第20話 朝の騒動

緋奈と和解してから3日後月曜日になった。

帰ってから土、日と新聞部の後ろにいる人物のことを考えたがやはりというか突き止めるには今ひとつ足りないでいた。


「スマホでも見れればなぁ...」


そんや言葉がボヤかれつつ登校する。

1番手っ取り早いのは新聞部の部長のスマホを調べることだが難しいだろう。

いっその事1人を警察に突き出して芋づる式にあげるかと考えたがこれも難しいだろう。


そんなことを考えながら歩いているといつの間にか教室まで来ていた。

気づかずにここまで来てしまうあたり自分でも思ったより悩んでいるのだろう。

そうして教室に入ろうとしたらいきなり教室の中から大きな音がした。そのあとも誰かの叫び声が響いてきた。


(おいおい朝から物騒だな...)


一応透華さんに着信を入れたまま教室に入った。すると騒ぎは緋奈の周りで起きていた。


「なぁどうしたんだ?」

「ん?あぁ折崎か。なんかお前の机にイタズラしようとした生徒がいたらしくてそれを紗倉さんが止めようとして突き飛ばされてよ。そっから親衛隊とその生徒が揉めたってわけ。」


ちょうど入口にいた生徒(確か山田だったはず)に聞いたところ俺の机にイタズラをしようとしたらしい。


まぁ緋奈の性格からして今度は止めようとしてくれたみたいだが怪我をしたらどうするのだろうか。そう思いながら騒ぎの中心に向かう。

そこには前に突っかかってきた取り巻きの奴が男子生徒を掴んでいた。男子生徒の方は青白い顔をして今にも気を失いそうだ。


「おいおい人の机の近くで何やってんだよ!」


わざと大声を出しながら近づいてく。案の定みんながこちらを向いたので上手くいったようだ。


「お前は・・・あぁ、この机の奴か。聞け、こいつがお前の机にイタズラをしようとしたんだ。」

「だいたいのことは聞いている。それよりもまずは突き飛ばされた紗倉さんを保健室にでも連れていくべきじゃないか?」


ちらりと女子生徒に囲まれている緋奈を見る。傍目から怪我など無さそうだが保健室には一応行った方がいいだろう。

それにイタズラをしようとした男子生徒には


「そうだな、済まない。」


やはりこいつは根はいい奴なのだろう。男子生徒から手を離して緋奈の所に向かい女子生徒に話しかけていた。


「とりあえず俺たちは職員室に行くぞ。」

「あぁ...」


そうしてイタズラをしようとした生徒をうまく教室から連れ出して階段の死角につれていった。

こいつには聞きたいことがあった。何故ならこいつは


「あんた新聞部の副部長だろ?なんでそんな事しようとした?」


あの新聞部部長と話していた奴だったから。

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