあくびをしながら冷蔵庫に行き、いつものように    「おはよう」と言いながら冷蔵庫の中にある牛乳をだしてコップに牛乳を入れた。

「おはよう 匠」

「おはよう 匠」

両親からおはようと返事を返してくれた。

「あら、匠今日も早いわねどこか行くの?」

母さんが卵焼きを作りながら俺に聞いてきた。

「あ、まあ 行くけど…」

俺が返すと母さんは驚いたあとすぐこちらを向いて笑いながら言った。

「あら、今日もデートなの!」

母さんは、また意味も分からないことを言ってきたので俺は、牛乳を吹き出しそうになった。

「ば、バカ そんなわけないだろう!」

「本買いに行くんだよ!」

俺がやや早口で言った。

一方父さんは、そんなこと興味がないのか知らないが、新聞を真剣に読んでいた。

「あら、残念ね」

「昨日も帰り遅かったから彼女でもいるのかと思ったわ」

「お父さんも、嬉しかったみたいだけど、残念ねお父さん 匠彼女いならしいわよ」

母さんが父さんに向かって少し大きめな声で言った。

な、なんだよ 興味なさそうにしてたけど少しどころか普通に興味あったじゃねえかよ。

俺は、椅子に座り時計をみてまだ時間あるので軽く朝食をした。

俺の朝ごはんは、いつもごはんではなく、サンドイッチを一つとヨーグルトを食べるのだ。

そうすることによって俺は、朝!って気持ちになるのだ。

俺は、サンドイッチを二口で食べた後、ヨーグルトをかきこみながら食べて上に戻った。

よし、今日は、澪だから少しでもいい先輩だとおもってもらおう。

昨日みたいにワックスとかもつけないでいつも通りの地味な格好で行こう。

俺は、準備をした後、時計をまたみた。

えーとたしか時間は、九時集合で昨日と同じで虹色公園だったよな。

今は、時刻八時三十分少し早いがそろそろ出るか。

俺は、下に降りて玄関に行き靴を履いてから両親に「行ってきます!」と大きめな声で言った。

母さんも、俺と同じ声の大きさで「行ってらっしゃい! 気をつけてね!」と言ってきた。

俺は外に出て公園に向かった。

数分後に公園につき時間を見た。

時間は、八時五十分か。

やっぱり少し出るの早かったな。

俺は、公園にある椅子に座りそこで座って待っていることにした。

また、数分後時計をみたら九時五分になっていた。

あれ、来ないな もしかして来ないのか?!

少し焦ったが数秒後走ってこちらに向かってきた女の子がきた。

そして、膝に手を置きながら「お、お、遅れてすいませんでした!」と言ってきた。

そして、顔をあげたら澪だったのだ。

俺は、顔が赤くなったどうしてなのかって?可愛いからに決まっているだろ!!

格好は、下はロングスカート上は、肩だしtシャツなのだ!

し、しかも前髪は右側にピン止めをしていて髪を縛っている。

こんなことがあっていいのだろうか。

俺は、興奮をしている!後輩に!

いつも地味な俺とは、別だな。

さすが、二年生の中で一番可愛い女子だ。

「あ、いや、俺も今来たところだからさ!」

十五分待ったなんていえないからな。

俺が言うと澪は、少し落ち着いた顔をした。

「え、えっとお話しするのはに、二回めですよね千堂せ、先輩?」

澪はもじもじしながら言ってきた。

たしかに、男子と話すのは苦手なんだろうな。

「あ、二回めだが」

澪は、少し悲し目な顔をして「そ、そうですよね…」と言いながら       下を向き始めた。

あれ、俺なにか変なこと言っただろうか。

「えーと、最初どこ行こうか?」

俺がどこ行こうかと質問すると、澪は顔をまた上げて言った。

「あ、あの! 私本好きなんです!!」

な、なんと!本が好きなのか!これは初めて知ったな。

当たり前か、話すのは、今日が初めてみたいなところあるしな。

「へー! そんなんだ! 何が好きなの?」

俺が聞くと、澪は、少し恥ずかしがりながら「ラ、ライトノベル…です」

な、な、な、なんだと!! 今少し声が小さかったから俺の聞き間違えかもしれないけど

ライトノベルと言ったか?! いや、言ったよな。

まさかこんなかわいい女の子がライトノベル好きだなんて。

先輩びっくりだよ。

俺は、驚きながら「へ。へー!ライトノベルか!俺も好きだよ!」

ライトノベル好きなら話やすいな!

澪は、俺が聞こえない小さな声で「知ってます」と言った。

「ん、なにか言った?」

俺が聞くと次は普通の声の大きさで「なんでもありません!」と言った。

「そう? あ!お互い本好きだし本やでも行く?」

俺が聞くと可愛い笑顔で「はい!」と言った。

その笑顔はずるいぞ。

そんな感じで、歩き始め本屋についた。

本屋につくと澪は目をキラキラしながら歩き始めた。

どこに歩いたかというともちろんライトノベルがあるところだ。

いろんなジャンルがあり澪は喜びながら見ていた。

俺も、なんだかうれしくて澪の事をずっと見ていたが俺も本を見るかと思い見たら

な、なんと!俺が好きな本が二巻があったのだ。

あ!今日発売だったか。

しまった、まさか忘れてただなんて。

俺が、少し二巻の本をずっと見ていたらそれに気が付いた澪は俺のところに来た。

「ねえ、千堂先輩」

「ん、なんだ?」

「その本今日でた本なんですよね?」

「あ、あぁ、そうだけど」

「買わないですか?」

「い、いや買いたいけど」

俺がなぜすぐ買わないのかと言うと、それは、お金がないとか、        恥ずかしからだとかではない。

買ってしまったらすぐ家に帰って読みたくなるのだ。

もちろん今この状況でもだ。

そんなことしたらますます澪は男性と話すことが苦手になってしまう。

なので、俺は買うのをやめようと思う。

「い、いやー買う必要はないよ」

「これ、ネットでもう頼んでるから今日届くなって思っただけさ」

俺が、少し嘘をついた。

澪は横に顔を向けて「そおなんですか?」と言った。

俺は、同じ言葉で「そおなんです」と笑いながら言った。

「澪は、買いたい本はないの?」

俺が聞くと照れながら澪は言った。

「いや、その私本買うとなにがあってもすぐ帰って読みたくなるんですよね」

俺は、思ったこの子俺は似ていると。

そして、前澪と会っているような気がする。

「へ、へー そおなんだ、澪って本当に本好きなんだね」

「はい、昔私を助けてくれた人が本が好きな人なんです」

「そおなんだ、その人何を助けたの?」

俺が聞くと澪は、「今は内緒です」といいながら笑顔で言った。

そういえば、俺も昔誰かえを助けたよな。

だいぶ昔だし覚えてはいないけどなんとなくだが澪みたいな人だった気がする。

俺はそんな事を考えていたら澪は、異世界の本を見ていた。

「澪は、異世界が好きなの?」

俺が聞くと今日一番大きな声で「はい!好きなんです!」と言った。

「なんで、好きなの?」

俺が聞くと嬉しそうな顔をしながら説明をしてくれた。

「私は、昔色々あってその昔の話は後でいいます」

「それで、すこし現実から逃げたくなった時あったです」

「それで私、全てがつまらなくて何もかも嫌だった時用事があって本屋に行った時です。右隣に異世界の本があったです」

「ちょうど本一冊買えるお金があったので買いました」

「家に帰った後すぐ読んでみました」

「その時その本を読むのに夢中になりました」

「その本の中にいた主人公、ヒロイン、仲間たちがすごくキラキラしてたんです」

「強い敵がいても主人公は、好きな女の子を守るために逃げないで頑張っていました」

「どんな暗闇の中でもその主人公は諦めなかった私とはちがった」

「私はそれでも一回学校に行きました」

「けど、現実はそんな甘くはなかった」

「実は私いじめられていました。それで学校から外に出て帰ろうとしたときでした」

「私のカバンを奪ってノートや教科書をぐしゃぐしゃにされました」

「私は、泣きました」

「その時、私の主人公がきてくれたんです」

「一個上の先輩が私を守ってくれたんです」

「私をいじめてた人たちは、その人の事を地味、陰キャやろうだって言って逃げていきました」

それ、俺じゃね? 思い出した俺は、澪と昔会っていることを今気が付いた。

中学二年の時俺は、一人で帰ってたとき一つ下の女の子がいじめられてたのをみた他の人たちもそれを見たのにも関わらず無視をして行った。

俺は、許せなかった。

俺もやられてた側なのでそれを見るのが嫌だった。だから真っ先に止めに行った。

そしたら、いじめてた奴は俺をバカにして逃げって行った。

今俺はそのことを思い出して澪を見た。

頑張ったんだなって思った。

俺は、店の中だったが。

澪の手を掴み強引に俺のところに近づけて抱きしめた。

俺は、無言ですっと抱きしめた。

澪は泣きながら言った。「あのときありがとうございます…」声はすごく震えてそうな声で。


  つづく


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