第15話 証人、そして決定的な確証


「刑事告訴」は無事に受理され、本格的な捜査が始まった。




当然、私も相手の男も取り調べが行われた。




ドラマ:緊急取調室のイメージとは違った。




大きな窓もなく監視カメラも見当たらない。


ドラマの取調室のイメージは灰色っぽい部屋。


しかし、管轄署の取調室は真っ白な部屋だった。




しかも、たくさん取調室があった。


大小10部屋以上あった。


それにはビックリした。




思わず、私は担当警察官HY警部補に尋ねた。




「録音・監視カメラ等の可視化には対応していないのですか?」




「可視化はまだですねー」


と答えが返ってきた。




取り調べのグレーな部分をハッキリさせるため、


全国的に録音・録画の可視化に対応する流れになっている。




だがココの管轄署は、比較的新しい署なのだが、


可視化には対応していないらしい。




※実際には可視化した取調室も有るのかもしれないが、


この部屋は可視化していない部屋だったのかもしれない。




こちらとしては、可視化して全てを証拠の証言としてもらって、


構わないのだが・・・嘘つく必要も無いからだ。




2度ほどに渡り(1週間に1回ペース)


いろいろ詳細を聴かれた。




そして・・・


2度目の取り調べの際、


実はすでに近隣住民から


「脅迫になるので止めてください」 


「殺すぞ」「殴るぞ」


逃げた姿等・・・


一部始終をこっそり見ていた住人が居た。




私と相手の男の口頭でのやり取りや、


行動の全てを見て聴いていて、


「証言」もとれた。




「おおおー本当ですか?」


「一体どこの何方が?」


と私はお礼を告げようかと思ったが、




取り調べHY警部補の口から、


「個人情報や証言者の身の安全を考慮して、


ドコの誰か?は教えられないが、


脅迫に値する事実は実際にあった。」


という「証言」が成り立った事を教えられた。




そしてこの後、取り調べ警察官HY警部補から


「決定的な事実」がある事も告げられた。





「相手の男が、脅迫の事実を自供した。」と。





自供した方が刑が軽くなると見越して、


自ら、脅迫の事実を認めた。と言われた!!


脅迫男が自らの犯罪を認めた決定的な確証を得ることが出来た。



これで私の言い分が「ほぼ事実」だったと認められた。




「ほぼ」と書いたのは、犯罪の有無は、


この後「警察」から「検察官」に移り、


そして「裁判」の判決で「決定」されるからだ。




次に実況見分と現場検証を行いたいので、


また後日、署に来て協力してほしいと言われた。




○月●日の△時に検証写真撮影を行うので、必ず来てほしいと。


その日は、別の警察官も参加して、何人かの視点で検証実験を行うらしい。




実況見分と現場検証については、


また次の機会に・・・。




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