第3話 物心がついた時

きっと、私が上手くいかなくなったのは6年生になってからだろうか。それまではそれなりに友達もいて仲良くしていた。小さな喧嘩はあったが絶交とかは無かった。


バレンタインに好きな人にチョコを渡したり、何人かで遊びに行ったり、一緒に勉強したり、クラブ活動に勤しんだり、委員会に入ったり…当たり前の小学校生活だったと思う。


けれど、私は小学生の時にいじめがあってると知っていながらも見てみぬふりをしていた。そのいじめられている子に対してもいじめてる子に対しても同じように非が無いような態度をとった。仲良くも、仲悪くもしなかった。


…これは私が物心ついた時からの悪い癖だ。

変に口出さないし、他の子に深くは入り込まなかった。いや、入り込めなかった。嫌われるのが怖かった。


きっと私の人間関係が上手くいかなくなったのはいじめを分かってて助けなかった当然の報いなのかもしれない。そう今は思ってる。

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