23話 みんなでお風呂
我が家ではみんなでお風呂に入り、私が全員の髪と体を洗う。
サクレにもその旨を伝えると、快く承諾してくれた。
「はぁはぁ……カナデの生おっぱい……ゴクリ」
すでに何度も見ているはずなのに、ファルムは未だに私の体を目にするたびに鼻息が荒くなる。
こういう感想は間違っているんだろうけど……私なんかを求めてくれるんだと実感できて、たまらなく嬉しい。
本人に言ったらセクハラ発言が加速しそうだから、黙っておこう。
「ボクが誇ることじゃないですけど、カナデさんは洗いの達人なんですよ。サクレさんも楽しみにしていてください」
「……うん……楽しみ……」
リノとサクレが言葉を交わしながら髪留めを解く。
この二人が使っているのは地球で流通しているヘアゴムとはまったく別の物で、魔力を凝固して作られているらしい。
私は創造魔法に近い魔法なのかと思ったけど、異世界では赤ん坊でも簡単にできるとのこと。
逆に、創造魔法は異世界でもファルムにしか使えない特別な魔法で、歪曲魔法も同様。
ちゃんと理解できているわけじゃないけど、聞けば聞くほどファルムが非凡な存在なんだと思い知らされる。
「さぁ、今日もあたしが一番よ!」
ファルムが意気揚々とバスチェアに腰を下ろした。
最初は非常にデリケートな理由から一部だけは自分で洗っていたものの、いまでは隅々まで私に任せてくれている。
「……んくっ……あっ……ひんっ……うぅっ❤」
エッチな声を漏らしてビクビクっと体を震わせるけど、構わず続けてほしいと事前に言われているので、指示通り丁寧に体を洗う。
「サクレさん、見てください。あれがプライドより欲望を優先した憐れな者の姿ですよ」
「……気持ち、よさそう……悪いこと、なの……?」
「えっ!? あ、いや、えっとですね、悪いというか……すみません、忘れてください」
リノはファルムと違って下ネタが苦手だ。
サクレの質問に対する答えを考えて恥ずかしくなってしまったようで、慌てて話を切った。
ファルムを洗い終え、次にリノ、続いてサクレ、最後に自分と順番で体をきれいにして、湯船に浸かる。
私から見て正面にファルム、隣にサクレ、斜め前にリノという並び。
「サクレ、これだけは言っておくわよ。カナデはあたしの嫁だから、手を出したら問答無用で殺すわ」
物騒極まりない発言。
冗談みたいな内容だけど、私にも伝わるぐらい強烈な殺気を放っている。ファルムが本気だということは、この場にいる全員が理解していた。
「……手を、出す……? 余は……もう誰も、傷付けない……」
「立派な決意だけど、そういう意味じゃないわ。カナデの体を好きにしていいのはあたしだけだから、不用意に触るなって言ってるのよ」
「……うん、分かった……」
ファルムの説明を受け、サクレがコクリとうなずく。
好きにするもなにも、恥ずかしい写真を無数に撮られたぐらいで、他には特になにもされてないけどね。
「ところで、サクレって陥没乳首よね。オナニーするときってどんな感じで弄るのかしら?」
「ファルム、デリカシーなさすぎ」
「ドン引きですよ」
そんなこんなで、たまにファルムが下ネタを挟んだりもしたけど、みんなでバスタイムを楽しんだ。
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