第8話 ストーキング

部活動紹介から1週間が経った。あれからどの部活も勧誘期間の為に放課後は活気に溢れかえっていた。

そのせいなのか新聞部もあれから部活メインの記事を作っていたのだろうか人探しの件はなりを潜めていた。


「この調子なら忘れられるんじゃないか?」

「どうですかね。早見先生は若く綺麗な教師ということなので話題にはなるから必ず探すとはおもいますけどね。」

「それでも個人的には折崎と親戚付き合いってことで問題ないとは思うんだが...」

という関係でも一緒にいることすら疎まれたことがある身としては同意できないですね。」

「それはそうだが...」


化学準備室で早見先生とここのところ日課になりつつある情報交換をする。


早見 透華という女性は傍目から見ても綺麗に見える。黒い長い髪をポニーテールにしある程度でかい胸と日頃運動している為綺麗なスタイル。そんな彼女の近くに男がいるとしたら気になるのだろう。

正直なところ目障り以外の何者でもないので容赦なく廃部にしたいと思う。


「早見先生には迷惑はかけませんよ。」

「むしろ迷惑を掛けているのはあたしだろ?すまないな。」

「むしろよかったと思いますよ。こんなに早く邪魔者を排除できるんですから。」


透華さんは顔をしかめてはいるが何も言えないのだろう。なんせ部活動紹介という場で好奇心だけで仕事を失うかもしれないような事が起きたのだから。

例え親戚付き合いだから挨拶したという話をしてもそこから邪推するような人がいればダメだろう。


その後周りの状況をある程度話して準備室を出て昇降口に向かう。


それにしても後ろをついて来るのは如何なものか。かれこれ準備室から昇降口をでて更には遠回りしながら帰宅しているのだが後ろをついてきているのがいる。


(さすがにストーキングはダメだろう...)


中学時代でも数人しかいなかったストーキングをされるあたり透華さんは人気なのかもしれない。かといって今は状態なので折崎 夕とはバレはしないだろう。中学時代のことがあってから眼鏡をかけるようにしているのだが正直邪魔なので身内には外して話したりしている。ただ妹からは眼鏡をなくしてほしいというぐらいに眼鏡をかけてる時を嫌われている。


何はともあれストーキングされてると分かってからはバレないように携帯で録画しているのだがここまでする新聞部はおかし過ぎるのではという考えがあった。

犯罪行為をしてまで知りたい何かがあるのだろうか、それともただの好奇心によるものなのか。どちらにしても新聞部は廃部にしないとダメだろうということしか分からなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る