第4話 スララ
スライムラッシュの名前なんだけど、神の従魔っていうのも可哀想なので付ける事にした。
で考えた名前は。
「スララだ!」
安直でネーミングセンスの無さは分かっているので許してほしい。
スララは表情はないが感情はあるみたいだ。
俺の命令は聞くし自分でも動ける。
丸みのある柔らかそうな形の物が、ぽよんぽよん跳ねている姿はまあ可愛らしい。
襲ってきた時は恐怖だったけど……。
こうして味方となった今は癒し対象だ。
さて当面の予定としては村や街を探すことなんだけど、なかなか見当たらない。
その間に魔獣と遭遇しているけどスララが勝手に狩ってくる。
サッと行ってサクッと一撃当てると大体片付く。さすが俊敏700の攻撃力2000。
スララはドロップアイテムを身体の中に保管できるみたいだ。
ある程度溜まると戻ってきてドロップアイテムをくれる。
そして俺がよしよしと撫でてやるのが1セットだ。
まあ俺も遊んでいた訳ではない。
スライムラッシュの剣は普通の剣としても使えるけど別の機能もあった。
魔力を込めて振ると3メートルぐらい剣先が伸びる。
攻撃範囲が広がるし楽しい武器だ。
たまにスララが獲りこぼした魔獣をビュッと伸ばし狩っていた。
『ハコニワ』産の物は色々と優秀で面白い。
暫く歩いていると草原地帯が終わり砂漠地帯に入った。
サラッとした乾いた砂が一面に広がり容赦なく日光が降り注ぐ。照り返しも強い。
たまに岩があるぐらいで草木は殆どないのでとても暑い。
(魔核も溜まったし少し休憩するか)
少し大きめの岩に座りインベントリを開けて中身を確認。
グラスウルフの<魔核15個>と<肉7個>が増えている。
魔核は倒した数だけ貰える。しかし肉はたまにしか落とさない。
どちらも毎回貰えそうな気もするけど、これがこの世界のルールみたいなので仕方がない。
今回の魔核と肉は思い切って全部『ハコニワ』に吸収させる。
更にスライムラッシュの魔核と表皮も10個ずつ残して与えてしまう。
<『ハコニワ』が進化しました>
<『ハコニワ』が人口600人になりました>
<『ハコニワ』グラスウルフ本体及び装備が作製可能になりました>
<『ハコニワ』スララは300までレベルアップが可能になりました>
(色々増えたけどスララ、レベルアップできるんだ)
しかし300まで? 含みのある言い方だな。
300までできるけどやらなくてもいいよみたいな感じだ。何かあるのか?
愛着の出てきたスララが強化できるのは嬉しい。
「とりあえずレベル200までよろしく」
スララの全身が光る。鑑定してみた。
**************************
名前:スララ(神の従魔)
種族:スライムラッシュ
LⅤ :200
HP :4000/4000
MP :4000/4000
攻撃力:4000
防御力:2000
魔力 :2000
俊敏 :1400
―スキル―
『突進』『発光』『風牙』『音弾』
**************************
「うん。強いね」
あっさりと倍のステータスになった。スキルも増えたし成長早いよな。
主人よりも強いってまあいいか。
インベントリに剣と盾をしまう。
(腹ごしらえでもするか)
<『ハコニワ』より供物が届きました>
インベントリを見ると<グラスウルフの焼いた肉>とあった。
はいはい。声には出さなかったけど心の底から願ってました肉を。
「いただきます。・・・・・・美味い!」
しっかりと塩胡椒で味付けされている。
『ハコニワ』に香辛料があって良かった。しかも調理されて出てくるし。
今度はタレでお願いしてみよう。
――その時。
地面から振動と音が伝わる。
ゴゴゴゴ……。
(ん? 音が段々近づいている?)
ゴゴゴゴゴゴゴ……。揺れも強くなる。
座っている岩の付近の砂が盛り上がったと思った瞬間――。
――俺とスララは岩ごと一気に上空へと突き上げられ飛ばされた。
「うわあああああー」
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