第2話 スライムさんは大和魂が宿ってるかも知れぬ(意味深)
あれから小一時間後・・・・
「ぐっきゅ、ぐっ、きゅるるぅ・・・るるぅ・・・(ぐはっ、ぐっ、はぁ・・・はぁはぁ・・・)」
・・・・ふっ、やり遂げたぜ・・・・・。
スライムさんをちぎっては投げちぎっては投げ・・・いやもうホント最初、うわぁーんと両手(両前足?)ぶん回して突撃したんだけどさ、ぽかぽか殴っても何も効果無い感じなんだ。
ぁ、そうか種族スキルの物理抵抗ってやつかなと思い至り、じゃ魔法無いと詰みじゃんよ!と思ったけど、刃物ならいけるかもしんない!と某RPGのアニメとかでズバンと剣で切り裂いてるのを思い出し、名推理ぷりを発揮するも、刃物なんて現代社会で持ってる方がおかしいんですよ!ってかその前にmapper(真っ裸)ですありがとうございましたとセルフツッコミして、どうにかステータス差でどうにかならんかなぁーとぽかぽかしてたら、ふと手先(前足先?もういいよそれ!!)を見たらば、ご立派なお爪様があるじゃ無いですか・・・。
ぉ、おーこれいけるんじゃない?こう手刀ぽくさ爪を立てる感じで・・・『ニョキッ!』うぉっ!マジか!!少しだけど爪伸びちゃったよ。ぇーでもコレ手握ったら痛いじゃないですかぁーと思ったら爪が『ひょこん』と戻り・・・これはイケる!!
いやもうそこからは冒頭にある通りちぎっててかズパンと切り裂いては投げ、ズパンと投げ、10体ほど倒してからは何となく爪に魔力を通す感じを覚えて、そこからは効率的にズパンズパンといやもう軽い軽いマジちょろろん♪と余裕かましてる時が自分にもありました・・・。
いやねぇ、10、20なら良いのよ?いやまぁ魔力使ってからはこの際50体でも別に、ねぇ?
でもさ、それが40、50、60・・・ぇっ?待って!50体じゃなかったの!!恐ろしいかな・・・このぷりちぃな小さい体ではちゃんとした奥行きを知ることは出来なかったのよ。
マジかぁーいくら作業的な感じでも、流石にこう立て続けに戦闘が続くとスタミナが・・・あと魔力持ちますやろか?考えて無かった。
今からでも遅くないかな?ちと魔力爪(命名マジッククロー)を抑えてっと・・・。
それにしても、何というかここに居るスライムさん戦闘意欲が無いのかほぼ棒立ちでさ、一方的に蹂躙出来るのが唯一の救いなんですが、少し攻撃を躊躇っていると覆い被ろうとするのが難点・・・ってまぁアッチも死活問題だからそりゃ攻撃してくるんでしょうが、その前にさ・・・逃げてよ!!逃げ去ってくれよ!!なんで待機してんのよ!!何この物分かりの良い日本人の行列な感じ・・・これがおもてなしか・・・と思考が脱線しつつ戦闘を繰り返すこと小一時間。。。
ズパン!!・・・キラキラキラ。
何という事でしょう。スライムさんを倒すと一瞬煌めいたかと思うと光の粒子になって消えちゃう模様・・・後片付け無くて良かったね♪100体以上のスライムさんこと液体の残骸をどうせっちゅうねぇん事件が無くて本当に良かった。。。
「ぐっきゅ・・・(やっと終わった・・・)」
・・・ってことでやり遂げましたよっと。ハァ~マジ勘弁なう。
もうねぇ暫くと言うかもう二度とスライムなんて見たくないやい!!
雑魚って言うけどさ、あんなに数があってしかもソロプレイですよ?何このスパルタンマジ鬼畜!これ夢だろうとゲームだろうとアカン仕様ですよ!バグですよ!!プログラマーさんしっかりしろよ!!ちゃんとデスマしろよ!ぁ、ごめんなさい嘘ですホントすんませんでした!!(土下座)
ハァもう疲れた・・・ぁーでもこれでレベル結構上がったんじゃなくて?ちと確認確認かもぉ~んすてぇーたぁすぅ!!
名前 なし (竜ケ崎 明)
種族 ベビードラゴン(亜種)
位階値 F10
生命力 C
筋力 D
魔力 C
敏捷 D
幸運 S
魔法スキル マジッククロー
技能スキル なし
種族スキル 竜眼(+鑑定+魅力) 魔力掌握(+魔法創造)
エクストラスキル 異世界
称号 粘液生物の天敵
うぉおおおおおお!!レベル上がってるやったぁ!!
ってばかぁあああああああああああああ!!ふざけんな!!あの数ってか100体以上居てレベルが10しか上がらんってどういう事よ!!
可笑しいじゃろが!!いやまぁどのスライムさんも何故かレベル1しか居ないぽかったけどさ、いやいやでもね、100体よ?100体!!
