美少女転校生だと思っていたら小学校の時に俺をいじめてたあの女だった

アスパラキング

プロローグ

 高校二年の五月。


 高校生活を一年間終えてすっかり高校生活に慣れた時期。


 こんな時期にうちの高校に転校生がやってくる。


 転校生というとみんなは真っ先に何を思い浮かべるだろうか。

 

 メチャクチャ綺麗な美少女だったり、アイドルやってる娘だったり、昔の幼馴染みで目を合わせて「「あーーー」」って言ってそっから恋が始まったりするのだろう。


 みんなを期待させる。それが転校生だ。


 そうでなくても転校生ってだけで良い意味でも悪い意味でもみんなの注目の的である。慣れてきた時期に新しい刺激が与えるのだ。


 つまり、転校生って聞くだけでみんなはワクワク期待するだろう。


「家の事情で今日転校してきました。      佐々木香奈ささき かなです。小学校の時も引越してまた戻ってきました。途中から来ましたけどみんな仲良くしてください。」

 

 黒髪ロングで背はそこそこ高く、化粧をあまりしてなくても分かるポテンシャルの高さ、その笑顔は誰が見ても好印象を与えるだろう。



 俺はコイツを一度も忘れたことがない。



 コイツは小学校の時に俺をいじめていた女なのだから。


 そのコイツがたった今、俺のクラスメイトになろうとしている。

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