草薙の剣を巡る旅路~ヤマトタケルと失われた神剣の謎~
東樹
第一話 伊勢神宮で出会った勇者
【はじめに】
この作品は『日本神話〜浪漫あふれる世界への旅〜』の続きになります。
どちから拝読されても楽しめる内容になっていますが、前作も合わせて目を通してもらえると日本神話への理解がより深まると思います。
『日本神話~浪漫あふれる世界への旅~』はこちらです。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891983864/episodes/1177354054892205731
それでは、草薙の剣を巡る旅へと参りましょう。
【今まであらすじ】
天地開闢(世界創造)から神武天皇の即位まで見守ってきた神話の旅人達は、神話世界から現代社会に帰る途中、ヤマタノオロチが接近してきました。
ヤマタノオロチの霊力によって時空は歪み、危険を感じた旅人達は神話世界の伊勢神宮に不時着したのです。
☆
ふう、危ない、危ない。まさか帰り道でヤマタノオロチと遭遇するなんて、思っていませんでした。
伊勢神宮のご祭神はアマテラス様です。その加護があるので、ヤマタノオロチも来れないでしょう。
さて、折角なので神話時代の伊勢神宮を観光しましょうか……と言っても、おかげ横丁や赤福餅がある現代の伊勢神宮ではありません。
伊勢神宮へ参拝に行った時は、赤福餅のぜんざいを食べるのが楽しみなので、少し残念です。
おや、境内で誰かが熱心に拝んでいますね。男性ですが顔達も精悍で整っていて、まるで女性と見間違えるような美しさがあります。
ゲームで例えると『ゼルダの伝説』の主人公のリンクですね。
さて、伊勢神宮で出会った彼の名前はヤマトタケル様と言います。
代十二第天皇の息子であり、大和朝廷に従わない様々な敵を討伐した神話時代の英雄です。
様々な武勇伝があるヤマトタケル様ですが、彼のような英雄でも神頼みする時はあるんですね。
おや!? 参拝を終えても、ヤマトタケル様の表情は暗く、どこか沈んでいますね。
何かあったのでしょうか?
そんなヤマトタケル様に、一人の女性が近づいてきました。
彼女は
ヤマト姫様は天皇の代わりにアマテラス様に奉仕するため伊勢神宮に住んでいます。
ようは伊勢神宮の管理人ですね。
「オウスちゃん、どうかしたの?」
倭姫様は落ち込んでいるヤマトタケル様に話かけました。ちなみに『オウス』というのは、ヤマトタケル様の前の名前です。
「おばさん……」
「あ、間違えちゃった。今の名前はヤマトタケルだったわね。それよりも、落ち込んでいるようだけど、どうかしたの?」
「実は西の征服から戻ってすぐ、父上の景行天皇に、今度は東の方を征服してこいと言われました」
「まあ!」
「これじゃあ、息をつく暇もありません。もしかして、父上は私が死んでしまえばいい、と思っているのでしょうか」
なるほど、だからヤマトタケル様は落ち込んでいたんですね。
「事情はわかったわ。ちょっと待てて」
ヤマト姫様がこの場を離れました。そして、持ってきたのは一本の剣です。
「これは……」
「この剣は、貴方の祖先であるニニギ様が、高天原より降臨した時、アマテラス様より与えられた剣です」
あれは
あの時から、とてつもない霊力を放っていましたが、随分と時間が経った今でも変わりません。
「そのような凄い剣を、僕が使ってもいいのですか!?」
「これも、なにかの縁です。貴方はこの剣に呼ばれたのでしょう。きっと、ヤマトタケルの救いになるはずです」
「ありがとう、おばさん!」
こうしてマスターソードじゃなくて、日本神話史上最強の剣を手に入れたヤマトタケル様は、攻撃力がカンストするどころか限界突破して+99999となりました。
アルティマウエポンもびっくりですねw
こうして神話時代の伊勢(三重県)を出発したヤマトタケル様ですが、何故彼が父である景行天皇に、東の遠征を命じられたのか、時間を戻して経緯を見ていきましょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます