第27話 戻った日常③

結局の所全面的に校長と新聞部部長の鳥羽が悪いって結論がでたので、そろそろ俺も日和さんに聞きたいことを聞くことにした。


「日和さん少しいいですか?」

「えぇ、どうしたの?」

「率直に聞きますが日和さんってどうして離婚したんですか?」


ずっと疑問に思ったことだ。事件のことを知ったとは言え、怒ることはあっても離婚まではしないはずだ。


「夕さんは怒るとしても離婚まではしないだろうと思ってない?」

「え、えぇ...正直な所、俺への悪口くらいで離婚することはないと思っていたので。」

「そうね、確かにそれだけなら離婚まではしなかったけど別居はしました。」


別居はするんだ。


「理由は貴方に対してやったことを調べたと言えば分かりますよね?」

「もしかしてあの人が関わっていたことを知ったんですか!?どうやって!」


俺はこの人にだけは伝わらないようにしたはずだ。それを知っているということは...


「私が話したわよ。」

「どうしてだよ母さん!」

「どうしても何も私は日和ちゃんがあのクズといるのが耐えられなかったのよ。もともとあのクズは私をことある事に誘ってきたしね。」

「そうだとしてもあの時言っただろ!緋奈が悲しむかも知れないから伝えるなって!」

「そう思っているのは夕だけよ。緋奈ちゃんもあのクズに対して思っていることはあったのか何も言わなかったのよね?」

「えぇ、緋奈もクズのことは離婚してありがとうとまで言われました。」


まさか緋奈が感謝していたなんて。そこまでクズだったのかあいつ。


「だから夕さんが気に病むことはありませんよ。遅かれ早かれ私は離婚していたと思いますし。」

「そうですか...ならあと1ついいですか?」

「いいですよ。」

「なんで引っ越した所が俺達の家から近いんですか?まるでわざと近くに来たと思えるんですが。」


そう、緋奈を送って行った時に気づいたのだが場所がの近くなのだ。普通なら疑問に思わないが大湊に通うならもっといい所があったはずだ。


「それは千代女さんがここを夕さんが通るからこのアパートにすれば帰り道一緒になれるって言ったので...」

「お前かぁ!」


やはり全ての元凶は母か。うすうす気づいていたんだ。緋奈が大湊だったのも、引っ越した所が近くだったのも。

そもそも緋奈は学費がと言っていたがそんなことは無いはずだ。だって日和さんは


社長令嬢のはずだ。


紗倉グループは服飾を中心に雑貨を手広く扱っておりかなりの資産があるはずで、その愛娘の日和さんや娘の緋奈なら困ることをしないはずだ。


「もしかして緋奈は日和さんの実家を...」

「知らないですね。言うことでもないですしむしろ夕さんはよく知っていましたね。はっ!?まさか私の事が好きなのですか?ダメですよ、私はもう36なんですから。でもでも夕さんがどうしてもって言うなら吝かでも。」

「いえ、だいたいは把握しました。ありがとうございます。」


まぁ結局俺のしたことは自己満足で終わったが日和さんも緋奈も幸せならそれでいいか。


こうして過去のわだかまりも含めて長いように感じた高校生活の2ヶ月が経ったのだった。

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