第14話 過去②
(嘘だよな?)
そんな言葉を言おうとしても口からは出なかった。
確かに腑に落ちることもある。何回か階段から突き落とされそうになった時近くには彼らがいたから。
それに疑問にも思わなかったが俺の部屋が向かいであることを知っているのは遊びに来たことがある彼らしかいなかった。
「それに紗倉さんも盗撮されてることに気づいてないしな。」
「まぁな、うまく折崎に擦り付けたからわからねぇだろ。」
そこからはどこかその風景が遠くに感じた。どうして彼らは俺をはめたのか?
なぜはめたのに仲良くしてたのか?
理由は簡単だった。2人が紗倉 緋奈を好きだったから。幼馴染みである俺が邪魔だった。
それに学校の男はこの2人に共感した。だから俺のことをいじめてこの学校から消そうとした。時には暴力を加えたり階段から突き落とそうとして恐怖を植え付けようとしたのだろう。
俺はそのまま荷物を放り出して家に帰りトイレにこもり嘔吐し続けた。
嘔吐して2時間ほど経った頃家の扉を開ける音がしたので玄関に向かうとそこには珍しく母がいた。
母は俺の顔を見ると驚きそのまま居間に行き理由を説明するように言われた。いつもは笑顔の母が真剣な顔をしていたから相当酷い顔をしていたのだろう。
そこからは母に詳しく話をした。話を聞いた母は俺を抱きしめて泣いてくれた。この時ほど俺は嬉しいと思ったことは無かった。
その後は妹の伽奈も来て事の次第を伝えたところ「気づかなくてごめんなさい」とずっと泣いていた。
そんな妹をみるとやっぱり巻き込まないように伝えなくてよかったと思ったのだがそこからが大変だった。
母がブチ切れて訴えるという話まで出たり妹が同じことをやり返そうとするのを止めるのに1時間ほどかかった。
「それで夕はどうするの?さすがにここまでされたら親としては出るとこ出ないとおさまらないわよ?」
「とりあえずは証拠集めかな、教師の証拠がないってのも納得したし。」
「なら伽奈も手伝うよ!」
「伽奈を巻き込みたくないんだが...」
「嫌だよお兄ちゃん。それに私が気づけばこんな事にはならなかったから伽奈もこればっかりは引けないよ。」
俺としては巻き込みたくなかったけどうちの家族が引かない時は引かない頑固な性格なのは知っていた為そのまま伽奈の手伝いを受けることにした。
そして母にボイスレコーダーや小型カメラ等を用意してもらいまた母の手伝いをしていた関係者にも事の説明をし現状の写真を撮ってもらった。体には青アザがいくつもあり悲惨な状態でありそれを見た関係者と母は憤っていた。
そして2日程風邪という理由で休みにして証拠を集める準備をした。
そこからだろうか歳を取ると性格が変わるというが俺はそこから
家族以外は全て害のある他人だと思うようになったのは。
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