死後の世界も世知辛いようで
「いやぁ〜最近は団塊の世代って言うんですか?第一次ベビーブームの方達が増えてきてこちらも振分け業務が忙しくなってきてるんですよ〜」
病院の屋上に場所を移した僕はエマから
「今の仏さん世代は皆さんなんか勘違いしてるんですよね〜。殿様タイプって言うんですか?やってもらって当たり前みたいな?やっぱり頭数が多いと自己主張が強くなっちゃうんですかね〜」
妙に生々しい話だ。
しかし確かに今の第一次ベビーブームの年金逃げ切り世代は高度経済成長からバブルを経てうまい具合に人生を謳歌している節がある。
片やこちらは生活するだけで手一杯の給料で税金まみれのギリギリの生活を強いられ、将来貰えるかわからない年金を払い続ける犠牲の世代なのだ。
「理不尽だよなぁ…」
思わず口から本音が
「そうです、生きると言うことは理不尽なものなのです!ですがご安心ください!黒島様はもう死んでいます!」
確かに、忘れがちだけれど僕は死んでしまっているのだ。
死んでしまえばそんな現世のことなどどちらでも良い。
次はいかに成仏するかが今の僕の最大の課題なのだ。
「では、次はさっきの応用で現世に
説明をぼんやり聞きながら画面をちょちょいと操作してみる。
自分では変化がよくわからない。
屋上の窓ガラスに写してみるも、どうも自分にノイズが乗っかっていてガサガサした映像のような仕上がりになる。
顔の目や口元は暗く落ち窪み、さながらホラー映画に出てくる怨霊そのものだ。
「
目の前の怨霊に人魂が追加された。
これは使いこなすにはかなり練習する必要がありそうだ。
「では成仏ルートに入るまでの期間は7日間です。7日間で
驚きの時間制限である。
「はぁ、これだけ渡して後宜しくって、なかなか良い加減な話だな」
とりあえず、ハルコが気になるもののずっと付いていたら本物の怨霊になってしまいそうなので自宅に戻って僕は今日までの記憶を辿る事にした。
aftereffect〜死んでしまった僕の成仏奇譚〜 ぱぴこ @papic069
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