第40話 違和感

カランコロンという音と共に喫茶店のドアが開く。


「いらっしゃいって伽奈か。」

「私お客様なんだけど。」

「はいはい、好きな席に座っておけ。」


伽奈が転校して1ヶ月、あと少しで夏休みだ。あの後、伽奈は転校した。それから少しずつだか元気になり今では元の明るい伽奈になった。どうにも元々伽奈は妬まれていたらしく突っかかられたりしたらしい。言わなかったのは心配させたくないという事だったが今回の1件で限界になって頼ってくれたということだ。


さてあの男子生徒と新島はあのあとどうなったかというと男子生徒は少年院に行き新島は裁判所で再開することになった。


男子生徒は伽奈以外にも手を出していたらしく、似たような手口で近づきその後は写真などで脅していたらしくそのまま少年院にぶち込まれた。

新島は生徒の個人情報を渡していたということで刑事事件になり裁判所で再開した。終始新島は俯いていながら淡々と答えていった。この時に分かった事だが新島の不倫相手は加藤だったらしく個人情報は加藤に教えてもらっていた為にその後加藤も逮捕された。


「けど伽奈ちゃんも無事でよかったよ。」

「ありがとうございます...」


事件の後に緋奈と伽奈をこの喫茶店で会わせて話し相手になってもらうようにした。

俺や母だと相談しづらいこともあるだろうから緋奈に頼んだのだ。最初の時は嫌っていたが今ではある程度会話もするようになった。


また...人で遊ぼうね...


まだ覚えている記憶。は笑って俺に言っていた。

昔は俺、緋奈、伽奈で遊んでいた。それは俺の記憶であり求めた光景であった。


ただ違和感があった。それが何なのかはまだ分からない。


まだ俺は大切なものを忘れているのだろう。このモヤモヤが俺をずっと苦しめている。


それでも1歩ずつだがあの時の光景に近づけていると思う。

俺が覚えているあの時の日常をもう一度見たいのだ。


だからそれを邪魔するなら...


緋奈が伽奈に話しかけ伽奈が邪険にしながらも答えているこの光景を守っていきたいと思うのだ。








「まだ思い出せないんですかね。」

「まぁ脳というのは不思議なものですから。」

「それならもう少し干渉しますか。」

「それでいいと思いますよお嬢様。そもそももう少しお嬢様は積極的にならないと紗倉様に持っていかれますよ。」

「分かっていますよ、私だって負ける気はありませんから。」


(難儀な性格ですね...)


佇むメイドは心の中でため息をついていた。




















あとがき


皆さんいかがお過ごしでしょうか?自分はコロナウィルス関連でドタバタとしています。

この作品はここからはラブコメに近づいていく感じになりますが何卒よろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る