第12話 魔物 ゼアド・ドダン
大広間多くの住民が見ている前で、宰相ゼアド・ドダンはその正体を晒すこととなった。
大きな角が2本生え、牙をさらけ出し、両肩には巨大な翼、体は人間の時の倍ほどの大きさとなり手足が異様にでかく全身が紫色となったその姿は正に魔物。
「グググ......」
巨大な手足で体を支えており、その姿は4足歩行を行う動物のようであった。
「いやぁー!」
大広間では住民が逃げ惑う中。アクス、サリア、クロウ、ダンガズの4人は立ち向かう。
「俺はまだ戦える!覚悟しろよ、ゼアド・ドダン!」
「私は『倍魔の魔術』で効果を倍にできます。必要な場合はお早めに!少し時間がかかりますので」
「僕はサポートに回ろう」
「よし俺とアクスでアイツをぶっ殺すでいいな!」
ゼアドは本能のままに暴れまくる。その巨大な腕で仲間に攻撃を加えられそうになるとそれをクロウは
「友達にけがはさせないよ『壁の魔術<絶壁>』」
ゼアドが岩を仲間に投げつけようとすればダンガズは力と速さで岩ごと相手の切り裂きまくる
「スイン王国の騎士の強さはてめぇが一番知ってるはずだろ?『力の魔術<肉体強化・制御解除>』」
サリアはクロウの壁の魔術を倍にすることでひたすらゼアドの攻撃を無力化を図る。
「ダンガズさんは倍魔をかけるとかえって危険そう、よしクロウさんの『倍魔の魔術<絶壁・倍化>』」
アクスはゼアドが炎のブレスを吐こうとすれば翼や背中を集中的に攻撃し注意を引いた。
「俺は基本魔術は使えない、ゼアドの前方はダンガズが俺は後方を攻撃して、相手に攻撃させない」
ゼアド・ドダンは4人の攻撃に押されていっていた。
「(このようなことが)いやまだだ、『紋様刻印<強制顕現>』さぁ有象無象の魔よ現れろ......」
「なんだこれは!」
召喚されたのは腕の魔物時と近い影のようにうごめく、しかしその大きさは尋常ではなくゼアドの大きさを腕だけで超え、さらに五体が出来上がりつつあるのが分かった。
「クククッ魔力の当てならある魔道具でも食らってしまえばよいのだ......」
「どうしましょう、いくらなんでもこの大きさは......」
「そうだね、ゼアドとずっと戦っているからさすがに体力がもたないかもね、ダンガズ君は?」
「はぁはぁ、俺は既に『力の魔術』の制御解除してるからな長時間はもう無理だ」
「クククッお前らでは私は勝て――」
その時、
「くっ.....(まさかもう顕現に必要な魔力がないというのか...)」
「いまだ!」
アクスはそういうとゼアドの顔面を切りつけた。
「グッ!」
「皆!ひるむな今しかない!」
アクスはそう鼓舞すると3人はそれぞれ返事をして戦闘態勢に変化した。
「(私が...負けている)」
信じたくない現実が突きつけられる。アクス・バーズさえいなければこのような状況に陥ってない。悔しい、悔しい、このままでは死んでも死に気切れない。
だから
私は
お・前・ら・を
道連れにする
「『門よ開け、光よ去れ、門は■■■、■■■■■う、闇■呼■■■、門■■め■■、■■■■■■■』」
その瞬間にゼアド・ドダンを中心に魔法陣が展開される。
「なんだ?」
アクスは困惑した。ゼアドが何かしらの詠唱を行った瞬間。魔法陣が発生し、その中央部から名称し難き何かが現れようとしていた。
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