第3話
第三話
「あ~あ~っ! いい気持ちっ!!」
「家に温泉があるのって凄いね……」
聖獣に体中を舐め回された私は"アデレ-ナ"の言う通りにお風呂に入る事にしたのだが、なんと"アデレ-ナ"家の裏に小さな池ぐらいほどの温泉があるのだった
「そうでしょう……ここに家を建てたのも温泉が湧いてたからなのよ」
「まあっ……それだけじゃないんだけどね……」
「けっこう、広いから私も一緒に入っていい」
と言うので、私がうなずくと自分も服を脱ぎだす
横目でチラチラと"アデレ-ナ"の裸をチェックしている私に気が付いたのか
「どうしたの、私の体に何処か変なとこでもあるかしら……尻尾なんて生えてないし、化かしてもいないわよ」
と少し笑ったように言うと私のすぐ横に入ってきた
「そんなつもりじゃ……」
と恥ずかしそうに私が言う……"実は、オッパイの大きさが気になっていた"何て言えないし……何故か昔から自分のオッパイと他人のオッパイを比べる……私にはそういう変な癖がある……ような気がする……
「他の人と一緒にお風呂に入るのなんて何年ぶりかしら」
「それと……ごめんなさいね……」
と私に急に謝る
「なんで私に謝るの」
と私が不思議そうに言うと
「さっき、聖獣に体中舐め回された時に何もしてあげられなくて……」
「でも不思議……"聖獣"あんなにあっさりと貴方を家族と認めるなんて……」
「"ポチ"にとっては、あれは歓迎のつもりなんですよ」
と温泉のお湯を手ですくいながら言う
「へっ……"ポチ"ってあの聖獣の名前なのっ……随分と可愛い名前だね」
と私は少し呆れたように言う
「そうよ、小さかった頃に付けた名前そのままなのよ……」
「本人(ポチ)も気に入っているようで、あの名前以外で呼んでも見向きもしないのよ」
と少し笑いながら言うと、すぐに少し口調を変えて私に質問する
「貴方、本当はこの世界の住人じゃ無いでしょう」
「私、こう見えても高位聖職者なのよ……だから何となく貴方からはこの世界とは違ったオ-ラを感じるの……」
「もしも……違ってたらごめんなさい……変な事、行っちゃって……」
と何気なく私の目を見て言う、少しの間があって
「そう……私はこの世界の住人じゃ無いかもしれない」
「でも、全く記憶がないのよ……自分の名前と通っていた学校の名前しか覚えていないの……気が付いたら石棺の中だったのよ……」
「今まで黙っててゴメンね……こんなこと言っても誰も信じてくれないと思ったの」
と私はすまなさそうに謝罪する
「……まさか……と思うけど……通っていた学校の名前って何て言うの」
と"アデレ-ナ"が私に興味深そうに聞いてくる
「確か、ピレウス高等白魔術学園だった……と思う」
と私が小さな声で答えると、一瞬で"アデレ-ナ"の動きが固まると
「今なんて言ったの……」
驚いたような表情で私をジッと見つめる
「あの……ピレウス高等白魔術学園だった……と思う」
ともう一度"アデレ-ナ"のようすをうかがいながら言うと
「そっそっそうなの……」
と明らかに動揺しているのが分る……何だか、小刻みに震えているようだ……それに顔から血の気も引いているようだ……目も泳いでいる……
「どうしたの」
と私は挙動不審な"アデレ-ナ"に問いかける
「なっ何でもないわよ……」
と私の胸を見ながら言うと直ぐにお湯から上がろうとする
「とょっと待って……」
と私が声をかけると
「ひっ!」
と小さな悲鳴を上げてピタリと動きが止まるとガタガタ震えだす
「あっあの……何でしょうか……」
震えるような声で私に言うと……振り返った"アデレ-ナの"顔は今にも泣きそうだった……というより怯えているようだった
「どうしたの……何だか露骨に態度が変だよ」
「"ピレウス高等白魔術学園"に何かあるの……知ってるのなら教えてよ」
と私が"アデレ-ナ"の顔を見て言うが真っ青な顔をしたまま視線を合わそうとしない……私は、こういった態度を取られるのがのが大嫌いだと自覚している……
自分も、お湯が上がると"アデレ-ナ"に詰め寄り両肩をガシッと掴んだ……"アデレ-ナ"の体も表情も凍り付く……その様子を見て私は……
「アデレ-ナってオッパイ大きいね」
とニヤリと笑うと"アデレ-ナ"の胸をジッと見つめて言った……
「えっ……」
と気の抜けた表情をすると見る見るうちに顔が真っ青から真っ赤になっていく……はっとして我に返ると慌てて両手で抱きかかえるように胸を隠すとその場にへたり込んでしまった
「ゆっくり、温泉に入りながら詳しく話してくれる」
と私が優しく言うと"アデレ-ナ"は観念したかのようにコクリとうなずいた……
温泉に入りながら聞いた、彼女の話の内容は……
"ピレウス高等白魔術学園"とは、限られた一部の高位聖職者しか知らない前世紀(神代の時代)"ノ-ワの神殿"の別名で、古の時代そこには多くの超常の力を持つ神々たちが大勢が暮らしていた
やがて、神々はこの地を去り別の世界へと旅立っだったのだが男女二人の神がこの地に残った
その一人の男の神の末裔が、今の神聖帝国ノ-ワの建国者で神聖皇帝 ゲオルギオス・サマラスⅤ世の祖とされている事
もう一人この地に残った女神は神々の中でも最強と言われた女神で石棺の中で長い眠りについた事などであった
その最強の女神の別名は"
「もしもかて……私の事をその"
と私が"アデレ-ナ"にポツリと言うと彼女は小さくうなずいた
「私そんなんじゃないよ……"アデレ-ナ"達と同じただの人間だよ」
と言うが"アデレ-ナ"は信じようとしない
「じゃ……どうして私のどこらへんがその"
と聞くと、彼女は黙って私の無い胸を指さす
私は無言で"アデレ-ナ"のデカい片方のオッパイを鷲掴みにした
「ぎゃっ!!」
と"アデレ-ナ"は悲鳴を上げて背中を丸めて胸を隠す
「もしかして、胸"
とやや切れ気味に言うと
「いえっ! 違いますっ! 違いますっ! 胸に"ノ-ワの刻印"が浮かび上がっているのですっ!!」
「伝承に、神はこの温泉の湯に漬かれば胸に"ノ-ワの刻印"が浮き出るとあります」
必死になって事情を弁解をする
「そうなの……」
と言って私は自分の胸を見るとそんなものは見えない……見えるのは、お情け程度の微かな胸の膨らみだけだった
「何も見えないんだけど……」
と私が疑うような眼差しで"アデレ-ナ"の方を見る
「私にはハッキリと見えていますっ」
「私が一人でこんな所に住んでいるのは"ポチ"のためだけじゃなくてこの聖なる温泉の管理する役目もあるのです」
「でも、まさか伝承の通り"
と真剣な眼差しで私を見ると話を続ける
「とりあえず、聖都の大司教様にお会いして頂きたいのです」
「それで、貴方の身の上がハッキリとすると思いますので明日ご同行願えますか」
と私に言うと、もう一度確認するように私の胸をジッと見つめる
「無いから余り見ないでよ……恥ずかしいから……」
と私が胸を手で隠して言うとそれを見た"アデレ-ナ"がぼそりと一言呟いた
「確かにホントに見事なまでにペッタンコですねぇ……」
「今何か言ったかな……"アデレ-ナ"さん」
と言うと私はにっこりと笑う……同じように"アデレ-ナ"も顔を引き
「ひぃぃぃ~っ! ごめんなさいっっっっ!!!」
と直ぐに謝る"アデレ-ナ"のもう片方のオッパイを今度は思いっきり鷲掴みにした
「ぎゃっあっっっ~!!」
真っ暗な森に"アデレ-ナ"の悲鳴が響き渡った……
第三話 終わり
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