第2話 目立たないスタート

 ロゴタイプは2010年生まれの競走馬であり、父ローエングリン・母ステレオタイプ・母の父サンデーサイレンスという血統である。

 父親のローエングリンは不運も重なりG1競走には縁のなかった馬ではあったが、最盛期には他馬のフランス遠征に同行してG1で二着するなど、気風の良い逃げで永く活躍を見せた名脇役であった。しかし、血統(父親は欧州の名馬シングスピール)を買われて種牡馬入りしたものの、その期待は決して高いとは言えないものであった。

 母の方も父親が歴史的大種牡馬サンデーサイレンスである以外は取り立てて見所のなかった平凡な馬であり、そういう意味で言えばロゴタイプの出生当時の期待というのは、後の活躍に比例するほど高いものでは無かったかもしれない。


 2012年の夏にデビューしたロゴタイプは、デビュー戦では1番人気に応えて快勝したものの、その次のG3函館2歳ステークスでは14番人気という低評価であった。しかし、ロゴタイプはここでその低評価に反発するかのごとく4着に激走し、その実力の片鱗を見せるとともに若干名を上げることになる。しかし、そこでさらなる前進をしたかったロゴタイプはその後2戦して3、4着と振るわずに終わり、使い過ぎの疲れもあって休養に入ることとなった。

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