第4話 空・・それは浪漫・・・考えるな!感じるんだ!!(敏感肌)

「それでどちらに向かわれるのでしょうか?」


 完全に従魔調教スキルによる恐怖政治で従順になってる自分がツラたん。。。


「私が今住んでる町まで向かってるのよ」


「へぇー町かぁ・・・結構遠いの?」


 従順になったと舌の根の乾かぬ内に、即座に砕けた口調になるのは、やはり幼女に対し屈しきれない自分が居るからなのですよ?少しでも隙があれば立場を改めさせようと思います!!キリッ!!


「んー別にそうでも無いわ。もうそろそろ見えてくるはずよ?ほら、あそこで人がいっぱい並んでるとこよ。」


 確かにリーファが指し示す場所をよく見れば、城壁というか要塞の壁みたいなものが見えて、門らしきとこに向かって歩いていく人達が見えた。

 ってやっぱり西洋風か・・・まぁ予想してたけどね。スライムさんとかドラゴン様とか出るRPG風だし。

 リーファの格好もどこか気品がある中にも機動的で動きやすい感じのする洋服で、どこか貴族服を冒険者風に仕立て直したような、なかなか凝ったデザインだった。

 んーやっぱどこかの令嬢とかかな?僕を呼ぶにも結構な額使ったぽいし、ってか魔物を100体以上呼ぶ額っていくらなの?リアル課金考えたくないです(ぷるぷる)。

 って事はやっぱりどこかの貴族の令嬢でお金持ち・・・にしては、さっきから稼ぐ稼ぐばっかりでお金にがめつい様な気がする。

 でも守銭奴って貴族の令嬢が?んー訳ありかな・・・うへぇーめんどぃテンプレ展開は止めてよね。。。


「それにしてもアンタ歩くの遅いわよ?」


「し、仕方ないじゃん!!この姿じゃどうしても歩幅稼げないもの!ってそう思うなら抱っこしてくれても良いのよ?一応ベビードラゴンって言うから幼体って事だし、ここはぬいぐるみを抱っこする感じで可愛さアピールするとこじゃない?」


「は、ハァ?何で私がそんな事しないといけないのよ!!しかもアンタ中身元人間で、ぇっと何だっけ?コウコウセイとか言う男子学徒でしょ?気持ち悪い事言わないですよ!ホントキモイわ。。。」


 めっさ蔑まれた眼で見られた!!だがしかしその属性は無いのでにゃんとも・・・ホントよ?いやホントだから!そんな属性無いから!!まぁでも年上なお姉さんに頬に手を当てながら「あらあらあら・・・」なんて言われた日には・・・・ッ?!!ぁ、ごめんなさい脱線しましたね会話に戻ろうかと思います。


「キモく無いもん!ってか幼体でしかもさっきスライムの大群を一掃した身ですよ?少しは労わってくれてもバチは当たらないと思うんですが!!」


「だぁーもううるさいわね!!ってかアンタ、歩くのが嫌なら、飛べば良いじゃない。その背にある羽は飾りなの?」


 ・・・・・・・・・・ハッ!!


「アンタねぇ、やっぱりバカなんじゃないの?ハァーホント大丈夫かしら。もしちゃんと稼げないと私の悠々自適な生活が・・・んーレベル上げも兼ねてダンジョンに突っ込むべきかしら?」


 と何やらごにょごにょとひとり呟きながら思案してるリーファの姿は、どこか少し嫌な予感がしたけど、それよりも。


 そっか!今僕はドラゴン様だった!!


 って事は立派な翼があるじゃない?やっふぅうううう!!夢に見た大空に羽ばたく新世界!!

 実は一度スカイダイビングとかしてみたかったんだよねぇ~♪

 ってスカイダイビングは結局落下にしか過ぎないから、本当の意味で飛ぶって事じゃないんだけどね。今はなんと!私の背中には翼さまが!!落下じゃなくてちゃんと飛ぶことが出来るのです!?

 うひゃぁ~人間の夢の一つを今自分の手にあるかと思うと。むふっ。何だか優越感感じちゃうね☆さぁ~てじゃ早速実践してみよう!!おっソラぁを自由にぃ飛びたいなぁ~♪


 はい!マイドラゴンウィング!!


