第14話 3年後の再会

スイン王国 3年後





スイン王国の酒場ではいつもの二人組がたむろっていた


「ダンガズ君また老けたかい」


「おい、クロウ冗談もたいがいにしろ、俺まだ35だぞ」


「おやそうかい?あっちなみに僕は25」


「なんだ、喧嘩でも売ってるのか?」


ガヤガヤと騒がしいところ不相応な人物が現れる。


「クロウさんにダンガズさんですよね?」


「「?」」


その金髪に青い瞳は記憶に覚えがある。


「「さっサリア嬢?」」


「ふふふ」


その久しぶりの再会にクロウは喜び、ダンガズは涙していた。


「サリア嬢はあの後スイン王国に居づらくなって外国へ留学にいってたんだよねぇ」


「しょうがねぇな俺たちはともかくアルエーズ家はあの一連の事件でそうとう権威が落ちちまった」


「そうですね、お父様はあの後反省して騎士さんたちに優しくなっていきましたし、魔道具の開発も欲が先行しないように自制して行っているので大丈夫です。」


3年の間に起きた出来事をお互い話して、3年前のあの事件の話を振り返ることとなった


「元々ダンガズ君が荷物運びをアルエーズ邸に頼んだのが事の始まりだよね」


「俺が機材壊して、ラバル・アルエーズに替われと言われてな」


「そう考えるとラバル・アルエーズが実はきっかけだった?」


「まあ、良い意味でも悪い意味でもですが」


「建国記念の宴会ではダンガズ君が代わりに見張り番してくれなかったらこの国の危機に気が付かなかったわけだし、偶然ってのもすごいね」


「えっアクスさんダンガズさんに見張りを代わってもらってたのですか?」


サリアとクロウ、ダンガズは3年前の事件についての話題で華を咲かしていた。


「俺たち4人は救国の英雄として勲章もらえたんだよなぁ」


「当たり前だね、僕たちがいなかったらどうなってたか」


「ただ、アクスさんと一緒に貰いたかったです」


「そりゃな」


「うん」


アクスの話題をしてしまったことで少し暗くなってしまった、サリアは新しい話題を探そうとする。


「あの、そういうえばアラクァの国から旅芸人がこちらに来ているそうですよ?」


「旅芸人?珍しいねこんな端の小さな国にわざわざ来るなんて」


「旅芸人見に行くのか?俺別に...」


「あっそうですか...」


サリアは少し暗くなったため、クロウがフォローに入る。


「(ダンガズ君、サリアは気をつかって話題振ったんだよ?)」


「(あぁそういうことね)」


「あっやっぱ超行きたい」


「超行きたいですか!」


サリアはわかりやすく喜んでいた。


「サリア嬢は旅芸人好きなのか?」


「僕にはわからないけど、そうなんじゃいかい?」


そうしてスイン王国の大広間に移動することになった3人。








スイン王国 大広間





大広間の中央に旅芸人らしき人物が芸をおこなっていたが


これといってパッとしない芸だというのが遠目で見ても


明らかなであった。


「いや全然人いねぇし」


「夜だからねぇ」


「夜だからですよ、少し近づいてみましょう!」





近づいてみると短めの黒髪の男イマイチな芸をしている。


「「え」」


3人は驚いて固まってしまっていた。


「やったスイン王国に着いたなんだよ」


「アクス君?アクス君!君生きてるなら連絡寄こしてくれよ僕は君が死んでしまったと思って。」


「ごめんよ、クロウ本当は連絡をしたかったんだ、だけど俺にも事情がね」


「アクスおめぇ、どこにいたんだ?というか何があったんだ?」


「あの魔法陣を消し去った後俺はたしかに死にかけた、だけどだれか腕を引っ張ってくれたんだよ、そして俺がいた場所はなんと北の大陸ノースェのさらに北にあるコゴウル王国王宮内の魔法陣だったんだよ!」


「なんじゃそりゃ」


みんながあきれながらも笑っている中一人泣きそうな顔しているサリア


「アクスさん...生きててよかった...」


「サリア...本当にごめん...連絡がしたくても取れなくてね」


「アクス君その連絡が取れなかった事情とはなんだい?3年間も連絡が取れない状態が普通とは思えないんだけど」


「あぁそのコゴウル王国にワープしたあと俺は自分のことを正直に話したんだ。あちらがいうにがスイン王国を知らないとのことで、その魔法陣も昔からある魔法陣で全くの謎。だから魔法省の大臣ワウル・スルゥが俺に住む場所を提供してくれたんだ、その魔法陣の情報提供と引き換えだったが。」


「それでそうなったんですか?」


「そのころは現在位置すら不明だったからとりあえず、魔物退治とかで過ごしながらな過ごしてた、魔物退治の報告の帰りに魔法省の大臣ワウルがいたんだよ。そして俺はその話を扉越しで聞いちまったんだ」

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