第5話 強面じゃない門番はダメなのかも知れませんが心の準備はさせて下さい(心頭滅却)
「ほら、もう着いたわよ!それとあんまり離れないで。一応従魔契約してるから大丈夫だと思うけど、ドラゴンって従魔でも珍しいはずだから何かあったら困るし、近くに居なさいよ?」
「あい!了解であります!!(シュタ!!)」
「・・・アンタ、ホントもう少し真面目に生きたらどう?」
あんまりだ!!これだからびーぷるな一般人はいけない!!もう少しこちら側にも配慮が必要だと思う!!
労働の改善を要求する!!賃金上げろ!!休みを増やせ!!あと盆休みとか長期で有休取って嫌な顔すんな!!こっちは夏と冬は命かけてんだよ!!まったくもう!これだから・・・ハッ!!こっちの世界虹色教無いじゃん!!
といつもの脳内セリフツッコミと衝撃的な事実に気づいてしまった僕は、町の外観を確認する事も忘れ、今後どの様に虹色教を崇拝していけば良いのか、むしろこの世界で布教するべきでは無いのか、と敬虔なる使徒然とした脳内会議を・・・ぁ、僕、前の世界では高校生だったので別に有休とか関係ありませんでした。てへぺろぉ♪
「よぉ!リーファじゃねぇか!!少し遅くて心配したが、今回は何事も無く帰ってきたみたいだな・・・んむ、おかえりリーファ。そう言えば召喚魔法が何だって言ってた気がするが、結局どうなったんだ?」
「ただいま、ドレットさん。はい、これギルドカードね。ふふふっ。どうもこうも・・・この通りよ!!ムフッ!!」
と脳内会議が佳境に入っていた頃、急にふわっとした浮遊感を感じて、ふと目の前を見てみるとそこにあったのは・・・。
どアップの強面のおっさんの顔がそこにありました。。。(スカーフェイス〆)
「くぎゃぁああああああああああああああああああああああ!!」
「うおっ!吃驚した!?急にでけぇ声出すなよ!!ってこりゃ小せぇけどドラゴンじゃ無いか!!おおお!!上手くいったんだな!おめでとさん!!」
「うふふふふっ。どうよ!私に掛かれば召喚魔法なんてちょちょいのちょいよ!!」
自慢げに胸を張るリーファの姿は、幼い姿と
だった、故に、リーファ本人としては優美かつ優雅にエレガントなポーズを決めているつもりで居たのだが、誰もがその真意に気づく者は居ない。
「ん?にしても結構時間が掛かったんじゃないか?確か朝方から出て行ったよな?もう昼も過ぎて門も閉めるとこだったんだぞ?ってそっか、小せぇとはいえドラゴンだからな・・・契約大変だったんだろう?」
「そ、そうよ?その通りよ!?そりゃもう大変で・・・べ、別に当たりを引くまで召喚してたわけじゃないわ!!」
先程までの自慢げさが急に鳴りを潜め、ばつが悪そうに声を荒げる姿はどう
「リーファ、お前さんまさか・・・他の召喚した魔物はどうしたんだ?もし残して来たんだったら、その数と種類によっては、討伐隊を出さないといけないぞ!取り合えず詰所まで来てその報告をして貰う。ったく、やっぱりリーファはリーファだなまったく・・・」
いつもの事なのか慣れた様子で、討伐隊の編成並びに町の規定に沿った各種手続きの準備を始めようとするドレットさん・・・愛娘のためならば仕方ないと言う感じは、決してとある紳士達の
「ちょ、ちょっと待って!ちゃんと他の魔物は討伐したわ!!あと魔物と言っても全部スライムで雑魚だったから、この子で十分だったわよ!!」
この子ことベビードラゴンのアキクンを抱えながら、必死に弁明をする姿はやっぱりどこか愛らしく、まるでぬいぐるみを
「む、むぅ。そうか?・・・確かにコイツなら、小せぇと言ってもドラゴンはドラゴンだしな。なら大丈夫か。んーだが一応あとでギルド・・ってもう遅いか。それなら明日にでもギルドにちゃんと報告するんだぞ?あとそれと、ドラゴンを召喚して浮足立つ気持ちは分かるが、あまり無理するんじゃねぇぞ?」
「わ、分かってるわよ!子供扱いしないで頂戴!!」
「ハァ~別に子供扱いってわけじゃないが、お前さんはここぞって時に変な事をしでかすからな。ここに来たばっかりの頃、
と愛娘の可愛らしい失敗談を苦笑いを交えながらどこか楽しく語る姿は・・・ど、ドレットさん?
