第9話 刺客







スイン王国西の森





「あのぁ、ここは一体どこなんでしょう?屋敷は大丈夫でしょうか?」


「サリア嬢大丈夫そうではないぜ」


「そう、ダンガズ君の言う通り、サリア嬢の御屋敷差し押さえらしい」


「え?そんなことが」


「まぁ罠だろうなサリア嬢の父ちゃんも捕まっちまったらしいし」


「ダンガズ!それはもう少し落ち着いてから話すことだろうが!」


「あっすまん、サリア嬢も!ただ捕まっただけだ命に別状はないぜ」


「大丈夫ですよ。無事ではあるのですね。あとアクスさんは?」


「......アクス君はわからないんだ」


「えっ!もしかしてアトルフに......」


「いやアトルフは倒したっぽいぜ一度も見てないし」


「逃げた可能性もあるのでは?」


「それこそアクスを信じねぇとな」


現在、この3人がいる場所は西の森に少し奥地、アクスとの合流を目指していたが、人の出入りが多くなってきた西の森で隠れていた。





アルエーズ邸から西の森


アクスはアトルフを倒すことに成功したあとアルエーズ邸に向かうが途中に屋敷の以上に気付き、西の森へと隠れていた。


「おいおい、クロウ、ダンガズ......サリア大丈夫か......」





アルエーズ邸





「ラバル・アルエーズのご息女、サリア・アルエーズの捕縛はできておらず、国中を探しております!」


「ふむ、ラバル・アルエーズはアルトフと共に横領していた。サリア・アルエーズもその疑惑がある、一刻も早く捕縛しておきたい。アラクァ国に逃げられたらスイン王国は恥をさらすことになる、それを肝に命じなさい。」


スイン王国の兵士は宰相ゼアドに敬礼をした後、急いでその場を後にした移動した。ゼアドはアルエーズ邸の中にいた兵士たち。皆アリア・アルエーズ捜索に当たらせ、アルエーズ邸の人払いを行った。


「......サリアお前は父を見捨てられぬ、そしてアクスお前もサリアは見捨てられまい。」


ゼアドはアルエーズ邸から西のアラクァ国へと続く森をにらみ続けていた。


「アルトフ・ヴァンターは西の森で死んだ。恐らく奴らはあそこにいる。ククク、いつまでも逃げ続けられると思うなよ」


ゼアドは誰もいないアルエーズ邸でそういうと、腕をまくり上げた、そしてその腕から怪しげな紋様が浮かび上がり。


「さぁ我が『契約の魔術』に恐怖しろ、アクス、私の計画を邪魔したこと後悔させよう......」


誰もいないアルエーズ邸にて不敵な笑みを浮かびあげていた。





スイン王国 西の森 朝





「私達はアクスさんと早く合流したいのですが......難しそうですね」


森の中でしょんぼりしているサリア、それにクロウもまた同じ気持ちでうなずいた。


「そうだね、正直こんなに早く動くとは思わなかったけど」


ダンガズもそれに便乗するように口を開き。


「敵さんからしたら、唯一の手駒をつぶされたようなもんだからな、宰相という地位をフルに活かして、アクスを探し出すだろうな」


「敵はやっぱりアクス君だろうね、アルトフを倒す存在は脅威なんだろう」


「私達が捕まればアクスさんに迷惑をかけてしまいすね」


「だろうな、人質にされてアクスをおびき出す道具にされるだろうよ」


3人は小さくため息をつくと





バーンッという音が西の森に鳴り響いた





「今のは?」


「もしやアクスさんに何かあったのではないですか?」


「......」


3人はひっそりと爆発音の元に近づいていくのであった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る