第1幕ー1 バグミュダット公国

え?ここどこよ?

俺は、旅行へ来たはずなのに)


もしかしてもうドイツなのかと錯覚した。

見渡すと男が2人いた。

1人は中年で髭を生やした男だった。

もう1人は、若い男だった。


「あのーここはどこですか?、あなた達は一体?」


龍太郎は、恐る恐る喋り出した。

一緒にいた友達は、隣の部屋で眠っていた。

中年男が喋り始めた。


「君は中山龍太郎君だね?」


「はい、っていうかなんで俺の名前知ってんですか?、あんたらなんなんですか?、峯岸は?、もしかしてテロリストの仲間か?」


「一緒にいた友達は、隣の部屋で眠っているよ。 」


「峯岸、峯岸に何したんだよ?

ここはどこなんだよ?、あんたら何者なんだ?」


「我々は、地底から、来たものだ。ここは地底国バクミュダット公国の首都ルズドゥンベルトだよ、私の名は、レミュシー・ロズワルドだ。君は、地底国バクミュダット公国の、旅行権利を得た。これから1週間バクミュダット公国を旅行することが出来るのだよ。」


「え?、つまり地底探検をするってことかー、え?だって俺はドイツへ旅行に来たんだぞ。この国へ来たかった訳では無いのに。」


レミュシーは言った。


「心配するな、地底国は、地上の国と、時間が繋がっていない。ここでは何年過ごしても元いた地上の国へと帰ることが出来るのだよ、つまり君が、出発した日へとね」


龍太郎は、少し冷静になった。


「じゃあまたドイツへ行けるってことか?、なんだよ、そういうことかよーー、峯岸は、今隣の部屋にいるんすよね?」


レミュシーは、促した。


「そうだろ峯岸と君と同じように、バクミュダットの旅行する権利を得たんだ。2人で行ってきな」


龍太郎は隣の部屋へと入った。峯岸はが、ベットで横になっていた。疲れているのだろうか。しばらくすると目を覚ました。 


「中山、良かったー、お前も無事だったんだなー、俺もさっきレミュシーから話は聞いたよ、一緒にさ、バクミュダット回ろうぜ」


龍太郎は、安心した。


「そうだなー、絶対楽しいだろうなー、でもびっくりしたなぁ、地底国なんてほんとに存在してたんだなー」


レミュシーは悪い男ではなさそうだった。


「レミュシーさん、あの俺らが乗っていた飛行機にテロリストが乗っていたんですよ、あいつらってどうなったんですか?、あと他の乗客達は?」

龍太郎は、心配になりレミュシーに質問した。


すると、レミュシは安心しきったように言った。


「それなら心配ない、あのガスが撒かれた時に私達が、時間を止めて、乗客達は全員地底国へと避難させたよ、今現在飛行機の乗組員以外の乗客達は皆地底国にいる。テロリスト達と乗組員は空の上で時間が止まったままなので、停止中という事だ。そこは心配するな、私達は、あのテロリスト達を殺すつもりもないからね。」


「良かった、じゃあ俺らの荷物は、無事なんですか?」


「もちろんだ、乗客の荷物達も私達が、移動させておいたよ、君たちの荷物も無事だ。」


そう言われて見ると、部屋の隅に荷物が置いてあった。

レミュシーの隣にいた、若い男が話し始めた。


「俺はガインだ。よろしくな、これからバクミュダットの地図を渡す。これからここを出て港へ向かうんだ。そこに、フェリーがある。2時間ほど乗ると最初の都市、レオンハルトへ着く。そこからは自由散策だ。いいな、レオンハルトには、バクミュダット最大の秘境ロズの秘境がある。そこはいいぞ、観光地としては最高だ。それからこれを渡す。これはオールマイティパスだ。全て船、飛行機、電車がタダで乗れる。すぐれものだ。だだしだ1週間で使える回数は40回だ。それを超えると、使えなくなってしまう。いいな、くれぐれも落としたりしたら再発行は出来ないからな」 


ガインはワイルドで、強そうな男で一見すると怖そうだった。龍太郎と峯岸は、ベットから起き上がり、着替えた。

これから、一日かけて、レオンハルトを観光する。これまで、恐怖だったものが、ワクワク感へと変わっていくのを感じた。レミュシーが笑顔で、言った。


「それでは、楽しんで来なさい。」


龍太郎は会釈した。


「レミュシーさん、ありがとうこざいます。」


峯岸と龍太郎は手を振った。ドイツへ行けるだけではなく、地底国へ旅行出来るのなら、最高じゃないか、龍太郎は嬉しさがいっぱいだった。とにかく海外へ観光したかったのだ。龍太郎は、現地人の人っぽい名前に変えた。

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