「だぁ!分かった!分かりました!!ちゃんと気を付けるわよ!!この子も手に入ったし、これからは無理はしないわ!!・・・・私は(ぼそっ)」
「ん?ま、まぁ確かにコイツが居ればある程度の事は大丈夫なんだろうが、過信は良くねぇぞ?世の中何が起きるか分からんしな、おとうs・・ゴホン。兎に角危ない事は控えて、何かあったら直ぐに教えるんだぞ?あんま心配させるなよ。それじゃ、ほら、ギルドカード・・・落とすんじゃないぞ?」
と、ギルドカードを丁寧にリーファの手を包み込むように渡している姿は・・・・ッ、ドレットさん信じていたのに。。。
お巡りさんこっちです!早く手遅れになる前に・・・ッ!!リーファ早く離れて!そいつはもう既に深い
「ん・・・じゃ失礼するわ」
「あいよ。ちゃんとそいつも可愛がってやんなよ!・・・ってそいつさっきから白目だが大丈夫なのか?」
何か恐ろしいものを見たのか、驚愕の表情と共に、白目を剥きお口から泡をふいている
ぅん怖いよね。おっさんと幼女の組み合わせ・・・分かっている、おっさんも必死に生きているって事は!!
ノータッチ!ノーライフ!?
「・・・多分大丈夫じゃないかしら?どうせ起きて居たらうるさいだけだから、ちょうど良いわ」
「そ、そっか。コイツも難儀なご主人様を持っちまったな・・・ウラヤマシイ(ボソッ)」
「ん?何か言った??・・・ってうるさいわね!今度こそ失礼するわ!!」
「あいよ、気を付けて帰んな!!」
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何かが起きる前に対処をするのは仕方がない事です。。。冤罪だとしても、それは、深い
ですが、大丈夫、安心なさって・・・外道に落ちた者は救い難いですが、そこの貴方ならまだ救いの道があります。。。
そんな貴方に金言を授けましょう・・・そう、次元が違えば大丈夫なのですよ?(
では、この聖なる書物を貴方に与えましょう・・・大丈夫、
さぁ!虹色の世界に今旅立つ時です!!・・・こうして迷える子羊をまた一人、救済へと至る道に
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衝撃的な出会いを感じた直後、目の前が真っ白になることってありますよね?
はい、それを気絶と言います。勉強になりましたね??(にっこり)
絶賛気絶中からどうにか浮上する意識・・・まずは小粋な一言から始めたいと思います。。。
「門番は可愛い女の子でも別に良いと思う!!」
だって!どうせ大体は問答だけなんだからそこはやっぱり可愛いお姉さんとか可愛い娘で良いじゃないか!?
考えてみてごらん!長旅から帰って来て最初に見る故郷の顔ぶれが強面のおっさんとか・・・疲れ増すじゃんよ!!今なら支持率90%は固い!!(残り10%は正直に生きればもっと幸せだと思うよ?)
「・・・なんでコイツは普通に可愛らしく出来ないのかしら・・・ハァ」
何やら頭上から失礼な事を言われた気がしますが気にしません!だって男なら可愛さよりカッコよくありたいからね!(どやっ)
にしても何だか揺り籠に居る感じがすると言うか・・・でもこれ絶対毛布無いですよね?だって直籠inって感じでにゃんも柔らかさを感じられないもの。固い!硬い!硬過ぎる!!!これじゃ気持ちよく寝返り打てないよ!!もう少しふくよかな・・・ってあれ?何だか急にふわっとした浮遊感が・・・まさか!ついに僕とべたんd・・・
「『おいたわダメよ』」
「あばばばばばばばばばばばばっ!!!」
ドサッ・・・・「きゅぅ」こんにちわ地面さん。。。ガクッ。
って酷い!起き抜けにいきなり電撃ってあんまりだよ!!これはちゃんと抗議しなければと奮い立ち、この状況を作ったと思われる紅い悪魔に一言物申さなければなりません!!
「ちょ、いきなり電撃とは酷いのではないでしょうか!!(キョシュ!!)」
・・・悲しいかな最初の頃のイケイケなオイラっちはもう居ないのかも知れません。。。カンバック!!
「・・・今度から少しでも何か良からぬ事を考えたら調教スキル発動するから・・・・」
ゆらっと幽鬼な幼女様がそこに居ました。さっきの紅い悪魔は誇張やないんやで?(ガタブル)
「・・・ハァ~」
そんな深い溜息しなくても良いのに・・・何だか問題児扱いされてるみたいで
「・・・もう良いわ。さっさと行くわよ!付いてらっしゃい!!」
「ハイ!!」
シュタ!!っと訓練された軍用犬の如く邁進して行きたいと思います!!べ、別にお仕置きが怖いんじゃ無いんだからね!!ただ単に郷に入れば郷に従えであって・・・ぐすん、だって本気であの電撃痛いんだもの。前の世界では味わった事も無い未知なる感覚に何かにめざ・・・め無いように努めねば!!ぶるり!!
リーファから
やっぱりと言うか、リーファの恰好で何となくそうじゃ無いかと思っていたんだけど、前の世界よりはだいぶ文明レベルが低い感じで、中世ヨーロッパみたいな風景が広がっていた。
って中世ヨーロッパってどんな感じか詳しいわけじゃないけど、中世を舞台にした映画とかファンタジーもののアニメとかで観る風景まんまって感じかな?
もしかしたら細部は全然違うのかもだけど、取り合えずここは日本じゃ無いんだなぁと改めて感じられるぐらいには、新鮮な気持ちを味わえた。
ん、でもそっか、やっぱりここは地球じゃ無いんだ・・・改めてそう思うと、何だか少し感傷に浸りたい気持ちになる。
みんな元気かな・・・ってあれから一日も経ってないから、何か事件が起きてでも無い限り元気なんだろうけど。ん、でも何だかなぁ・・・もう二度と会えないかも知れないと思うと少し思うことはあるよね。
ん、やめたやめた!!折角新鮮な気持ちを味わえてるんだから、まずはその気持ちを楽しまなきゃね!!落ち込むのはそれからでも遅くないやい!!
にしてもこの町、思ってたより治安は良い感じかな?市場ぽぃとこも活気があるみたいだし、ここから結構離れてるはずなのにここまで威勢の良い声が聞こえてくるもの。
あと路上にゴミも無くて小奇麗な感じがするし、案外住みやすいかも?ぁーでも良かった、窓から排泄物を放り投げる文化が無くって。元日本人としてはやっぱりそういった環境は許せないって言うか耐え難いものがあるよね!!ってそうなるとトイレとかどうなるんだろう・・・んー最悪ぽっとん便所かなやっぱり。水洗あると良いな・・・ウオシュレットは諦めるからマジ水洗でお願いします!!
ってそう言えばどこに向かってるんだろうか?結構町の中心に入っていく感じがするんだけど。そう言えばこういった町って、一概には言えないけど中心に行けば行くほど、身分が高い人達が住むエリアになるんだよね?
んーやっぱりリーファってお金持ちのボンボンかな??普通の貴族では無いとは思うんだよね。だって貴族の娘がわざわざ町の外に出て、危険かも知れない召喚魔法とかするわけ無いし。もしするとしても絶対護衛とかあるんじゃないかな?ってよく考えると強力で手が付けられない魔物とかも出る可能性があるのか!となると、どう考えても一人でやる事じゃない気が・・・んーこの世界では当たり前なのかな??でもでもこんな幼女が一人でやるにしては危険だと思うんだけど。もしかしたら結構苦労してるのかな?そうか・・・だよね。ぅんぅんその歳で大変だったんだろうな。今後は少しは優しくしてやろう!
と生暖かい眼でリーファを改めて見ていると、急にリーファが振り返って。。。
「・・・その眼やめてくれない?気持ち悪くて背中がゾワってするから」
この幼女様は背中に目があるんです?まぁでもそれも仕方ないかな。その歳で一人で頑張ってきたんだから色んな視線を受けて来たはずだし、ここは僕が大人にならなければ。
「ぅん、ごめんね。次からは気を付けるね?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
汚物を見る目で見られました・・・解せぬ。
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