百年紀のカレンダーⅠ 蓬莱グランドツァー 【ノーマル版】

第三章 お外にでれば

やっと落ち着きお茶を一杯

　宇賀さんたちの引越しが終わりました。

　宇賀真琴さんは、駅前の商業ビルのオーナーに収まり、店舗経営者となります。

　白狐の三名は、宇賀真琴さんが保護者なのを聖ブリジッタ女子学園山陽校は知っていますので、お手伝いに何の問題もありません。

「クリちゃん、今日から全て一緒よ、ヴァランちゃんもよろしくね」

　ヴァランティーヌは、ヴァランちゃんと呼ばれているようです。

　クリームヒルトとヴァランティーヌは、三人の部屋に遊びに来ているのです。

　なんでも一番広い部屋を三人部屋として、三段ベッドをいれ、机を三つ並べ……

「後で一緒にお買い物ね！」

　マチちゃんが、うれしそうにいいました。

　この後、宇賀さんと稲田さんに率いられてお買い物なのです。

　吉川姉妹の下の二人も、一緒なのですよ。

　稲田真白さんも、来週には引越しです。

「じゃあ宇賀さん、よろしくおねがいします、待ち合わせは、駅前ホテルの前のバスステーションで、皆で何処かでお食事でもいたしましょう」

　美子姉様が頭を下げています。

　宇賀さんたちは必要な物を、クリームヒルトとヴァランティーヌも服を買うためです。

「宇賀さん、気をつかってくれて……」

　と、美子が後ろ姿を見送りながらいいました。

「ねぇねぇ、美子姉様と茜姉様は、どうして一緒に来てくれないのかしら？」

　と、シズちゃんがクリームヒルトに聞いて来ました。

　マチちゃんが、

「シズちゃん、お二人はこれからエッチをされるのよ」

　と、訳知り顔で言います。

「えぇぇぇぇぇ！」

　四人は黄色い声を上げたりして、稲田さんに怒られてしまいました。

「馬鹿なことを言ってないの、つきましたよ」

　少し郊外にある、超大型のショッピングモールにつきました。

　とにかくは足らないものです。

　側女は金貨八枚、年収で約千二百万円、采女は金貨二枚、年収三百万円、何とか必要な物は買い揃えることも可能でしょう。

　クリームヒルトはそんな中、姉様たちを思っていました。

　お二人どうされているのかしら……

　その頃、二人も外出などしています。

「やっと落ち着いたわね……」

　茜がいいますと、「そうですね」と、美子が答えています。

「こうしてゆっくりと、姉さんとお茶をしているのも久しぶりね」

　ここは駅前グランドホテルの喫茶室、午後二時から四時まで、ケーキバイキングなどをしているのです。

　二人の前にはケーキが五個ずつ、サンドイッチも積んで有ります。

「このチョコレートムース、美味しいわね、こちらのザッハトルテもなかなか……」

　珍しくカフェオーレなどで、ケーキを食べている美子さんでした。

　茜さんはというと、あっという間に平らげて、プリンやゼーリーに手を出しています。

「ここ、いいわね……今度、サリーさんと来ようかしら♪」

　二人の前には、今度はスコーンやマドレーヌの山が現れています。

　それをつまみながら、ウバをミルクティーで飲んでいる美子さん。

　茜さんはニルギルなどをストレートで飲んでいます。

　まったりとした時が流れています。