第7話 全校生徒の前で告白を受ける!

「山田健太(やまだ けんた)君!」


「はっ。はい」


「はじめまして」


「はっ。はじめまして」


「月野姫(つきの ひめ)と申します」


えっ。えーーーーーーっ。日本人の名前じゃんかよ。普通に人間の女の子じゃんかよ。てか、すっげーかわいい。


「やっと会えましたね。来てくれないのかと心配しました」


「・・・」


「ほら。姫の心臓はこんなにドキドキなんです」


彼女は俺の右手を取って自分の胸にやさしくあてた。


トクン、トクン、トクン。


 かわいい心臓の鼓動が手の平に伝わる。おーい。山田健太。しっかりしろ。心臓があるぞ。宇宙人にもちゃんと心臓あるから。


「あ、はい。みんなが見てます」


顔中に火がついたかのように熱い。ヤバイです。死にそうです。いや、既に死んでいるかも。


「あのー。メール見てくれました?ふーぅ。面と向かうとやっぱり恥ずかしいですね。でも、でも勇気を出して言います。私はキミのことが大好きなんです。あのー。良かったら私とつき合ってください」


でたー。人生初の告白。しかも超絶美少女。しかも俺に断る権利無し。ちょーかわいい。ってか喜んでいる場合ではない。見た目は超絶美少女でも中身は宇宙人。確認しなきゃ。


「あのー。月野姫さん。キミって人間ですか?」


「うふ。どう見える?」


「人間の女の子に見えます。とってもかわいい・・・」


「うれしいな。なら今から人間になります。子供だって産めますよ。病院で調べてくれてもいいわ」


月野姫は僕の目の前でクルリと回って見せた。栗色の髪が宙を舞う。テレビCMでよく見るあのシーン。かわいい。と言うかかれんだ。俺の目をくぎ付けにする天使だ。


「そんなに簡単に宇宙人をやめてもいいのですか?」


「簡単じゃないけど、好きな人のためなら」


ドキューン。まいりました。俺のちっぽけな理性は粉々に弾け飛んだ。


「こちらこそ。こんなぼっちですけど喜んで。お付き合いください」


「うぉー」


「キャー」


いつの間に出てきたのか、グラウンドの周りには私立松原高校の生徒、総勢2400名の姿があった。2400名の歓声が俺を取り巻いていた。

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