第6話 生徒会長

「今日は伝えてある通り学校案内をした後LHRして昼休みのあと部活動紹介だ。この学校は別に部活動は入らなくてもいいから入りたいと思わなかったら入らなくてもいいからな。」


そう言って学校案内の説明を始めた。説明と言っても10人ごとに先輩方が案内をしてくれるらしい。出席番号順なので俺が6番、紗倉さんが12番なので一緒になることも無いだろう。


コンコン


そうして早見先生の説明を聞いていると不意にノックをする音がなった。


「もう来たか、入ってくれ。」

「失礼します。」


ガラガラと音がなりみんなが注目していると3人の先輩方が入ってきた。


「今回案内することになりました生徒会長の柊木ひいらぎ 鈴音すずねといいます。みなさんよろしくお願いします。」

「同じく案内役の田沼たぬまです。」

「牧原でーす。」


入ってきたのは生徒会長さんだった。残りの2人は手伝いなのだろうか主に生徒会長がこの後の説明をしてくれる。


「では行きましょうか。出席番号1〜10までの方はついてきてください。」


俺たちは生徒会長の後について行った。生徒会長は美人な人なので案内を受けている男子のメンツはみんな浮き足立っている。

俺も過去の事がなければ喜んでいただろう。それくらいに綺麗な人だ。ただ頭の中に少し引っかかるものがあるのが気がかりだが。


生徒会長の説明は分かりやすかった。備品置き場や選択授業で使う教室など使う用途からどんな授業なのかまで説明してこの後の授業選択がしやすくなった。


「それではこれで案内は終わりになりますね。昼休み終わり次第部活動紹介になりますのでよろしくお願いします。」


そう言って図書室で解散となった。まぁ弁当などは教室なのでみんな学食か教室に戻るだろう。

今日は弁当を持ってきてないので学食に向かう。

学食はそこそこ広く1学年程度なら全員入りそうだ。入口で食券を買い受け取り口に並ぶ。日替わり定食300円、生徒会長曰くコスパがもっともいいらしい。


今日の日替わり定食は唐揚げとハンバーグというボリュームあるものだった。味としても普通に美味しく時々食べる分にはいいかもしれないと思った。そうして独りで食べていると前に人がいる気配がしたのでふと前を見るとそこには生徒会長がいた。


「前、失礼しますね。」


そう言いながら生徒会長は座った。どうやら生徒会長も日替わり定食のようで唐揚げとハンバーグがあった。


「折崎くんも日替わり定食なんですね。」

「えぇ先程、柊木生徒会長がおすすめしていたので。ところでなんで名前知っているんですか?」

「さすがに案内する生徒の名前くらい覚えますよ。」


苦笑しながら言われるとそんなもんかと思ってしまう。真面目な人なのだろう。


そうしてこのあと何も話すことなく日替わり定食を食べ終えて教室に戻るのだった。










「またね、ユウくん。」

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