布団
夜の布団は嫌いだ。
ごろりと横になれば快適だけれど、やらないといけないことをやる気が削がれてしまう。
いざ寝ようと思っても、私には地獄のような場所だ。
日中は季節に左右され、夏はじっとりと生ぬるく、冬は毛布ですら冷たい。
一度眠りに落ちてしまえば、朝の布団は着替えるのもご飯ですら億劫にすら感じるほど愛しいのに。
暗い時間の布団はどうしてこんなに好きになれないんだろうか。
私だって。疲れた日くらい宵が深くなる前に眠剤を飲んだかな、なんて心配せずにこてんと寝付きたい。
楽しい夢でも見たい。
目をつぶって何度も寝返りを打って、やっと意識を手離して。
何かに追われる夢ばかりを見て汗ぐっしょりになるなんて好きでやる人いるわけないでしょ。
私の気も知らないで。
「早く寝たら、早く起きれるんじゃない?寝れなかったら起きてたら?家事でも片付けちゃいなよ。」
なんて言わないでよ。
私と貴方では家庭も年齢も性格も価値観も違うでしょ?
自分のものさしと私のものさしが同じわけがないじゃない。
貴方も同じ目に遭った時、きっと誰かに言われるわよ。
悪意のない言葉が、ぐさりと刺さるの。
でも泣いちゃだめよ。
私は貴方に言われても泣かなかったんだから。
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