変化

貴方を見ていると、変わってしまったと時々悲しくなる。

しかし変わらないものを感じて、ほっとしたり、どうして変わってくれないのか悲しくなる。

いつもは口に出してはいけない気がしていたけど、今日は言えそうな気がする。

「ねぇ、貴方は変わってしまったよね。」

寒いと言って、こうすれば暖かいと手を繋いでくれることも減った。

暑いと言って、扇風機を強風にして笑わせてくれることもなくなった。

「変わったよ。でも変わったのは自分もでしょう?」

私も変わったんだろうか。

「体型も仕事も生活習慣も変わったでしょう?」

私達の過ごした時間は数えれる程の年月だけど、確かに私も変わった。

変わらないものなんて無いのかもしれない。

「変わらないこともあるよ。一番大切なものは貴方だよ。」

じゃあ一生のお願い。私より一分一秒でも長く生きて。

一人にしないで。

残された悲しみは嫌いだし、もう誰の葬儀の手続きもしたくない。

「約束はできないけど、善処する。」

でも、もしも、もしも、仮に何か残っても全部捨てて、貴方は貴方の人生を歩んで。

そして幸せに暮らして。

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