第25話 戻った日常①

新聞部ストーキング事件の結末を話すとしよう。

まず今回のストーキングに関わった新聞部7名のうち6名は各々が生徒を脅して金品や性的行為を強要したらしい。

1名というのは平田で、平田は手を貸しはしていたものの元々乗り気ではなくやむを得ずやっていたという。というのもあまり裕福な家庭ではなく母親が入院した為にその費用を稼ぐ為に、金払いが良かったため手を貸していた。

なので新聞部7名中6名はそのまま警察で他にも余罪がないか調べられるものの、平田は温情で重い罰にはしないみたいだ。俺としては手を貸していたのだから同罪だと思うが仕方ないだろう。


次に校長だがこいつはやばかった。それと言うのも校長の自宅からも盗撮や盗聴のデータ、それの指示をだしている証拠、終いの果てにはには売春を促すのもあった。

渚さん曰く数人ほど大湊を退学していった生徒がいたが全員が校長の仕業だったのを知った時は俺ですら震えたものだ。


ちなみに新聞部の顧問である野田先生であるが彼はなんにも知らなかったのである。部室で庇えないと言っていたのは、新聞部が透華さんをストーキングしているのを知ったのでそれを透華さんから聞かれた時に庇った為にこれ以上庇えないと言ったらしい。

野田先生は校長と新聞部がやったことを知らされると、透華さんと渚さんにすぐさま土下座をして自分がちゃんとしていればと涙ながらに語った。


そして俺といえば理事長室の備品の為に働いていた。


「いらっしゃいませー。」

「やっぱり夕くんはスタイルいいわね。」

「ご注文は何でしょうか?」

「そろそろ夕飯にご招待してもいいんじゃない?」

「備品の為に働かなきゃいけないので。」


母が経営している喫茶店でバイトをしているので実際忙しい。

母と言えばこれ幸いと俺の眼鏡を取り上げて髪を上げてセットして素顔で働かせてそれを写真を撮って茶化していた。


「母さん頼むから写真を撮るのをやめてくれ。」

「だって夕はモデルに戻らないんでしょ?」

「あれは鍛えるの手伝う代わりにやれって言ったからで...」


そう、俺は母の遺伝子を色濃く受けたせいで顔は整っており母から鍛える交換条件として一時期モデル業をしていた。

と言っても顔出しはせずに服装だけなので誰も知らないのだが。


「なら今回はここで働くのを許可する代わりに写真で手を打つわ。」

「千代女ちゃん、その写真送ってもらっていい?」

「いいわよー。」

「ずぞぞぞぞぞ。」


はしゃぐ母と渚さんにメロンソーダを啜る伽奈。あまりにも混沌としている。


「とりあえず今は仕事中だから後にしてくれ。」

「はいはい。あぁそう言えば日和ちゃんからお礼言いたいって言われたから食事に呼ぶわよ。」

「分かった。俺も日和さんには話したい事もあったから助かるよ。」


そうして備品の為に俺はバイトを続けているのだった。

後に備品は校長に請求したらしく俺が慟哭したのは言うまでもない事だろう。

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