そりゃまぁあんだけ倒したら天敵って言われてもしゃーないわ!それでレベル10になっておめでとう♪ってバカ!納得いかない!あの戦闘は最低でもレベル50以上はあると思います先生!!
ぐわぁ~っと一人バタバタと野原を転がりまわってたら・・・。
「ふわぁ~あ。ん?やっと終わったの??んー結構時間掛かったわね・・・」
「きゅるるわん!!(やっと起きやがったよ!!)」
「んーんっ。さてどんだけレベル上がったかなぁーとステータスすてーたすぅ・・・あれ?表示されてないな・・・ぁ、そっかまだ従魔契約してなかったけ?いけない♪いけないっと♪ぇーっとまずは・・・アンタちょっとこっち来なさいよ!」
「きゅわ?きゅきゅるる!るるぅ!きゅわるるぅ!!きゅわわわわん!!(はぁ?何がこっち来いだよ!君が来いよ!むしろ労わってよ!!こちとら大変だったんだよ!!)」
と言いつつ、言われた通り素直に幼女の元に近づいてくオイラっち。素直さって別に従順であるべきじゃ無いと思うんだ。まぁ思うだけだけどさ(遠い目)。
「だぁーもう!うるさいうるさい!!頭の中で喚かないで!!ったくもう!これだから魔物は好きじゃないのよ。もう少し優美さというか余裕は無いものかしら?それにしても従魔ってこんなにうるさいものだったかしら・・・確かに意思疎通は出来るって聞いてたけど、これじゃうるさくて仕方ないじゃないのよ」
「きゅわきゅわわ!きゅわきゅるるるるるぅきゅわ!・・・きゅわきゅるるるるるるぅ・・・(何がうるさいだバカ!こちとら好き好んでこんな可愛らしい声だしてないっての!・・・って待てよさっきのステータスで・・・)」
ステータスすてーたすぅ・・・っとやっぱあった、エクストラスキルの項目にある「異世界邂逅(+言語理解+声音)」ってとこの「+声音」これで喋れるんじゃね?ってか異世界邂逅って。やっぱりここは・・・いやいやいやまだ分からないって!取り合えずポチっとな!!
「ハァ~もううるさいわねぇ。とっとと従魔契約して黙らせちゃいましょ。確か魔物の体にこの従魔契約印を今から自分が考えて付ける名前を想い浮かべながら押し付ければよかったのよね?自分の登録は街でもう澄ましたはずだし・・・」
「きゅわきゅ・・・(きゅわきゅ・・・)じゃなくて!オッス!オラ〇空!!」
「ぇーっと体にだからどこでも良いんだっけ。ぁ、はいはいゴ〇ウねぇ、はいよろし・・く・・・?ぇっ?今喋ったのアンタ?!!」
「ハロォー幼女!!ちなみにオイラっちの名前はゴク〇じゃないぞぉーアキラってんだ!よぉそろぉー♪」
「だから誰が幼女よ!!超魅力的な大人のレディに対して失礼じゃなくて!!って、魔物が喋ったぁあああああ!!?」
「はいはい魅力的な大人ですねぇーれでぃ?ですねぇーぷぅークスクス。んでさ、ここどこよ?んで君、誰さ??」
「むきぃー!!何その言い草!!ホント失礼な魔物ねぇ!!って本当に喋ってる・・・ぁ、でも確か高位の魔物は人語を解して喋る事も出来るって聞いた事があるわ・・・くふふふっ、これはもう完全に大当たりじゃない!!これであいつらの鼻を明かしてやれるわ!!」
「むきぃーって実際にそう言う奴初めて見たわ。うわぁーないわぁー」
「くふふふふっ。これで私の未来は安泰・・・順風満帆の薔薇色生活が目の前に・・・くふっくはっくはははははははぁくきゃきゃきゃきゃっ!!」
・・・・やっべぇこの幼女完全に逝っちゃってるわ。どうしよう何だか嫌な予感もするし、全力でここから離れたいんですが。でも今のこの状況知ってるのこの幼女さん以外居なさそうだしどうしよう。。。
「くきゃきゃきゃっ・・・きゃっ・・・ふーっ落ち着け私ぃ!まだ夢半ばよ!!ちゃんとコイツと契約してガッポリ稼がせないと!!くふっガッポリ。これでコイツを呼ぶ為に使ったお金も全部戻ってくる・・・それどころか・・・くふふふっ」
「あ、あのー大丈夫ですか?そろそろ現状についてお話したいんですが?あのぉー聞こえてらっしゃいますでしょうか・・・・」
余りにもあんまりな幼女の奇行ぷりに流石に茶化して居られないと感じた『僕』は、あの完徹からの訳分からんこの世界へのダイブで、ハイテンションモードになって居たのがスッと冷静になれました。はい、これが賢者モードってやつです。もう嫌・・・この夢早く覚めないかな。。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます