第3話 初めましてアキクンって言います!いや本当です!!はい!今流行りのキラキラネームです!!(面接時)

「くふふふっ。さぁ~てとぉ♪・・・ゴホン。ぇっと、この子確か名前があったわよね。親から付けられたものかしら?んー何て言ってたかしら・・・アンタ親から何って言われてたの?」


「ぇ?ぁ、はい。ぇっと『アキクン』って・・・」


「なるなる『アキクン』ね。んーまぁ何も思いつかないしそれで良いでしょ。じゃ『アキクン』これからヨロシクね!ほいっとなっと」


 ペタッ!っとおもむろに変な判子みたいな物を僕のひたいに押し付けられて。。。


ぴかぁーーーッ!!


「ッ!!眩しッ!!またこれかぁーーー!!」


・・・・・・契約を確認しました・・・・・ベビードラゴンこと『アキクン』は、ヒューマンこと『リーファ・フォン・アインシュタット』の従魔じゅうまとする事をここで承認・・・完了しました・・・。


 ぇっ?何今の天の声的な頭に響いた声は・・・ってか従魔契約って何さ!!

 ってうぉ!首に何か首輪みたいな物がッ!!でもよく見ると結構意匠が凝っててカッコいいかも・・・っていやいやいや首輪とか無いわ!!

 しかも今何て言った。ベビードラゴンこと『アキクン』って・・・ハッ!!ちょぃ待った!待って下さい!!ステータスぅ!すてぇたすぅううう!!



名前 アキクン

種族 ベビードラゴン(亜種)

位階値 F10

生命力 C

筋力 D

魔力 C

敏捷 D

幸運 S


魔法スキル マジッククロー

技能スキル なし

種族スキル 竜眼(+鑑定+魅力) 魔力掌握(+魔法創造) 自然治癒

エクストラスキル 異世界邂逅かいこう(+言語理解+声音)

称号 粘液生物の天敵


従魔契約 契約者:リーファ・フォン・アインシュタット




 ・・・ちょぉおぃいいいいいいいいッ?!!

 名前が、なぁまぁえがぁああああああ!!!

 アキクンって何さ!アキクンって!!しかも辛うじて薄く記されてた本名消えてるぅううう!?

 待って。今から僕アキクンなの?・・・あはははっアキクン。家族ならまだ良いってかいつも呼んでるし。あとお隣の幼馴染(想像)や大学生のお姉さん(願望)もまだ良いってかむしろ良い。でももし日常生活で。。。


室内アナウンス「アキクン。アキクンさんは居ませんか?3番窓口までお越し下さい」

窓口のお姉さん「ぇっと此方にサインをお願い出来ますか・・・アキクン・・・か、変わった名前ですね(苦笑)」



 無理ぃいいいいいいいい!!?



 ってか窓口とかは置いといて、もしこの世界(夢?)で有名ってか魔王や英雄になんかなっちゃったりしたら・・・。



村人A「魔王のアキクンが出たぞ!!魔王のアキクンが!!・・・・・ぷっ魔王なのにアキクンって・・・ぷぅークスクス。。。」


 魔王の威厳って名前が変でも大丈夫でしょうか?



王都のとあるお姉さん「英雄アキクン様が凱旋がいせんしたわ!!アキクンさまぁ!!というかアキくぅ~ん!!キャー素敵ぃ~!!」


 ・・・アレ?問題なくない??っていやいやもし英雄伝説とかで夢物語で語られちゃったりしたら・・・。



とある村の母親「・・・こうして英雄アキクンは世界を平和にしたのでした・・・めでたしめでたし」


とある村の幼女「わぁ!英雄アキクン凄いね!!変な名前なのにホント凄いね!!ぷぅークスクス」


とある村の母親「こら!ダメでしょ!英雄様にそんな事言っちゃ!!・・・ぷぅふ」


とある村の幼女「ぁあ!おかあさんも笑ってるよぉ!!」


とある村の母親「だって・・・ねぇ?」


とある村の親子「「ぷぅークスクス」」



 ・・・・とある村の親子のきっと穢れの無いはずの笑顔を作れたから良いんだ。英雄って笑われてナンボですよね?ねぇそうだと誰か言って・・・。



 み・た・い・な・事にッ?!!


