第7話 ミヤズ姫との再会
『朝廷に従わない部族が現れた! 朝廷に従わない部族は一斉にヤマトタケルに襲いかかった! しかし草薙の剣の加護によって効果はなかった!』
『ヤマトタケルの攻撃! 朝廷に従わない部族は分子のレベルにまで粉々にされた!』
『更に怪物A 怪物B 怪物Cが現れた! 怪物達は毒の息を吐いた! しかし草薙の剣の加護により効果はなかった!』
『ヤマトタケルの攻撃! 怪物達はこの世から存在そのものが消え去った!』
タチバナ姫様を失ったヤマトタケル様は、その悲しみを拭い去るように、
「もう、このへんでいいだろう。それにしても、俺は悲しみのあまり冷静ではなかった……少しやりすぎたか」
ヤマトタケル様が通った道には、足跡のように煙を上げる建物や、なぎ倒された木が残されています。
なにはともあれ、上総の国を平定したヤマトタケル様は東国遠征に見切りをつけ、都へと帰る事にしたようですね。
さて、ヤマトタケル様と共に神奈川県の箱根まで戻ってきました。芦ノ湖の眺めがいいですね♪
ここは後の第3東京市になる場所です。尤チート級の力を持ったヤマトタケル様の存在そのものが、セカンドインパクトみたいですね。
おや、ヤマトタケル様はエヴァの聖地ではなく、海の方を見ています。
タチバナ姫様が沈んだ東京湾は三浦半島に隠れて見えませんが、代わりに相模湾が一望できますね。
おや、彼の瞳から涙が一筋こぼれ、三回もため息をつきましたね。彼女を失ったのは、歴戦の勇者とはいえ心に大きな負担をかけているのでしょう。
「ああ、愛しの我が妻よ……」
青々とした海を見てヤマトタケル様はタチバナ姫様を思い出したのでしょう。
しばらくここにたたずんだ後、ヤマトタケル様は海の方向に背を向けて歩き出しました。
こうしてヤマトタケル様は箱根から
さて、この頃になるとタチバナ姫様を失った悲しみは癒えて、違う願望が湧き上がってきたようです。
「そういえば、ミヤズ姫と合体する約束をしていたな。先を急ごう」
ミヤズ姫様のいる
美濃の国から木曽川を下り尾張の国へと戻ってきました。そして足早に、ミヤズ姫様が待つ家へと向かって行きます。
「戻って来たぞ!」
「まあ、ヤマトタケル様! よくご無事で、よかった!」
こうして、二人は抱きしめあい再会を喜んでいます。早速寝室に向かう……のではなく、ミヤズ姫様は食事とお酒を用意して、東国遠征を達成した祝杯を上げる事にしました。
ヤマトタケル様が戻ってきた事が嬉しいのか、ミヤズ姫様は美しい衣装に着替えます。
その姿を見たヤマトタケル様は、彼女の美しさに思わず息を飲んでしまいました。
「おや……?」
ヤマトタケル様は何かに気付いたようです。しかし、言い出しにくいのか何も言いません。どうやら、言葉を選んでいるようですね。
そしてヤマトタケル様は
『
要するに月経の血がついている事を遠回しに教えたのですね。
これに対してミヤズ姫様は顔を赤くしながら、答えます。
『ヤマトタケル様、新しい年が来れば、また過ぎていき、そして新しい月も来て、また過ぎていきます。お約束をしてからずぶん長い月日が経ちました。どんなに長く、貴方様を待っていた事か、ですから私の裾に月がのぼる(月経がはじまる)のも無理はありません』
中世日本では、女子は月経が始まったら立派な大人とされていました(男性も思春期ごろに大人とされていました)。
ちなみに古事記が書かれた平安時代の平均寿命は30歳前後と言われているので、早熟の時代だといえますね。
こうして、大人の女性となったミヤズ姫様はヤマトタケル様と共に寝室へ入っていきました。
今頃、合体しているに違いありません。
月経が来ているのに合体するの!? と思うかもしれませんが、神のチート能力でなんとかなるので大丈夫です!
しばらくミヤズ姫様と甘い生活を楽しんだヤマトタケル様でしたが、天皇へ報告しなければいけません。
また、岐阜県と滋賀県の境にある伊吹山に邪神が現れるという噂を耳にします。
ヤマトタケル様は都に帰るついでに伊吹山の邪神を倒す事にしましたが、ミヤズ姫様に良いところを見せたいがために、草薙の剣を置いて出発するのでした。
さて、最強の武器を手放すという縛りプレイのような事をはじめたヤマトタケル様でした。
今までの道中で様々な敵と戦い、レベルアップしているので大丈夫だと思いますが、さてどうなるのでしょうか?
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