第23話 ピンキーダイナマイトライブ*ダイナマイトラブ*INオレンジホール
会場の照明が落ちた。
FUEL「来た来た来た来たぁ~」
オタクがそう囁くと、ダンスナンバーのイントロが流れ始める。ワンフレーズ繰り返される事に、パーライトの光が一本、二本、三本と増え、六筋の光がステージに立つ6人へと注がれる。
そして、大歓声が木霊する。
「『皆行くぞ~ピンキーダイナマイトだぁ~』!!」
奈緒の声が会場を貫くと同時に、幾つもの照明が灯り、重なり、ステージを照らす。観客のボルテージは一気に最高潮まで高まり、歓声は会場を揺らした。
沙也香「ピンキーダイナマイトライブ*ダイナマイトラブ*が始まるよ!!」
明日香「皆、準備は良いかしら?」
ささもっちゃん「変な歌だっていうなよ皆~」
友子「今日は友子の為だけに集まってくれて有難う!」
まゆみ「違うでしょ。友子はもう。今日は宜しくお願いします」
奈緒「ダイナマイトラブ受け取ってぇ~行くよぉ~」
奈緒の掛け声と共に怒号の様な極大歓声が巻き起こった。
FUEL「うぉぉぉ~ピンキー!!最高だぜぇ~!!楽しぃ~!!!」
明日香「それじゃあ1曲目行くわよ!ピンキーダイナマイトのテーマ!!」
色取り取りのレーザーライトが飛び交う会場で明日香の作詞したピンキーダイナマイトのテーマが流れ出す。
FUEL「来た来た来たぜぇ~」
奈緒「ピンキーダイナマイト♪桃色の危険な爆発物♪」
明日香「ピンキーダイナマイト♪ぶっとぶわよ!あなたの理性♪」
ささもっちゃん「ピンキーダイナマイト♪本能 子煩悩 I don't know♪」
沙也香「ピンキーダイナマイト♪今、破裂するかも恋愛武装集団♪」
まゆみ「ピンキーダイナマイト♪その愛に満ち溢れたその名を♪」
友子「呼んで叫んで轟いて♪」
全員「ピンキーダイナマイト♪」
全員「有難う御座いました」
FUEL「うぉぉぉぉぉ!!!」
1曲目ピンキーダイナマイトのテーマが終わり、会場は大歓声に包まれた。メンバーの衣装はピンク色のワンピースに胸にリボンがついており、それぞれの色分けがしてあった。奈緒は赤、明日香は黒、沙也香は緑、ささもっちゃんは黄、友子は青、まゆみは白の色分けだった。楽曲は全曲、作曲陣によってアレンジ仕様となっている様だ。そしてメンバーの最初のMCが始まった。
明日香「皆~、今日は会えて嬉しいわ!私がピンキーダイナマイトのリーダーの明日香よ、宜しくね♡」
奈緒「今だ、ささもっちゃん言ってやれ!」
ささもっちゃん「うぉぉぉ!明日香のハードカマトトロンリネスだぁ~」
FUEL「女帝らしくないぞぉ~。いいぞぉ~ささもっちゃん」
明日香「何よぉ~!ピンキーダイナマイトの黒揚羽明日香よ。文句ある?これでいいんでしょう」
FUEL「いいぞぉ~!明日香ぁ~」
沙也香「最初からそうしなよ。あっ、サブリーダーの沙也香です。今日は私の魅力に打ち負かされに来てくれてどうもありがと!」
FUEL「うぉぉぉ!沙也ちゃ~ん」
ささもっちゃん「皆~ささもっちゃんで~す。ささもっちゃんはいるぅ~。今日は来てくれてオリゴ糖ですぅ~」
FUEL「オリゴ糖じゃないよぉ~!ささもっちゃん~」
友子「友子で~す。最近、暑過ぎる日が続いていますが友子の家の電気毛布もそろそろ片付け時でしょうか?片付けが苦手な友子ですよ~!」
FUEL「友子ちゃんミイラになっちゃうよぉ~。可愛い~」
まゆみ「まゆみです。今、クジラアイスを食べすぎてお腹が痛いです。今日は宜しくお願いしますね。皆~」
FUEL「まゆみちゃんはクジラ好きな~可愛い~」
奈緒「皆、奈緒だよ。どもどもども!今日は皆様に重大報告がありま~す」
FUEL「うぉぉぉぉ!奈緒ちゃ~ん。重大報告って何?」
奈緒「それは奈緒はこれからここで全裸になって皆と一緒に踊りたいと思いま~す。夏だし。メンバーもやります」
FUEL「きゃ~Hだよ~。うぉぉぉぉぉぉ!!!最高~」
