お掃除グッズ
夢美瑠瑠
お掃除グッズ
掌編小説・『お掃除グッズ』
私の大好物はゴミなのです。いつもあちこち移動してゴミを漁っているのです。
ホームレスの人のようにゴミを見つけてはおなかに詰め込みます。
ゴミは私のレーゾンデートルのようなもので、
ゴミがあるから私にもこの世の中にいられるという・・・
ゴミと私は共生関係とでも言えるかもしれません。
ひたすら清掃関係のおじさんのように一日中ゴミを集めて・・・
だんだん皆の居住空間が綺麗になっていくのを楽しんでいるのです。
私はいつも元気ハツラツというか、疲れというものを知らないタイプで、
ずうっと一定のペースで活動しても、休息の時間とか必要としないアスリートのような
強靭な?身体能力を誇っていて、
皆にはお掃除のプロと思われています。
ゴミを漁る以外のことは何もできませんが、皆の人気者で、
私が家にいることは一種のステータスシンボルみたいになっている感じです。
もうこの世に生を享けて長いのですが、私や私の仲間は、日々どんどん増殖していって、
社会に浸透していって、
私の愛嬌のある愉快な動きや洗練されたデザインは、
「未来」という技術の革新の時代が、
パソコンやAIBOのように、家庭の中に実際に訪れたという、
かけがえのないアイテムとして定着したという、そういう象徴的な一例と
なっているという感じです。
・・・そう、私は“ルンバ”です。
どのあたりで私の正体が分かりましたか?
最初の処で分かったあなたは天才かも!
最後まで分からなかったあなたは相当に勘が鈍いかもですね・・・
<終>
お掃除グッズ 夢美瑠瑠 @joeyasushi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
UFO/夢美瑠瑠
★15 エッセイ・ノンフィクション 連載中 4話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます