第24話 断罪②
「あんただろ!これをやったのは!」
俯いていた鳥羽がいきなり顔を上げて俺を睨みつけて叫び始めた。
「どうして俺がやったって?そこの新聞部副部長の平田が俺の席にイタズラしたから呼ばれたんだよ。」
「平田ぁ!あんたまさか見られたの!?」
ヒステリックに叫ぶ鳥羽は俺から平田に視線を向けるが平田は俯いて鳥羽をみないでいた。
まぁ認めれば平田のせいでこの状況になったようなものなのだから平田は認めたくないのだろう。
「なら口にできなくすればいい。」
校長が不吉なことをいい始めたぞ?
「幸いこっちは人数がいるからな、それこそハメ撮りでもして脅せばいい。」
「そうね。そうと決まればあんたらさっさと理事長と早見を捕まえなさい!」
鳥羽も校長に乗り新聞部のメンバーに指示をだす。これで予定通りに進められる。
「それが貴方達の選択でいいのね?今ならまだやり直せるはずよ?」
「何言ってるのよババア!ここであんたの弱みを握ればこの学校を好きにできるんだからちょうどいいわ!」
「そう、ならもうどうなっても知らないわよ。」
渚さんの最終勧告も終わったので俺が動き出す。これで正当防衛が成り立つからだ。
そう、本当なら渚さんなら母から警護している人を借りれるのだろうがそれをしなかった。
「それじゃあアンタらの相手は俺がするよ。これも録音させてもらったから立派な正当防衛になるから好きにさせてもらうぞ。」
そう言って手近にいた生徒の鳩尾を思いっきり蹴って後ろの数人も巻き込んで吹き飛ばす。
過去にイジメられて理不尽に傷付けられてから俺は気づいた。それは理不尽を払い除けらる力を付ければ緋奈の近くにいれるのではと。
それから俺は母に頼み警護の人やSPなどにも武術を教える師範と呼ばれる人から、護身術を学び体を鍛えた。
しまいにはスカウトされるほど強くはなれたもののその時はまだ、緋奈と向き合える自信はなくて影から支えようとした。
「とりあえず透華さんと紗倉の為にもお縄についてくれ。」
そこからは簡単だった。そもそも人数しかいないから周りを巻き込むように吹き飛ばせばあとは足の引っ張り合いだ。
校長は一目散に逃げようとしたが後ろから吹き飛ばされた生徒にぶつかり気を失っていた。
1時間後くらいには警察に連行されていった。後ほど俺と渚さん、紗倉に透華さんも行く予定だ。
「それにしても夕くんは本当に強くなったわね。」
「まぁ、みなさんのおかげですよ。イジメがあった時よりも体が痛かったりして本末転倒かと思った時もありましたけど。」
「それでも今回は助かったわ。実際、純血を散らさなかったしね?」
そう言って透華さんを見る渚さん。
見られた透華さんはと言うと
「あぁ、助かったよ。あたしも今回はマズいと思ったが母は分かっていたようだな。」
「そうね。千代女ちゃんに借りようとしたら一番強いのは夕くんだから要らないわよって言われたからね。」
「そんなに強いのか...」
呆れた表情で見られたが当時イジメられた身からすると強ければ強いほどいいと思っていたので後悔はしていない。
そうして今回の新聞部ストーキング事件はほとんど被害もなく終わった。
「いや、部屋の備品いくつか壊れているから後でお話よ。」
被害はあったようだ。
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