明日香「コレ。奈緒とか言う奴。いくら熱い会場だからっていきなり出て来てストリップしないで欲しいわ」
奈緒「何でよ。皆の乳のサイズ測って貰ったらいいじゃん、夏だし」
沙也香「夏関係ないよ、こら奈緒ちゃん」
奈緒「へっへへ」
ささもっちゃん「越後屋奈緒ちゃんそちも悪よのう~」
奈緒「ささもっちゃん代官様こそ~」
まゆみ「3文芝居止めてください」
ささもっちゃん&友子「誰が3文芝居だ!」
奈緒「2人ともやりなさい」
ささもっちゃん&友子「うりゃ~どうだ~」
まゆみ「ふいまへん、はたひがわる~ござひまひた」
FUEL「あはははは!この絡みいつみても面白いぞ」
明日香「それでは気を取り直して2曲目いってみますか?」
FUEL「よっしゃ~」
沙也香「2曲目は新曲だよ!こちらの3バカトリオならぬエマージェンシーで爆笑シグナルです。どうぞ~」
FUEL「うぉぉぉぉ!」
友子「私達はロックされた~面白いでしょ♪貴方は救いに来た王子様♪」
ささもっちゃん「解除パスワードはこちら♪3264(水虫)だ♪」
奈緒「面白くなきゃ救えない私達は♪」
全員「とても素敵な~笑いのお姫様♪」
全員「ありがと!今後も4649」
FUEL「うぉぉぉ!解除パスワード水虫か~い!!」
奈緒「それでは3曲目行きましょう!極東大旋風~百花繚乱絵巻~」
ファン「ピンキーいいぞ!!うおぉぉぉ!!!」
友子「遥か昔の時代から~♪」
まゆみ「独自の彩り艶やかに~♪」
沙也香「台風銀座のお膝元~♪」
ささもっちゃん「八金女が威勢よく~♪」
明日香「土佐の荒波に身を任せ~♪」
奈緒「激震と化す東の都~♪」
全員「あぁ!我ら極東の旋風~♪」
全員「どうも有難う~」
ファン「かっこいいぞぉ~!!」
明日香「ここからはソロコーナーですわよ。奈緒さん」
奈緒「そうだね。明日香」
明日香「ここで恒例の大喜利コーナーをやって見たいと思うのよ」
奈緒「それでは、第1問」
明日香「ちょっと待ったそんなのはあんたに決まってるでしょうが」
奈緒「そうなの?」
明日香「そうよ。だから第1問からサクサク行くわよ。第1問、ミカン箱の上で絶対してはいけない事を教えた下さい」
奈緒「バレンシアオレンジで興奮する事」
ファン「何かやっちゃいけないな、ソレ」
奈緒「ランバダ」
ファン「そこじゃなきゃ駄目?」
奈緒「米中首脳会談」
ファン「どうしてもどうしても、そこでなきゃ駄目ですか?」
明日香「有難う。もう結構です!ふふふ。あんた馬鹿でしょ」
奈緒「どうだぁ~」
ファン「スゲ~ぞ!奈緒ちゃん」
明日香「それではそろそろ歌っていただきましょう。沙也香で、曲はアナーキーサヤイズムです。どうぞ」
沙也香「盛り上がって行くぜぇ!」
沙也香「スマホで話してるだけの間柄など~♪つまらないから会って話そう~♪」
「ひねくれ者って言われてる~♪あんたのいじらしい素顔が見たいな~♪」
「逆らう奴ほど可愛いはず~♪私はアナーキー~♪」
沙也香「どうもありがと!次は友子だよぉ~!!」
女性OLファン「きゃあ!良い歌詞!なんか泣けるぅ~」
沙也香「次は友子だよぉ~!!」
友子「友子だよ!JKパワーで今日も行く!!ダルマさんがふっ飛んだ!!」
ファン「うぉぉぉぉ!!!」
友子「ダルマさん♪ダルマさん♪あたしはあなたのダ~ルマさん♪」
「あたしが勝ったらキラキラお目目を書いてね~♪」
「検索で急上昇♪あたしの認知度~♪」
「ダルマさんに目を書いて~♪ダルマさんが笑うよ~♪」
「ダルマさんにロケット点火~♪ダルマさんがふっ飛んだぁ~♪」
友子「ホントに有難う御座いま~す」
ファン「なんか凄く変な歌だけど面白いな~!」
友子「次は明日香&沙也香のデュエット、リリカルアニマルで仁義なき戦いだよぉ!!」
明日香「張り切って行こうねぇ~♡」
沙也香「宜しくねぇ~♡」
明日香「時には大胆にキャラチェンジ♪萌えキュン明日香はねこにゃんにゃん♪」