 バサッ!っと何と可動式だったのか最初はちみっこい感じだった羽が、意識したら体を包み込めるぐらいに大きくなって、これぞドラゴンの翼って感じの風格に!!これは飛べる!!いざかん!!!



「とうぅ!!!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・ん?。。。。。


 んーもしかして掛け声違ったかな・・・。


「アンビシャス!!」


 ・・・・ん、これもダメか。可笑しいな大空に羽ばたくって言ったらこれなのに。もしかしてスキル的な感じかな?って事は。


「スキル発動!ドラゴンフライ!?」


 ・・・・・アレ?やっぱりダメ??

 ってそういえばスキルにそんな項目無かったや!

 あれ?あれれれ~?

 も、もしかして、もしかしなくても・・・・・。


「私の翼、飾りですん?」


 Oh~シュットぅ!!(ネイティブ風と思うけどこれあってんのかな?)



 マジですか・・・ぇー無いわぁー、嘘ぉん・・・ヤバいこの世界に来て一番のショックかも。何ていうか目の前にあるのに手が出せない・・・そうか!これが鏡花水月か!!

 ぅうう!!本気でショックでツライ。どうにか出来ないものか。。。

 練習あるのみ?それともスキルなの??ってかドラゴンなんだから種族スキルに初期から実装しててよ!!もう!これだからデスマが足りないって・・・ぁあごめんなさいごめんなさいゴメンナサイ!!(その道の方ごめんなさい!!)。



「ん?どうしたの??ぇっ?もしかして本当に飛べないの??ぇー嘘でしょ・・・」


「だ、だって!飛べないんだもん!!」


 あまりの残念な結果に割と本気で涙声になるのは仕方がないと思います。


「ハァ~。まぁもしかしたらレベルが足りないのかもねぇ・・・ん、やっぱりダンジョンね」


「う、うううっ。そうかなレベルかな?レベル上がったら飛べるかな??飛べたら良いな・・・マイウイングちゃんいつかきっと飛ばしてあげるからね!!」(翼をすりすり)


「うわっ、何それキモイ。ハァーもう大丈夫かしらホント・・・」


 キモイって言うなぁ!ちゃんとこうやって、マイウイングちゃんと意識を交わす所から大空への道が開けるんだからね!!

 んーでもまだだいぶあの町まで距離あるんだよな。って言っても数kmも無いと思うけど。でもやっぱりこの身だと少しツライなぁ~なんて。


「ってことで抱っこしてください☆きゃぴ♪」


「・・・『おいた・・・」


「調子に乗りました!すんませんでしたぁ!!」(土下座ってやり続けると何だかきもt・・いえ何も)


「ハァ~。そんなに歩くの大変なら・・・ごそっごそっ・・・ここにひもがあるからその首輪に付けて引きずっていこうかしら?」


 鬼ッ?!悪魔!!糞餓鬼!?鬼畜幼女!!?



「『おいたわダメよ!』」



「あばばばばばばばばばばばっ!!!?」



 こやつ読心術の使い手だったか・・・・ガクッ。。。。



「ハァ~。バカやってないで行くわよ!一応本当に紐で引きずっても良いんだけど・・・」


「ぐがっはぁっ、がはっ・・・いえ結構です。。。ぐきゅぅ」


 もう何だか今後の展開というか未来が見えた気がしてきた。そっかこれが奴隷制度なのか。誰か解放運動される方居ましたらお教え下さい。ここに同志が居ますよ?いやもうここは自分から運動を起こして、奴隷解放軍創設も辞さない!!


「・・・何かまたバカみたいな事考えてるでしょ?もういい加減にしてよ、ハァ~」


「ヒッ!」


 怖いよぉ怖いよぉー。読心術の使い手とか一番出会ったらダメなやつじゃないですかぁー誰か助けて下さい!!


 本気でそろそろ奴隷根性が浸み込んで来そうですが、ふと思うのですよ。遅かれ早かれかなって・・・。

 きっと前の世界で大人になれば、世のワーカー戦士の皆さんと志を同じにして戦っていたはずだから・・・やっぱり革命って必要だと思う!?

 と仕事とは何か奴隷とは何か、白なのか黒なのかパンツの話じゃないよ?真面目な話ししてるんだからね!とワーカーホリックこそが救いなのか、やっぱりガーターベルトは外せないのか、とか色々と見識が高いと思うことを考えながら町までの道程を歩むのでした。。。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る