第10話「デブと罠と寡黙な少女」
何だこれ。どうすりゃいいんだ。何かリアクションを取った方がいいのかもしれないけど、もうそういうタイミングでもないし……。
(て言うか! もっと小さい子供じゃないのかよ!)
完全に中学生くらいなんだけどこれ……父親若過ぎな!
レオナルド氏の容姿からして予想はしていたが、綺麗な緑色の髪が印象的な、とても可愛らしい少女だった。
エクレアより短めのショートカットだが、もみあげの部分だけが長めに伸ばされていて、それがリボンのようなもので綺麗に結われている。
レオナルド氏と同じく青を基調とした、ディアンドルのような服装がよく似合っていた。ただ下はスカートではなくキュロットのようなものを履いていて、これがまたアクティブな感じのアイドル衣装のように見え、大変可愛らしい。
ただ、その体から発されているプレッシャーが半端じゃない。
天蓋付きのベッドに、女の子が好みそうな柔らかいシルエットの家具類。部屋に置かれているものは少女らしく可愛らしいものばかりなのに、ただ黙ったままカップを傾けるその姿はどこか大人びていて、もはや何らかの大御所感すらある。
て言うか、端的に言うと怖い。さっきはやばい笑顔をしてたけど、今度は話しかけんなオーラがすごい。どうすんのこれ……。
と、声を掛けあぐねていると、ふいに顔の前を何かが通り抜けて行った。
「いやはやいやはや、大成功だったな」
ふわふわと宙を飛びつつそんなことを言ったのは、謎の生物だった。
つぶらな瞳に、乳白色のつるりとした肌。何やら額縁のようなものを体に提げた、体長30センチ程のイルカみたいな顔をした生物だ。
フクロウか何かのように胸ヒレ部分を振りつつふよふよと飛び、彼(?)は少女の前のテーブルに、ゆっくりと降りた。
「ふむ。少し反応に乏しいが、その姿はなかなかに悲壮感があって滑稽極まる。結構結構」
頭にはどうやってくっついているのか、斜めに小さなシルクハットのようなものをかぶっていた。その帽子に合わせるかのように蝶ネクタイ付きのちょっとフォーマルっぽい衣装も羽織っているが、それが逆により珍獣感を増す結果となってしまっている。
突然の仕打ちに俺が何も言えないでいると、その珍獣はひたすらににやにやと意地が悪そうな笑みを俺に向けつつ続けた。
「ほお、これで折れないか。前に来たやつはこれで早々に帰ったんだがな。今回はなかなか骨のあるやつが来たんじゃないか? お嬢」
珍獣が少女に向かってそう言うと、彼女は少しだけ眉を動かし、ふす、とかすかに鼻を鳴らす。
それが肯定の合図だったのか、珍獣がそれを継いでまた言った。
「ふん、喜べデブ。お嬢と話をする許可が下りたぞ。しかしあくまでもワタシを挟んでだがな。まあとりあえずは名前でも名乗ってみるがいい」
ずいぶんと偉そうな態度を取られているが、この二人の関係がどういうものかわからない以上、下手な対応はしない方がいいだろう。
とりあえず俺は、言われた通りに自己紹介することにした。
「えっと……タツキ・オリベという者です。その、一応お嬢様の導師を志望してます。よろしくお願いします」
こんなびしょ濡れで何をやってんだろ俺……と思ってしまいつつも、俺はそう言って会釈した。
それを見ると、珍獣は少し意外そうに口元の歪みを解き、その眉らしきところをひょいと上げる。
「へえ……こうまでされても殊勝な態度は崩さないか。本当に、なかなか我慢強いじゃないか」
珍獣がそう言った時、少女が動いた。
珍獣に向かって手を差し出し、何かをよこせというジェスチャーをする。
「お嬢……」
彼女のそれに珍獣は少し驚いたような顔を見せるが、それ以上は特に何も言わず、黙って自分の体に掛かっていた額縁のようなものを彼女に渡した。
「…………」
彼女は額縁に何かを書きつけると、それを俺の方に向けた。
『私の導師をやりたいなら、私の趣味に付き合って』
「趣味……?」
書かれた文字が光っているので、おそらくあの額縁みたいなのに入っているのは魔鋼紙なんだろう。おかげで書いてあることは読める。
(ふむう……? てっきり俺と話す気がないから喋らないんだと思ってたけど、もしかして単純に喋れないのか?)
