第二話 無自覚に最強で、素直なヤマトタケル。
前回、伊勢神宮で出会ったヤマトタケル様と共に、東の方へと旅立つ前に、まだ彼がヤマトタケルと呼ばれる以前の時代にやってきました。
さて、さっそくヤマトタケル様の父上である、景行天皇が住む宮中をみてみましょう。
あらら、流石神話時代の天皇です。十人の女性に囲まれていますね。オオクニヌシ様ほどじゃありませんが、景行天皇もなかなかのプレイボーイです。
そんな景行天皇ですが、
姉妹同時に合体するなんて、どこぞのエロゲみたいな展開ですが、景行天皇は二人の姉妹を宮中に迎える為に、ヤマトタケル様の兄である
しかし、現地に着いたオオウス様は姉妹を見て(なんて、美しい姉妹なんだ……)と、惚れてしまいます。
「貴女達姉妹はなんて美しいんだ! よかったら僕と合体してみませんか?」
なんとオオウス様は景行天皇の命令を無視して、噂の美人姉妹とオフ○こしてしまいました。
こうしてオオウス様は、まんまと美人姉妹を妻にした訳ですが、天皇の命令を無視した事になるので、上手く誤魔化す必要がありました。
「ヤベェ、父上の女を横取りしちゃった。どうしよう……まあ、いいや、どうせ父上は姉妹の顔を知らないし、別の女の子を連れていけばいいや」
そう、今は神話の時代です。
スマホやTwitterなんて存在していないし、『インスタ映え』なんていう言葉もありません。
景行天皇が知っている美人姉妹の情報といえば、流れてきた噂程度のものしかないのです。
景行天皇が姉妹の顔を知らない事をいいことに、オオウス様はたまたま見かけた別の姉妹を父の元へと連れてきました。
しかし景行天皇は(あれ、この娘達は、違う女の子なんじゃない? てか、オオウスが連れている方が噂の美人姉妹なのでは?)と、オオウス様の嘘を見抜いたのです。
けれども、景行天皇は少し気が弱いところがあるのか言い出せず、オオウス様が連れてきた姉妹を、一応自分のハーレムに加えましたが、お目当ての美人姉妹を息子に取られた悔しさを隠していたのです。
一方オオウス様は、美人姉妹と「きゃっきゃっウフフ(´∀`*) 」なエロゲ的ハーレム生活を楽しんでいました。
しかしオオウス様は美人姉妹と合体するのが忙しくて、朝夕の食事にさえも顔を出さなくなりました。
天皇なんだから自分で言えば良いものを、景行天皇は後のヤマトタケル様になる
「わかりました。必ず兄を改心させましょう」
オウス様は景行天皇の言葉に従いました。
さて、ここまで時間の流れを早くさせて、ザッと見てきましたが、この出来事が後のヤマトタケルとなる、オウス様の運命の歯車を大きく動かしたのです。
さあ、オオウス様は改心するのか見ものですね!
あれれ、五日ほど経過しましたが、オオウス様は未だに食事に顔を出しませんね。それどころか、宮中からも姿が消えました。
一体、何があったのでしょうか?
「ちょっとオウスちゃん。ちゃんとオオウスを注意したの?」
さすがに待てなくなったのか、景行天皇はオウス様を呼び出しました。
「とっくに注意しましたよ」
「じゃあ、なんで食事に出てこないの?」
「それはですね、父上。兄さんが夜中トイレに出てくるのを待ち構えて捕まえた後、タコ殴りにして手足をもぎとって、その辺に捨てたからです」
オウス様は、さらりとエグい事を言いました。
「父上の美人姉妹を奪うような奴は僕が許しませんよ!」
オオウス様が天皇から美人姉妹を横取りした事は、オウス様にもバレていたようです。
やはり、不正はよくないですね。
さて、オウス様は父である景行天皇の無念を晴らしたかっただけのようです。
しかし、当の景行天皇はいうと……。
「(;゚Д゚) ナイワー」
あらら、流石にドン引きしちゃっていますね。
(なに、この子。なんでこんなにも凶暴なの? いつか私が殺されるかもしれない……)
無自覚に最強で日本神話でも「俺TUEEEE系主人公」、オウス様(ヤマトタケル)は、父である景行天皇に恐れられるようになってしまったのです。
(でも、直接手をくだそうとすると、返り討ちにされるかもしれないし……そうだ、色々な強い敵と戦わせて死んでもらう)
こうして、景行天皇は恐怖の対象であるオウス様に、遠回しな暗殺計画を実行するのです。
「オウスちゃん九州の方にね、朝廷に従わない
オウス様はこれが、自分の暗殺計画とは知らず、景行天皇の命令に素直に従い、九州の方へと出かけていったのです。
さて、私達も大和の国(奈良県)から九州の方へ、オウス様と旅立ちましょう!
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