沙也香「今をトキメク乙女になるのよ♪萌えキュン沙也香はいぬわんわん♪」
2人「二人は何時でもふざけ合うアニマルよ♡」
2人「有難う御座いますだニャン。次はまゆみちゃんだワン」
ファン「新境地開拓に余念なしか」
まゆみ「まゆみです。頑張りますのでよろしくお願いします。ミルキープリンセス」
ファン「うぉぉぉぉ!!」
まゆみ「ミルキープリンセス!角砂糖で出来た私」
「ミルキープリンセス!スイ~ツが周りを取り囲む~の」
「ミルキープリンセス!女の子の目が気になるけ~ど」
「ミルキープリンセス!私はプリンセス!!」
まゆみ「ありがとうございました。」
男性ファン「可愛すぎるぜ、まゆみちゃん」
女性ファン「ブリッコし過ぎかなぁ~可愛いけどねぇ」
ささもっちゃん「ささもっちゃんで~す。よろしくおねがいしま~す。ささもっちゃんはいるぅ~。それでは聞いてくださいね。ささもっちゃん漁解禁宣言~出来るもんなら妹にしてご覧よ~でぇ~す!」
ファン「待ってました!うぉぉぉぉ!!」
ささもっちゃん「HEY!HEY!そこのお兄さん♪早く餌を投げて御覧よ~♪」
「わたしが喜ぶ餌なんてそんじょそこらには置いてない~♪」
「果物、パンケーキ~おととい来やがれ!」
「可愛いワンピースにお洒落なネックレス~ふぅ話になんない!」
「わたしはパパのガマ油が欲しいだけなのになぁ~!お兄さん♪」
ささもっちゃん「ありがとうございましたですよぉ」
ファン「なんちゅ~曲や。なんでガマ油が欲しいの。でも、何故かは分かんないけど良かったなぁ~可愛いなぁ~」
ささもっちゃん「次は友子ちゃんとまゆみちゃんのデュエット、ブラックエンジェルとホワイトデビルで仲良しごっこ」
友子「弾けちゃうぞぉ~」
まゆみ「どんな事でもしますよ。でも好きにならないで」
まゆみ「友子貴方はブラックエンジェルね♪とても可愛いですぅ~♪」
友子「そんな貴方はホワイトデビルよ♪羨ましいほど人気があるわね♪」
まゆみ「ピンクのジェラードパンケーキセットは貴方が似合うよ♡」
友子「いえいえ、本当は貴方が食べるべき♡だけどここは一つ甘えまして私が食べるけど見つからない」
友子「あっ、まゆみちゃんお口の周り」
まゆみ「何か付いてる?」
友子「チョコ付いてる」
2人「2人は仲良し~♪」
2人「有難う御座いました。次は、ささもっちゃんと奈緒さんのデュエット、JOKE JOKEです」
ファン「友子ちゃんは仲良しなのかい?」
ささもっちゃん「お姉ちゃ~ん」
奈緒「妹ちゃ~ん」
ささもっちゃん「お姉ちゃんこれ欲しい?♪」
奈緒「妹ちゃんそれはダイヤル式金庫だよ♪お姉ちゃんはこれで20億溜めるのよ♪」
奈緒「妹ちゃんはこれ欲しい?♪」
ささもっちゃん「お姉ちゃんそれはアマチュア無線機♪私はこれでお風呂場をジャックするよ♪」
2人「下らない事だって笑いあえるよ~♪」
2人「有難うゴンザウルス!」
ファン「2人は本当の姉妹に見えるよ」
明日香「明日香よ。みんな心して聞くようにね。分かった!それじゃ、行くわよ。女帝明日香狂奏曲~民は私の為に~!」
ファン「女帝!なんてタイトルや!!うぉぉぉぉ!!!」
明日香「私を追いかけてぇ~捕まえてぇ~離さないでね♪ねぇダ~リン♪」
「南の島でバカンスに来てるのぉ~♪私のすっぴんと太陽がとても眩しいわ♪ふふふんふふふん♪」
「なんてね。今、7時過ぎぃぃぃぃぃ!!」
「……。いや、なんとかなるか。いや、ならないわ~よ」
「いちゃつき登校にガン垂れて♪生活指導の先生ぶっとばし♪」
「有象無象を蹴散らしたなら~♪女帝メイクであなたはとばっちり~♪フン、どいて♪」
明日香「どう!!いいわよね!!それでは最後は奈緒さん張り切ってお願いするわ!!!」
ファン「いや何というかそのまんまだなぁ~!最初のは驚いたけどね」
奈緒「ソロコーナー最後は私が歌います。いざ行かん!桃源郷!!ラブショベルカーだぁ!!!」