まだわからないが、そうなるとレオナルド氏の言っていたこととも繋がって来るし、たぶんそうなんだろう。
彼女は精神的な病を抱えていて、喋れないのだ。だからこうして珍獣に魔鋼紙のお絵かきボードみたいなものを常に持たせているんだろう。
(なるほどな。確かに自分で書いた文字は消せるっていう魔鋼紙の性質を使えば、周りとのコミュニケーションには困らなそうだ)
そうして異世界の工夫に感心していたが、そこで珍獣に急かされてしまった。
「おい、お嬢が聞いているだろう。どうなんだ。やるのか?」
マジで偉そうやなこいつ……とちょっと思ってしまったが、ぐっとこらえて飲み下す。
努めて明るい声で、俺はそれに答えた。
「ま、まあ何をするのか分からないですけど、僕にできることでしたら何でもやりますよ」
そう言うと、彼女はふんすと満足そうに鼻を鳴らす。そして額縁の魔鋼紙をごしごしと手でなでつけてから、また何かそこに書きつけていく。
『じゃあこれを着けて廊下に出て』
それを見せられると同時に、珍獣がふよふよと飛んでこちらに向かって来た。しかし俺のところまで来るのがめんどくさかったのか、途中でぺいっと小さな何かを投げてよこす。
(……指輪?)
見れば石や細工の類が一切ない、何の変哲もない指輪だった。
これをはめろってか。ヤダなあ。何かべらぼうに嫌な予感がする。
ちらっと顔を伺ってみるが、彼女は「早くしろ」と言わんばかりに腕組みしながらぱたぱたと足を鳴らすのみである。
う、うーん。だめだなこれは。黙ってやるしかなさそうだ。
とは言え、どう見てもサイズが合わない。どんだけデブだと思われたのか、めちゃくちゃ太い。
(あれ?)
しかしあら不思議。試しに左手の人差し指に指輪をはめてみると、みるみるうちに縮まってちょうどいいサイズになる。
なんと言うファンタジー。さすがは異世界。
「で、廊下に出ればいいんですか? はい、出ましたよ。それからどうすれば?」
と、言った矢先に扉が閉まる。
「え? あのー」
ん? なして閉めるの。これから何かするんじゃないの?
もしかして体よく閉め出されたのか? そう思ってまた中に呼びかけようとしたが、次の瞬間、“それ”は突然に始まった。
◆
「──ごっふ!?」
どうしたもんかと頭をなでていたところに、いきなり腹にものすごい衝撃が走った。
「な、なんぞ…………ふぐおっ!?」
腹を抱えて悶えていると、もう一発頬をえぐるように何かが打ち込まれる。
何かと思ってぐいとのけて見てみれば、竹刀ぐらいの太さの木の棒だ。それが壁の穴から2本、こちらに向かって突き出ていた。
「一体これは……ってうお!?」
と、言っているそばから同じような棒が他にも突き出て来る。今度は何とかかわすことはできたが、その棒はさらにつくしのようにどんどんと壁から生え出て来る。
「うおおおおお何じゃこりゃああああ!!」
棒の先は一応布のようなもので包まれているが、それでも突かれれば結構な攻撃力だ。この勢いでずっと出て来られたら最悪屠殺もあり得る。楽観はできない。
慌ててその場から逃げ出す俺だったが、その逃げる俺を追尾するように木の棒が突き出て来る。しかも壁からだけだと思いきや、床や天井からも。
「ぐふう!? くっそ! 何で俺のいるところにばっかり的確に出て来るんだ!?」
と、腹をさすりながら一人がなってしまったところで、俺ははたと思いついた。
……これアレじゃん。この指輪のせいじゃない? これが何かセンサーみたいな役割を果たしてて、それで俺を追尾しているのでは?
