9 愛

痛みの中に命がある

苦しみの中に意識がある

私の中に魂はなく

もっと深い底に心がある


美しい輪郭を撫でる指に

重ね合わせた唇に

愛は宿るというが

器の中にとどまる

本当の価値を

誰も教えてなどくれない


生きることに固執して

死ぬことを恐れるあまり

誰かを傷つけてしまうなら

愛など塵のように消えるべきなのだ


霞む星空にまぶたを閉じて

夜明けの美しさに目を焦がし

この命が尽きる日を待っている私たちは


痛み苦しみ、震えながら

誰かが与えてくれる

愛という虚構を啜っている

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