ファン「奈緒ちゃん来たぁ~!ラブショベルカーってぇ!!何だそのタイトルは!!!スゲェ!!!!」
奈緒「私の恋愛は工事現場で♪大混乱につき私は重機で対応に追われます♪」
「強引で御免ね♪普通の女の子ならお手紙を渡すのに♪」
「パワーシャベルでGOING♪君の家へ~♪」
「私はあなたのラブショベルカー♪貴方はこれで綺麗事はしゃべれるかぁ~♪」
奈緒「奈緒ちゃんでした。あんがと」
ファン「行かないでぇ~!!!!!!」
明日香「そろそろこの楽しいライブも次で終わりとなってしまいます」
ファン「えぇぇぇぇ!!嫌だ。帰りたくない」
沙也香「そうだよね。私達も超楽しかったよ。今日は有難うね」
ささもっちゃん「私は超新星ボケ爆発が起こったと思いました。ニヒヒ」
友子「今日は友子日和で何よりでした。オホホ」
まゆみ「有難う御座いました。エヘヘ」
奈緒「私が生きてきた中でも今日は1番楽しい瞬間でした。だからもう一度言わせて、米中首脳会談」
5人「そこか~い」
奈緒「じゃなくて本当に楽しい一時を有難う。FUELの皆!!」
ファン「うぉぉぉぉ!!有難うピンキーダイナマイト!!」
明日香「それでは最後のナンバー聞いて下さい!」
沙也香「あなたとの距離はゼロ」
ファン「うぉぉぉぉ!!最後かぁ~」
奈緒「いつでも傍に居たい♪」
明日香「温もりがいつも欲しい♪」
沙也香「あの素敵な一言も♪」
ささもっちゃん「あの笑顔も宝物♪」
友子「きっと終わらない永遠に紡げる~なら♪」
まゆみ「あなたとの距離はゼロのまま♪」
全員「ありがとうございます。バイバイ」
ファン「うぉぉぉぉ!泣けるぅ~」
ピンキーダイナマイトのライブは一旦終わったのだった。しかし、ファンの声援は鳴り止まずやがてアンコールの声が聞こえてきた。
ファン「行くぞ~アンコール、アンコール、アンコール、アンコール…」
暫くするとメンバー達がTシャツ姿に着替え再度ステージに現れた。
6人「アンコール有難う!」
まゆみ「盛り上がって下さいね」
奈緒「皆行くよ!!桃色絨毯爆撃機ピンキーダイナマイト!!!」
沙也香「無敵のピンクのニーハイソックスは♪」
友子「雛苺のネイルのお手入れは♪」
明日香「潤んだ桃色リップの弾力は♪」
まゆみ「ピーチなチークとアイシャドウは♪」
ささもっちゃん「桜色に染まった頬っぺたは♪」
奈緒「ローズに染まったこの胸は♪」
全員「貴方に捧げるユーフォリア♪この先も一緒に逝きたいの♪」
全員「真愛なる神風特攻隊♪ピンキーダイナマイト♪」
全員「どうも有難う!!」
ファン「うぉぉぉぉぉ!!凄くヤバい倒れそう!!!」
最後に6人は一列になって並びお辞儀をした後、一人づつファンにメッセージを投げかけた。
明日香「今日は本当に楽しかったね」
沙也香「私達のデュエットは際どかったしね」
ささもっちゃん「見てられなかったですぅ~」
まゆみ「私達のデュエットもヒドイです」
友子「何が?まゆみちゃん」
まゆみ「私、悪者です。とほほ」
奈緒「最後は私が作詞させて貰った曲で〆たいと思います。何故アイドルを志すのかを書いたつもりの曲ですので、皆聞いて下さいね」
友子「それでは最後に聞いて下さい。アイドルですすめです」
友子「アイドルは志が全てだよ君だって分かっているはずよ♪」
まゆみ「楽しい時もいて欲しいけど辛い時はもっと傍に居て欲しい♪」
明日香「何が出来るか考えて分からないなら貴方を見よう♪」
沙也香「どうなって欲しいかそれを決めるのは私なんかじゃない♪」
ささもっちゃん「本当は貴方の寂しさが私をアイドルにさせるのよ♪」
奈緒「いつもでも一緒には居られないけれどずっと私はアイドルで居たいのよ♪」
ファン「……。良い詩だなぁ~」
こうして、夏の終わりのオレンジホールライブは幕を閉じたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます