第16話 新たな旅路、新たな約束
スイン王国 酒場 夜
「ふむ、アクス君も大変な目に合ったんだねぇ」
「しかし、そいつらはやべぇ奴だな」
「でも。逃げられたのならよかったです」
「まぁな」
4人が3年ぶりにお酒を楽しんでいると。
酒場の入り口で手紙を頼まれたという青年がアクス宛の手紙を持ってきた。
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スイン王国 『光の騎士アクス・バーズ』さまへ
この手紙を読んでいるということは無事にスインに到着したようですね。長旅ご苦労様です。そちらは南なので暖かいのでしょうか。コゴウル王国は只今凍っております。比喩ではなくマジです。せっかくお仲間と一緒に故郷でゆったり休まれている時大変お心苦しいのですが。こちらコゴウル王国に来ていただけるコゴウル王国民は喜びます。というか私が喜びます。そしてどうかお助け下さい。
魔法省大臣ワウル・スルゥと 宰相アグーサ・スカンがクーデターを起こしました。彼らの目的は王家に伝わる錫杖。魔道具『
そしてこれも記述しておきます。ワウル・スルゥは『武器強化の魔術』です。武器強化は所有する武器の強度、耐久の強化や魔道具なら射程や威力も強化できます。ただし自分の持っているもののみです。アグーザ・スカンは『氷結の魔術』です。説明のしようがありません。コゴウル王国はそのせいで凍り付いているということだけは教えておきます。スイン王国の北部に船を用意しておきます。ノースェには現地の協力者がいますのでご安心をなぜこんなに至れり尽くせりで何でも知っているかというと。私は『案内人の魔術』を使えるので、だれかに何かを伝えることや導くという行為ができるのです。でも今回はかなり魔力浪費したのでコゴウル王国片道のみですご注意を。
コゴウル王国 王女ミィフ・コゴウルより
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「......」
アクスを含んだ4人は手紙読み入っていた。
「なんだかずいぶんと癖の強そうな王女様だねぇ」
「そうだな、なんていうかやけにフレンドリーというか」
「ミィフ王女には俺がコゴウルに来たばっかりの時にいろいろよくしてもらったんだ。」
「とてもお優しい方なんでしょうね」
「ほぼ行かせること前提だけどな」
「無理やり行かせようとするということはそれだけやばいんだ」
アクス焦り始めていた。コゴウル王国では逃げてきたが基本的にあそこは気に入った場所であっただから。
「みんな俺もう一回コゴウル王国に行ってくる」
アクスは決意した。恩義もありったが助けてくれと言われたら助けないわけにはいかなかった。
「アクス君。言うと思った。今度僕も一緒に行こうかな?」
「クロウ、彼女さんがいるんだろう?今回のは長旅だぞ、大丈夫か?」
「アクス君、君は心配性だなぁ大体いまは僕の奥さんだよ?」
「「嘘!?」」
「本当だよ!嘘?アクス君とサリア嬢はともかくダンガズ君?君は知ってるはずだよね?」
「俺は知らねぇぞ」
「そんな...」
「あぁそうだ、アクス俺も行くぜ。いままでみたいな待ちぼうけはごめんだぜ」
「ダンガズ...ありがとう」
「サリア君は?別に無理していくことは...」
「私はいやです...」
「だったら、3人で...」
「ですが、もう待つのもいやですよ。今度は4人で一緒に行きましょう。いままでスイン王国内での小さな旅でしたが今度は違う、海を渡って旅をするんです。」
「ッ!じゃぁ」
「えぇ、行きます!」
「ようしでは準備してこよう!」
「あぁこれからいそがしくなるぞう!」
こうしてスイン王国の危機を救った4人は今度はコゴウル王国を救うために準備をしていくのであった。
大広間から少し離れた海辺 夜
「コゴウル王国か...」
アクスににとって半年間だったが楽しい思い出が生まれた場所でもあった。そんな国は現在魔物の手に落ちている。
「スイン王国の時と同じように救って見せる......」
「もちろん帰路は4人ですよね?」
「ッ!」
振り向くとサリアが立っていた。
「隣良いですか?」
「あぁいいよ」
静かに海を眺めていると、思い出す。サリアが泣いていた時のこと、あの時はゼアドを倒すなんてと思っていたが現実はどうにかなった。
「アクスさんここでした約束を覚えていますか?」
「約束?自己犠牲はするなだっけか、あぁ覚えているよ」
「私が死ななければあなたも死なないという約束です。本当はゼアド・ドダンまでの予定だったのですが。あの時の約束更新してもいいですか?」
「あぁいいよ、次はクロウとダンガズとも約束しておこう」
「ふふふ、そうですね。ああでも......」
「二人だけの約束が無いとなんか寂しいですね」
「...そうだなぁ、コゴウル王国を救ったらまたここに来るようにしよう、もちろんこれは二人だけの内緒だ」
「わかった約束!ゆびきりげんまんしましょ?」
「またかぁわかったよ」
こうしてあらたな約束が結ばれて出港の時が来る。
スイン王国北の港
4人とも集まり
「お互いが死なない限り自分は死なない」
この約束も4人は同時に結ぶこととなる。
「僕久しぶりだったな、ゆびきりだなんて」
「俺もだぜ、まぁアクスとサリアは慣れてるようだけど」
王女ミィフが用意した船に乗る前にアクスには確認しておきたいことがあった。
「サリア、聴いておきたいことがあるんだが」
「なんですか?」
「俺が魔法陣に突撃す前ににその...告白したけど、その時の返事をまだ返してもらっていないんだ」
アクスはある意味で一番気がかりなことであった、死ぬと思ってたからこそ言えた台詞であり。あのセリフは平常な状態では言えなかっただろうとアクスは思っていた。
「それは...」
「それは?」
「ふふふヒ・ミ・ツで!」
「えぇ!なんで」
「じゃぁコゴウル王国を救った後にあの海辺で教えます!」
そういうとサリアは船に向かって歩き出し、最後にアクスが乗り込み、出港した。
目的地であるコゴウル王国にもまたスイン王国と同等かそれ以上の脅威が潜んでいるだろう。
これから先アクス達はどのように逆境を乗り越えていくのだろうか。
光の騎士救国の騎士となる~金髪美少女を必ず守って見せます!!~ 村日星成 @muras
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