そう思って早速指輪をはずそうとしてみたが……。
「んぐぐぐぐぐぐ!! 取れ、ねえ……!!」
もしかして:呪われてる?
おいおいマジかよ! デロった効果音とか何も鳴ってないんですけどお?
そしてさらに俺の受難は続く。棒に追い立てられるようにして曲がり角を曲がると、そこには何と廊下を埋め尽くす程の大きさの大岩が!
「はあああああああ!?」
いやおかしいだろ!何でこんなもんが家の中にあるんだよ!
思わずそう悪態をついてしまった俺だったが、しかしそもそも俺は間違っていた。
「……おい」
てっきり逃げ道をなくすための大岩だと思っていたら、違ったのだ。
どういう原理なのか分からないが、何とその大岩は俺に向かって転がり始めたのである!
「ぐああああああマジかあああああ!!」
慌てて踵を返し、全速力で逃げる。
角を曲がれば大丈夫かと思ったが、その角に岩の方向転換を補助するようなパーツが現れ、大岩はまんまとスピードを殺さずにそのままカーブして来る。
「だあ! 薄々分かってたけどさあ!」
まずい。このままではたこせんべいのごとくプレスされて、美味しいぶたせんべいになってしまう。
ただ恐怖からなのか、意外にも俺の体は俊敏に動いている。この調子ならワンチャン外まで逃げ切れるかもしれない。
しかし、そう思っていた矢先に、またも想定外。
「やあ、どうだい? 楽しんでもらえているかな?」
「お前は!?」
どこから現れたのか、いつの間にかさっきの珍獣がふよふよと俺に並走するように飛んでいた。
「その様子じゃ、なかなか苦労しているみたいだねえ」
言いつつ、またしてもフヒヒと意地が悪そうに笑う珍獣。
「いや苦労どころじゃねえし! 何なんだよこのオモシロからくり屋敷は!」
その態度にイラッとしてついつい大きな声を出してしまったが、珍獣はそれにあくまで平然と答える。
「お嬢が言ってただろう。これは彼女の趣味さ」
「はああ? 屋敷改造が趣味ってことか? いやいや、あれくらいの女の子ならもっといい趣味あるだろ!」
「いや違う。改造が趣味と言うか、それにハマってひどい目に遭う人間を見るのが好きってだけさ」
「なお悪いわ!」
人死にが出るわこんなもん! 親もよく許可したなこんな趣味!
「ふうむ。その顔は、やはり君もお気に召さないか。ワタシはよくできてると思うんだがねえ」
いかにも残念そうに嘆息する珍獣だったが、完成度の問題じゃないんですわ……。
どうしよう。この状況を打開しないことには、落ち着いて彼女と話をすることもできない。
まずは一度外に出るか、もしくはレオナルド氏に助けを求めるかだが、この感じだとそれだけでもなかなかきつい。
と、息を切らしながらもそうして思考していると、ふいに珍獣が言った。
「ワタシが誘導してやろうか?」
意外なところから出された救いの手。聞き間違いかと思い、思わず聞き返してしまう。
「え? 今なんて?」
「ワタシが誘導してやろうか、と言ったんだ。この仕掛けは大部分がお嬢とワタシで一緒に考えたものだからな。仕掛けのある場所は大体把握している」
「マジで? いいの?」
「ああ、もちろんだ。これから君はお嬢の導師をやるのだろう? なら、これを機に仲良くしようじゃないか」
「おお!」
何だよ。ずっとニヤニヤしていけ好かないやつだと思ってたら、案外いいやつじゃん。
早速じゃあよろしくと頼むと、珍獣はニヤリと笑ってから俺の前を先導するように飛び始める。
「ワタシの後ろを走れ」
「うっす!」
と、意気揚々とその背を追い始めた俺だったが、すぐに俺は自分がバカだったことに気がつく。
「こっちだ!」
「おっすゴッフォ!?」
「ここを通れ!」