 ん、決めました!とっと現実世界に戻ろう。そしてその間はこの世界ではひっそりと暮らすんだ・・・ぁ、でもまだ夢だって可能性も。次、夢で観る時はちゃんとした名前に決めて置かないとね。あははっ、何がbyフラグなんちゃって♪だよ!!そんなお約束要らないやい!!!

 とひとしきり自問自答して、その元凶たる幼女様にひと文句言ったろうと思い至り。。。


「オイ!そこの幼女!!よくも僕に変な名前付けてくれたな!!どうしてくれるんだよ!!!」


「ハァ?アンタがアキクンって名乗ったんでしょうか!!せっかく元々あった名前から付けてあげたのに、感謝を述べるならまだしも文句を言われる筋合いは無いわ!!」


「アキクンって名乗って無いわ!!ってか最初にアキラって言っただろうが!!お子様だからってやって良い事と悪い事も分からないのかよ!!」


「ま、またお子様って言ったわね!!良いわ!!誰がご主人様か分からせてあげる!!」


「なぁにぃがご主人様か!!ってか従魔契約って何?!勝手に契約してんじゃないよ!!この首輪なんだよ!!!」


「だぁ~うるさい!うるさい!!うるさぁ~ぃ!!これでも喰らいなさい!!従魔調教スキル『おいたわダメよ!』・・・って何かしらこのスキルのネーミング・・・」


「ハァ?従魔調教スキルってなn・・・づっであばばばばばばばばばッ!!」


 電気ショックよろしく!かの有名な骨見えちゃった☆てへぺろぉ♪チックな光景をご想像ください。。。


「あばばばばばばばっ・・・・・きゅぅ~」


「ふん!アンタが悪いんだからね!!今度からは気を付けるのよ!!分かったらとっと行くわよ!!」


 鬼ですかこの幼女。こんな見た目はぷりちぃなベビードラゴンにする仕打ちとは思えぬ所業。絶対この幼女頭おかしいわ!!


「ぐはっ。あ、あのさ少しは労わってくれませんかね?一応あのスライムの大群を一掃した恩人ですよ??」


「何が恩人よ恩着せがましい。あの程度の魔物どって事無いでしょ?雑魚よ雑魚!あれぐらい一掃出来ないでどうすんのよ!」


「何があれぐらいだ!結構大変だったんだよ!!冴えわたる僕の頭脳と機転が無かったらやばかったんだよ!!しかも何だよあの数!!どうしてあんなにスライムばっか居るんだよ!近くに巣があるの?にしても可笑しいでしょあの数!!」


「あーアレね。ん、まぁ仕方ないじゃない?呼んじゃったものは・・・・」


「ハァ?呼んだぁア?き、君、もしかして・・・アレ全部召喚したとか・・・言わないですよね?」


「・・・・・・まぁ仕方ないわよね、そんな事もあるわよ。うん、仕方ない仕方ない」


 うんうんと可愛らしく頷く姿はとても愛らしく見え・・・ないわあほッ!!ふざけんな!!


「ちょマジで!ふざけんなこのガキ!!マジどう言うこt・・・ッあばばばばばばばばっ!!」


「・・ダメよ』・・・次、ガキとかお子様とか幼女とか言ったらコロスわよ?」


 ・・・マジかこの幼女様・・・誰か助けて!もう嫌orz


「ぐがっ。じ、じゃ何て呼ぶの?ご主人様とか絶対嫌だからね!!」


「チッ、じゃリーファで良いわよ!ってそっかまだ自己紹介まだだったわね。リーファよ、リーファ・フォン・アインシュタット。これで良いわね?さっ行きましょ」


「さっ行きましょ、じゃないよ!!さっきの事についてちゃんと答えてよ!!なんであんなにスライム呼んじゃったわけ!?」


「そ、それは・・・呼んでも呼んでもスライムばっかで・・ごにょごにょ・・・ッ!、あ、アンタが全然出てこないからよ!!」


「ぇっ、それって・・・ハッ!君まさか僕って言うかドラゴン出るまでずっとスライムばっか召喚してたって事!!ぇっ?!何そのガチャ感覚みたいな召喚の仕方!!」


「が、がちゃ?・・・そ、そうよ!悪かったわね!!呼んでも呼んでもスライムばっかり出てくるあの焦燥感!!一体いくら使ったって思ってるのよ!!アンタにはその分・・・いえ、それ以上に稼いで貰うからね!!」


「ハァ?いくらっておま・・・マジか・・・完全にガチャ課金じゃないか!!しかも一番ダメなやつの焦燥引き!?・・・あの感覚はアカンぜよ・・・ガタガタブルブル・・・・」


「ふ、ふん!これも仕方のない経費よ!もしくは投資ね?!そう投資!!ぅんぅん結局はベビードラゴンっていう大当たり引いたんだから幸先は良いわ!!」


「バッカじゃないの?!!もし引けなかったらどうすんだよ!しかもスライムだらけの中もし何かあったら・・・これだからお子様は課金に手をだしちゃ・・・」


「従魔調教スキル『おいたわ・・・」


「ぐほっ!待った!待ぁ~った!!ごめんなさい!!お言葉が悪かったです!もう言いませんから少し落ち着いてください!!」(染み付いてしまった土下座)


「分かれば良いのよ、分かれば・・・じゃ行くわよ」


「いやだからちゃんと説明をですね!なんでそんな危ない召喚をしたのかなぁ~と。あともしかしなくても僕を呼んだのもようjy『ギロリ』・・リーファさん?」


「チッ、リーファで良いわよリーファで。これからどどうせ長い付き合いになるんだし。んでさっきから言ってるけど、アンタもスライム共も私が呼んだわ」


「うわっーマジですか。ぇーっと何でそんな事を?」


 幼女に下手に出る僕・・・誰か心の汗を拭いてはくれまいか?


「ハァ?アンタバカなの?ドラゴンのくせにそんな事も分からないわけ?・・・ってそっかベビードラゴンだっけ?生まれたばかりだから何も知らないのかしら」


「いやいやいや!別にベビードラゴンだからって生まれたばかりじゃ・・・ってかそもそもベビードラゴンじゃ無いし!」


「ぇ?ベビードラゴンじゃ無い?どういう事??嘘ぉ!もしかして何か違うもの・・・ッ、ステータス!・・・ってやっぱりベビードラゴンじゃない!!」


「ぁ、いや実はですね・・・」


 とこの世界・・夢?・・・いやもう良いやもうこれ絶対夢じゃないよ!あんな激痛のある夢があってたまるか!!

 ってもうそれは置いといて、この世界に来る前の出来事、そして今迄の事を掻い摘んで説明を・・・ぁ、もちろんギャルゲーしてた事は伏せてますよ?当たり前でしょ??


「ふーん高尚な叡智えいちたる物語のひも解きねー。何?神学者か何か??へぇーコウコウセイ・・・学徒みたいなものかしら?それにしても異世界・・・じゃアンタ元人間って事?何それ聞いた事無いんだけど・・・・」


「いや僕もこんな事は初めてと言うか夢物語みたいな事ばかりで良くわからないんだけど」


「ふぅーん。まぁ、別に良いでしょ。どうせやる事は何も変わらないし。じゃ行くわよ」


「ぁ、はいそうですね・・・・ってぇええええええええええええええええええええッ?!!」


「もううるさいわね・・・念話の時から思ってたけど、アンタ結構うるさいわよ?もう少し冷静に喋れないの?バカなの??」


「いやいやいやおかしいでしょ!こんな状況!!元人間がドラゴンですよ?しかも異世界人ですよ?もっとほら何かあるでしょう!?」


「んーそうね・・・ん、特にないかな。どうせ従魔は従魔だし、ベビーだけどドラゴンだし。そうねぇどんだけ稼げるかは気になるわね?」


「気になるとこそこ?!!って稼ぐって何!?僕に何をさせるわけ??もう訳が分からないよ!!」


 ちとフレーズ的にほっこりしたのは性ゆえに・・・緊張感無いのは僕もだったなう(´・ω・`)


「何をさせるって決まってるでしょ?ダンジョンに潜って宝箱やドロップ品見つけて稼ぐのよ?」


「稼ぐのよ?じゃないよ!!しかもダンジョンって。やっぱりあるのか・・・何というRPG」


「まぁそういう訳だから、アンタが何者なのかとか興味ないし、稼ぎ頭になってくれたらどうでも良いわよそんな事」


「そ、そうですか・・・」


 もう何この幼女様逞し過ぎるでしょ。取り合えず普通の幼女じゃないのは分かった。もしかしてテンプレ合法ロリBBAじゃ無いよね??


「アンタ今失礼な事考えなかった?『おいたわ・・・」


「だぁー!考えてません!思ってません!!すみませんでした!!」


「ふーんまぁ良いわ。じゃ、行くわよ!」



 クソッタレ!!

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