第3話 回想 宰相と婚約者の秘密
回想 アルエーズ邸
「サリア、喜びなさいお前の結婚相手が見つかったよ」
「まぁ、どのような方?」
「実は今来てるんだ、入ってきてくれアルトフ・ゴルズ殿」
「初めまして、サリア・アルエーズ嬢、私の名前はアルトフ・ゴルズと申します。アルトフとお呼びください」
「えぇ、初めましてこれからよろしくお願いします......」
アルトフ・ゴルズは紫色の髪に黄色い瞳が印象的であった、アルトフ・ゴルズはスイン王国から北にある大陸ノースェで魔道具の技術者をしていたアルトフ・ゴルズはラバル・アルエーズと合い、魔道具について話あっていくうちにそのまま意気投合したという。そしてラバル・アルエーズがスイン王国の北部にてアルトフ・ゴルズが到着するのを待ち。サリア・アルエーズとの婚約にまで話が発展した。
そして決定的な出来事が起こる。アルトフ・ゴルズが家に来て4日経ち、宰相であるゼアド・ドダンとアルエーズ・ラバルそしてなぜかアルトフ・ゴルズの3人が会合をしているのをサリアはたまたまドアの隙間から聞いていた、普段なら絶対にしない行為であったがこの会合の声が耳に入った瞬間に聞かなければならないという本能からか耳をドアにあてて聞いていた。
「アルトフ君はすごいですよ。彼の持つ魔力のおかげで魔道具のコアがより働くのです、アルトフ君とサリアから産まれる子供が楽しみですよ!」
「いえいえ、ラバルさん、サリアさんはまだ乗り気ではないですよ?」
「全くサリアもこんないい男をなぜ了承しないのか、まぁアルトフ君は仮に私の娘と結婚しなくても出世していくでしょう」
二人が話後に体のがっしりした坊主頭の宰相ゼアドが口を開く。
「アルエーズとゴルズの関係はそちらがやってくれていればよいが、魔道具の開発が良好なようでよかったなにせ魔道具開発にはかなりの額つぎ込んでいるからな」
ゼアドの言葉は今までに感じたことのない圧を含んでいた。
「えぇ閣下大丈夫です。いままでにつぎ込まれてきたもの無駄にはしません」
「ククク、そうか」
「あぁそうだ、閣下今なら魔道具の見本ならいま見せることができますよ」
「ほほう、では見せてもらおうか」
「少々席を外させてもらいます、アルトフ君ゼアド閣下に失礼のないように」
「はい」
ラバルは会合の間から研究所の魔道具を取りに戻っていった。
「アルトフ、ラバルはどうかね」
「まだ利用価値はあるかと、しかし次の魔道具の発明にはアルエーズ家は必要ないですね」
「ククク、いまだにアルトフ・ゴルズを本名と思い込いるようなやつだ、なぁ?アルトフ・ヴァンター?」
「!」
サリアは心底驚いた。そしてここから聞く内容はおそらく国家レベルの問題になると確信した。
「しかし、ヴァンター家はどうやって全滅を逃れたのだ?」
「私はあのときはまだ幼児でした、当時の処刑人が可哀想であるということで島流しになったのです、内密にですが」
「なるほどな、人間はだから甘い、ヴァンター家の密約はまだ生きているからな?元々毎年生贄を一人献上し私はお前に魔力と魔術を与えるという契約だった。20年間空白であったため20人の生贄を貰おう、もちろん20人分の魔力と魔術を与える」
「空白期間の生贄も問題ありませんヴァンター家の密約に則り20人の生贄を用意しておきましたどうぞ後程「クククそうか。そして晴れてお前が王となったときには――」
「えぇあなた様を私の従魔にして毎年生贄を100人捧げます、その代わりに私にもっと強力な魔力と魔術の真理を授けてくださる。」
「最終的にはお前を魔族にし、『門』から魔界へ送る。そして私はスイン王国を拠点として魔王となる」
「えぇ人であろうが魔族になろうが関係ない、我が一族の魔術を極めるという悲願必ず達成してみせる。」
「魔族になるのを恐れないのか?」
「恐れません、ヴァンター家は魔術を極める最適解として魔族と手を結ぶことを選んだのです、人間に邪魔をされましたが今度は邪魔はさせませんよ」
ゼアドとアルトフはそのようにいいながら笑いあっていた。そしてその後ラバル・アルエーズが魔道具を持ってきた。
「おや何を笑っていたのですか?」
「ククク、これからのスイン王国についてですよ」
「えぇ、そうですよラバルさん」
サリアはこの一連の出来事を見てどうするべきかを考えた、うかつに王に申告すれば宰相に漏れてしまう、父に話しかけても同じだろう、時間がかかれば父は殺されてしまい、この国の民もいつかは殺されてしまう。いい案は浮かばずせめて怪しまれぬようにと今まで過ごしてきたのだアクスと会うまでは。
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