「うっsハァッオ"!?」
おそらく罠の少ないところを選んで飛んでくれるのだろうと思っていたのに、指定された先には当然のように棒は出てくるわ土のうは降ってくるわで大わらわ。終いには床から出て来た棒にケツをえぐられて悶絶である。
「ちょ、ちょっと待っ……」
「ん?」
「いや何か、さっきとあんま変わらないって言うか、さっきよりひどくなってる気が……」
たまらずそう声を掛ける。するとフージンはゆっくりとこちらに振り返り……。
ぐにゃりと酷悪に歪んだ笑顔を、俺に晒した。
「ま、まさかお前……」
「くくく、ようやく気づいたか」
呆然とする俺に、珍獣はまた意地が悪そうにあごをしゃくる。
その顔を見て、俺は全てを悟った。
「この野郎! 騙しやがったな!」
「いいや、騙してなどいないさ。ワタシは誘導すると言っただけで、どこに、とは言っていない。君が勝手に勘違いしただけさ」
こいつ!
実はいいやつなのかと思ってたらそのまんま普通に嫌なやつじゃねえか。マジで殴りてえこのクソ笑顔。
「──おっと! 暴力はいかんよ暴力は」
「ちぃ!」
はたき落としてやろうかと腕を思い切り振ったが、元々警戒していたのか、難なくかわされてしまう。
「やはりダメだな。君のような暴力的な人間には、お嬢の導師などとても任せられない」
「いやどの口が言ってんの!? 俺何にもしてないのにボッコボコにされてるんですけど!?」
そうこうしている間に、後ろの大岩が俺との距離を縮めている。これ以上もたもたしている訳にはいかない。
くそ! こうなったらもう自分で打開するしかねえ!
「あ、どこへ行く! そっちは危ないぞ!」
「この期に及んで信じる訳ねえだろ! もう俺の勝手にさせてもらう!」
注意されたところは無視し、あえてそこを突っ切る。こいつの言う通りに動いたらろくなことにならん。
と、裏をかいたつもりだったが、俺が走り出そうとしたその瞬間、
「まぁ、そう動くだろうとは思ってたが……」
やつがそう苦笑した瞬間、突如周囲の重力がなくなる。
「うぇ!?」
おかしいと思って下を見ると、いつの間にかさっきまであったはずの床がなくなっている。
「普通この流れなら逆に行くべきだろう。そっちが“正解”だよ」
その憎たらしい珍獣の台詞を最後に、俺はその落とし穴に飲み込まれてしまった。
「おああああああああああああああ!!」
2階とは言え、階段はそこそこ登ったのでそのまま1階に落ちたら結構やばい。
「んぐふぅ!?」
かと思いきや、すぐに地に足がついて舌を噛みそうになる。しかし平坦な地面ではなく、滑り台のような斜面のつるつるした床だ。
当然足を取られ、俺はそこをゴロゴロと転がされ大車輪と化した。
このまま外にでも出されるのかと思ったが、途中壁にぶち当たり、今度は垂直に落下。
「うおわああああああああああああ……ごっふぉ!?」
体勢を崩して顔から落ちるも、砂のような地面がいくらかクッションになって何とか着地に成功。今度こそ完全に死んだかと思った。あっぶねえ。
「おや?」
と、生きていることに感謝しつつぺっぺと砂を吐いていると、まだもくもくとけぶる砂煙の外から、誰かの声が聞こえた。
「その体格は……もしかしてタツキ様でしょうか?」
顔を上げると、そこには後ろ手に姿勢良く立つ彼の姿が。
「ごほっ、そう言うあなたはバーンズさん? んん? ここは一体……」
「そちらは執務室に備え付けてある暖炉の中です」
「え、暖炉?」
砂まみれになりながらもそこから這い出て見てみると、確かに暖炉だ。
なるほど。元々あった暖炉の排煙路を利用した落とし穴って訳か。あいつら……マジで下手したら死ぬぞホント。最後完全に垂直じゃねえか……。
