第61話 浜松町ダンジョン その4
昨夜は、マジで節制し、早めに切り上げた。
さっちゃんの体力を温存しないと拙そうだからね。
寝室別にした方が良いんだろうか?
何時もの半分で切り上げたので、朝から魔王が暴れ足り無いと憤ってる。
可愛い寝顔を眺めつつ、髪を梳かして、耳元にキスをすると、長い睫がピクッと動く。
お、面白いな。
今度は、背中をツツツーと指で撫でると、お尻がピクピクピクと動く。
ほほー、そう来たか。
ちょっと、面白くなって来て、また悪戯し始めると、段々と意識が覚醒し始める、さっちゃん。
◇◇◇◇
また軽くやらかしてしまったけど、楽しかったから良しとしよう。
2人でシャワーを浴びて、朝食にした。
「さあ、きょうこそは、第5階層をクリアするぞ!
まあちょっと考えたんだけどさ、さっちゃんを抱えて、飛行魔法で飛べば、余り疲れないんじゃないかとね。
どう? まあ通常通りの歩きでも良いけど、ここの他にもダンジョンあるし、最低でも、各都道府県1箇所ずつは廻って置きたいんだよね。」
と言うと、
「それだ!」
と言う事で、現在さっちゃんを抱きしめて、軽く飛びながらダンジョンを廻っている所。
魔物や、宝箱やモンスターハウスを見つけると、全部虱潰しにやっつけてるから、それ程のハイペースではないけど、なかなか良い感じで楽出来ますわ。
昨日もこれで行けば良かったよ。
途中から、背中に回られて、おんぶ状態になってる。
ただね、ちょっと耳元で囁かれるのが、ヤバいんだよね。
そして、2時間ぐらいで、第5階層のボス部屋を発見した。
ボス部屋の中には、リザードマン・ジェネラル1体と通常のリザードマンが20体が居た。
リザードマン・ジェネラルは、大剣を持ち、普通のリザードマンは長剣を手にしている。
「ほう、この俺に、剣で挑もうってか! 面白い。」
ボス部屋の扉が閉まると、ジェネラルの咆哮で、一斉にリザードマン達が動き出す。
俺とさっちゃんは、二手に別れ、リザードマン達を一刀両断して行く。
堅い鱗に覆われたリザードマンなので、流石にさっちゃんでは、一刀両断は難しいみたいだが、それでも確実にダメージを与え、3合目ぐらいで1匹を討伐している。
そして、5分ぐらいで、ジェネラル配下のリザードマンは全滅し、ジェネラルが怒りに吠える。
大きく息を吸い込むジェネラルを見て、
「ブレス来るぞ!退避!」
と咄嗟に警告する。
さっちゃんは、ブレスの後の硬直時にサンダーアローを発射し、ジェネラルの身体にバッシーンと稲妻が走る。
ギャギョーー と悲鳴を上げるリザードマン・ジェネラルだが、硬直時間が終わり、大剣を振りかぶって来た。
俺は、愛刀で、大剣の軌道を斜めにいなし、そのまま袈裟斬りに刀を振り抜く。
右肩から左脇腹へと刀が通過して、一瞬遅れでリザードマン・ジェネラルの身体の上半身がズレ落ちて行き、光の粒子となった。
2人でドロップ品を回収して廻り、出て来たボス部屋の宝箱2つの中身を回収した。
恐らく、通常はボス討伐で宝箱1つと思われるが、もう1つは初回特典だろう。
中身は、なかなかに豪華で、火魔法が付与された魔剣と耐魔法が付与されたリザードマン・ジェネラルの鱗を使ったレザーアーマ、上級ポーション5本、そして、変なカードが1枚入ってた。
鑑定で見て見ると、そのカードは、スキルカードと言って、利用した者にスキルが生える物らしい。
「ほー、これカサンドラスには無かった仕様じゃん。
何のスキルが生えるのかな? えーーと・・・『鑑定』じゃん。」
なるほどね。
「何?何? そのカード使うと鑑定スキルが生えるの? わぁーー、良いな良いな!!」
とさっちゃんが興奮する。
「後でギルドに報告した後、さっちゃんい使わせてあげるから、ちょっと落ち着こうか。」
ドウドウと落ち着かせ、アイテムボックスに収納し、今回のダンジョン攻略で得た物をザッと数え上げ、
「ふむ、これ位あれば、冒険者達の夢になるかな?」
と納得し、一度第6階層を確認した後、ボス部屋に光る転送の魔方陣から、第1階層の入り口付近に出来た転送部屋へと出て来たのだった。
「なるほど、ここは、転送の魔方陣が使える段階になると解放される部屋みたいだな。」
「どうだった?ダンジョン。」
とさっちゃんに聞くと、
「旦那様と一緒で、すっごく楽しかった! また彼方此方行こうね!!」
と腕を絡めてニコニコしていた。
そして、手を繋いで、階段を上がり、久々に生の太陽を目にした。
「おー、今日は天気が良いな。」
と目を慣らしつつ、ゲートの方へと歩いて行く。
楽しかったらしく、さっちゃんは、繋いだ手をブンブンと振っている。
ふふふ、子供かよ!!
そして、ゲートの改札機にギルドカードを翳して、ピッ♪と鳴らすと、両脇に立っていた自衛官がビクッとして、振り向き、
「おお! お二人とも無事だったか!! いや、ギルド本部からは大丈夫と言われてたけど、あんまり出てこないから、心配してたんだよ!」
と笑顔で出迎えられた。
「ああ、それは、ご心配をおかけしてしまいましたね。
第5階層のボス部屋まで行ってたので、時間が結構掛かっちゃいました。
マッピングもしてたので。」
と答えると、化け物を見る様な目で驚かれてしまった。
そして、2人の自衛官に敬礼しつつ、ギルドの支部へとやって来た。
ドアから中に入ると、
「「あっ!」」
と受付嬢のお姉さん2人が小さく声を上げた。
「こんにちは。えっと、今日はどう言ったご用件で?」
と先日話をした受付嬢のお姉さんが聞いて来た。
隣の受付嬢は、俺達の顔を見て、無事な様子も見て目をひん剥いて驚いている。
おーーい、営業スマイル忘れてるぞーー。
「ああ、今日は、第5階層までの攻略完了報告と、マッピングデータの報告と、後はドロップ品とかの買取をお願いしようかと。」
と俺がシレっと言うと、
「「ええーーーーー! 第5階層!!!」」
と2人揃って叫んで居た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます