第三話 ヤマトタケルは男の娘!?
無自覚に最強で日本神話の俺TUEEEE系主人公、オウス様(後のヤマトタケル)は、兄を惨殺したがために、父の景行天皇から“ヤベェ奴”と思われてしまいました。
景行天皇はオウス様に死んでもらう為に、強敵と戦わせようとかんがえました。
まず景行天皇がオウス様に命じたのは、九州に住んでいて大和朝廷に従わない
さあ、皆さん、オウス様と一緒にクマソブラザーズが支配している九州にやってきました。
さて、クマソブラザーズの家ですが、大勢の軍隊が警備していて簡単には侵入できなさそうですね。
オウス様はどうやってクマソブラザーズを倒すのでしょうか?
まず、オウス様は家の周囲を伺っています。
「どうやら、あの家はまだ建てている途中らしい。という事はしばらくしたら、新築のお祝いをするはずだ。その宴に紛れ込もう」
流石オウス様ですね。すぐにクマソブラザーズを倒す妙案を思いついたようです。
それでは家の完成まで待ちましょう。
数日後……
やはりオウス様の思ったとおり、家が完成すると新築のお祝いが始まりました。
おや、オウス様は女の子の服を身に着け、男の娘になりました。
元々、ハイラルの勇者のように精悍な顔立ちをしているので、男の娘になっても違和感がありませんね。
お祝いの日という事もあり、クマソブラザーズの家来達は気が緩み、大勢人々がいるので、男の娘になったオウス様が侵入してきても誰も気にしません。
こうしてオウス様は給仕係の女性達に紛れ込み、上座にいるクマソブラザーズを倒すチャンスを伺っています。
「おっ! 兄さん、あそこに可愛い子がいるよ!」
「本当だ! おい! そこのお前、こっちに来い!」
あらら、クマソブラザーズは、呼んだ相手が命を狙っているオウス様だなんて思っていないでしょうね。
「はいはい、なんでございましょう?(裏声)」
オウス様は絶好のチャンスが巡って来たので、心の中でほくそ笑んでいるに違いありません。
しかし、自分の心境は表に出さず、クマソブラザーズに近づきます。
「お前、ここに座って俺たちにお酌しろ!」
「はい、わかりました♪(裏声)」
クマソブラザーズも相手が男の娘だとは、夢にも思っていないでしょうね。
こうして、男の娘のオウス様はクマソブラザーズにお酌をしながら、機会をうかがっています。
「きゃー! お兄さん、いい飲みっぷりー♪ 男らしい!(裏声)」
「僕だって、負けてないぞ!」
「弟さんもすごーい! さあ、二人ともどんどん飲んで(裏声)」
オウス様はクマソブラザーズにたくさんお酒を飲ませ、二人の酔が十分に回った時。
懐に隠し持っていた短剣を取り出し、クマソ兄の胸に突き立てました。
油断していたクマソ兄は抵抗する事もなく絶命しました。
「ひ、ひいいいいいいい!」
驚いたクマソ弟が逃げ出しました。しかし、オウス様がすかさず追いかけます。
クマソ弟は家の中をしばらく逃げ回りましたが、すぐに捕まってしまいました。
ああ、なんという事でしょうか! オウス様は剣をクマソ弟のア○ルにねじり込みました!
(ふざけているようですが、古事記には本当にこのように書いてあります)
「アッー!!!」
これは痛そうです。切れ痔とか、そういうレベルではないですね。
オウス様は更に奥まで剣を入れてトドメを刺そうとしています。
「待ってくれ、僕の息の根を止める前に、お前の名前を聞かせてくれ!」
「景行天皇の皇子であるオウスだ!」
「天皇といえば、あの大和の国の……」
「そうだ! お前たちが大和朝廷に従わないから、天皇より討ち取るように命じられた!」
「そうだったのか……大和の国には、僕たちも知らない強い者がいたのか……ならば、我ら兄弟を討ち取った貴方に“ヤマトタケル”という、新しい名前を授けよう」
「もう、言い残す事はないか?」
こうして、クマソ弟が静かに頷くのを見ると、オウス様……いいえ、ヤマトタケル様はトドメを刺しました。
見事、クマソブラザーズを倒し、景行天皇の命令を達成しました。
その帰り道にも様々な邪神や悪霊を倒し、更に出雲の国で好き勝手暴れていた、
(これだけの戦果を上げたんだ! 父上に褒めてもらえるに違いない!)
ヤマトタケル様は意気揚々と、大和朝廷の宮殿へと帰っていきました。
しかし、景行天皇の真の目的は“恐ろしい息子に死んでもらう事”です。無自覚に最強で俺TUEEE系の主人公、ヤマトタケルの運命は一体どうなるのでしょうか?
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