「タツキさん? どうされたんですか?」
「あ、レオナルドさん! いやどうされたんですかじゃないですよ!」
部屋の奥、仕事用だろう机の椅子からそう言って立ち上がる彼。
その呑気そうな物言いに、堰を切ったように不満が溢れ出した。
「何スかあの子! 何スかこの屋敷! 趣味に付き合ってとか言われてやってみたら、壁やら床やらから棒が突き出てきてボッコボコにされたんですけど!? 終いにはこの暖炉に叩き落とされる落とし穴ですわ! 一体どういう教育して来たんスか!!」
あまり人に強い主張をすることのない俺だが、今回は違った。
肩で息をする程に興奮しつつそう言い終えると、しかしレオナルド氏はあっけらかんとした顔で俺の方を見た。
「趣味? 木の棒? 一体何のことです?」
「……は?」
その全く予想だにしていなかった返答に、俺は雇い主になるだろう人に向かって思いっ切り無礼な相づちを打ってしまった。
えっ。まさか知らないの?
「いやいや、このお屋敷、とても立派ですけど、何かすごい改造してあるじゃないですか。ほら、泥棒が入っても撃退できるような仕掛けが満載で、それを娘さんが趣味で作ったって話で……」
「仕掛け、ですか? 私はそのようなものは見たことがないですが」
「ええ……?」
んなばかな。あんだけ大規模に改造されてたらさすがにどっかで目につくはず。
「いやいや、木の棒はまだしも、あんだけくそでかい大岩が転がる音とか、絶対ここでも聞こえてるでしょう?」
「大岩? 一体何を言っているのですか? そんなものはこの屋敷の中にはありませんよ」
「いやいやいや! じゃあちょっと廊下来てくださいよ! 絶対ありますからんぐぇ!?」
と、さすがに焦れてレオナルド氏に詰め寄ろうとした、ちょうどその時だった。
床からさっきの棒が一本出て来て、俺の股間にきつい一撃。くそ……油断した……。
しかしちょうどいいと思い、俺は彼らに訴えた。
「ほ、ほら。ここにもあったでしょ?」
ぷるぷるしながら、股間を抑えながらの必死の訴えである。
さすがに実際に見れば分かるだろう。そう思っていた俺に、しかし非情なる反応が返って来る。
「いや、何のことだかさっぱり……」
「いや見てたでしょ! 今絶対見てたでしょ!!」
彼らは何とそれをバッチリと見たにも関わらず、そこからすっと視線を外して知らんぷりをしたのである。何だそれコントか!
しかしさすがにここまでされれば俺でも分かる。彼らは彼女がやっていることを知っている。知っていて、見て見ぬふりをしているのだ。
「嫌だなあ、うちの娘がそんなことする訳ないじゃないですか。なぁバーンズ」
「は。お館様のおっしゃる通りかと」
加えてこの親バカぶりである。周囲にたしなめる人がいればまだいいものの、周りの人間もこれじゃあ……。
もしこの仕事を受ければ、俺は味方が誰もいない中で、一人ボロボロになりながら奮闘することになるだろう。
執拗な物理攻撃がある分、下手なブラック企業よりタチが悪い。
「それで、どうでしょう。娘とは仲良くやっていけそうですか?」
そう言ったレオナルド氏の顔は、ニコニコとした満面の笑みであった。
しかし俺はそこでついに我慢できなくなり、未だ忌々しくも突き出た棒に、ラリアットをかましながらツッコんだ。
「いや無理に決まってんだろおおおおおおおおおおお!!」
俺の怒りと体重をモロに受け止めた棒は、へし折れた。
そして俺のせっかく取れたはずの内定も、その瞬間へし折れ、無残に消えた。
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