情事の後はいつも熱くて熱くて仕方ない。

お互いの汗が身体にまとわりついて、服以上に邪魔くさい。

貴方が吐き出した欲を拭っても、その熱が肌に残っている。

べったりと頬に張り付いた私の髪を耳にかけてくれる貴方の仕草が好き。

抱き締めて、好きだと言って安心させてくれる貴方が好き。

服も乱雑に脱ぎ捨てて、性急に求めあう。

ショーツを拾うのさえも気だるくなるような熱。

裸のまま抱き合って寝るのは、ずっと同じ筈なのに。

何かが変わったのかもしれないと時々考えてまた一人物思いに耽って朝が近づいて来る。

話の途中でいつも先に寝てしまう貴方は熱を帯びているのに、私の背中は既に少しだけ冷たい。

何年か前は、汗だくで背中も未だ熱を孕んだまま抱き合って寝ていた筈なのに。

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