第8話 宰相 ゼアド・ドダン
スイン王国 ???
「......」
スイン王国宰相ゼアド・ドダンその正体は魔族、40年前に人間界に現界しアラクァ戦争で活躍、ヴァンター家に接触し密約を交わす、30年前に宰相に就任。ここまでは完璧であった。しかし20年前中央のギルドがどういうわけかスイン王国という小国に介入してきた。理由はすぐわかったキリズ・バーズを筆頭に騎士たちがヴァンター家を怪しんだのだ、魔術の頭角を現してきたヴァンター家は最初こそもてはやされたが使う魔術は闇属性一辺倒であった。そこで中央ギルドに介入させてヴァンター家の屋敷に入ると生贄など儀式が多数行われているのが発覚。魔・族・との密約も露呈したことでヴァンター家の一族はもろとも死罪が確定した。
「ヴァンター家の末裔は死に絶えたか」
ヴァンター家はゼアド・ドダンと密約を交わし魔力と魔術を付与される関係性になった時点でゼアドがいなければ魔術も扱えぬ家系に成り果てていた。
「魔界にいる間の手駒が欲しかったのだがな」
最後のヴァンター家アトルフ・ヴァンターは一人だけだったということもあり、精神汚染も少しだが起こすことが出来ていた。正体がばれたときには本能のまま逃がすというのも良かったはず。しかし最後の挑発と『光の魔術』によってアトルフ・ヴァンターに付与していたゼアド・ドダンの魔術、魔物化も精神汚染もヴァンター家の密約、すべて無効化してしまった。
「さすがだよ『光の騎士アクス・バーズ』お前に舐めてかかったやつは愚かだ、おそらくだが私の正体はばれているかもね......」
ゼアド・ドダンは静かにだが燃え上がる様に言葉を発し、部屋を後にした。
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