第7話 ずっと一緒だよ、眷属♡
「ねぇ……お話聞いてよ!」
「やだー、こっち来ないで!」
「少しだけでいいからさッ!」
「絶対長いヤツじゃないですか!!」
「ちょ、待てよ! 眷属ぅ!」
「キムタク風に言っても旦那はジャニーズっぽくない!」
部屋でコウモリを追いかけまわすこと小一時間。逃げるコウモリと追う吾輩。華麗に飛びまわる姿はさすがはコウモリと申す。それでもこの屋敷と言うアドバンテージはデカい。
「逃げられると思うなよ……眷属」
「卑怯ですよ、旦那!」
扉は閉めてある。窓に鍵もかけてある。ヤツは袋の鼠ならぬコウモリ。ヤツが窓の鍵を開ける時間があれば吾輩が捕まえることも可能である。コウモリが鍵ををあけるには時間がかかる。ましてや、扉という重量を簡単に開けられまい。
必然の結果――セバスチャンは詰んでいる。
「引きこもりの癖に体力が半端ない!?」
「通信CQC習ってたからな。最近は逆腹筋と言うのも吾輩のトレンドだ」
「無駄な筋肉!?」
「マグロ漁船で生き残った吾輩だぞ。そこらへんの引きこもりとは鍛錬が違うのだよ、鍛錬が」
バカにされながらも黒い飛行物体を追いかけまわす。あちらこちらに回避しているがルートを絞りながらもじわりじわり追い詰めて行ってる。その証拠にセバスチャンの息も上がっている。眷属の方が運動不足に近いのでなかろうか。
「やめて……くれ、旦那!」
「なぁーに、悪いようにはしないさ。ぐぇっへっへ」
「もう聞きたくない!」
「ただ三章の改稿についてだよー。いいじゃないかー、眷属」
何かあらぬノリで悪役を演じてしまう。嫌がり震えるコウモリを前に吾輩は謎の衝動に突き動かされていた。そして、その手は彼の小さい体を優しく包み込んだ。
「今夜は寝かさないぞ、眷属☆」
「いやーだ!」
ということで吾輩です。いま絶賛改稿中。
プロローグ前編を作り変えてみたところです。変えた後って悪くないねーと思ってしまうのが世の常であります。これでいいじゃんと思えてしまうのが物書きの修正です。自画自賛から抜けられないのが恐ろしい。
二章までダメダメということでフル稼働が余儀なくされる。
そして、話の続きとしては三章なのです。
意外と二章まではお情け炸裂で読まれるのだが、三章はホントに人を選ぶのです。いや……忍耐強さが試される三章になっている。だって終わりが見えないのだもの。
さらに言えば、三章の悪い所……。
『3章』
①エピソードが一気に長くなる
いままでの分量と違い、一個一個が数万文字に匹敵する。おまけにキャラが増えることから段々と脳がパンクしやすくなる。もっと一・二章での補填をするべき内容が多くある。
②書き方が特徴的
これは悪い癖が出てしまった。読んでいた物語の書き方につられて、他の章と文章の構成が変わりすぎている。変化がつよく、改行の癖が定まっていない。おまけに抑揚も無いので大変に読みづらい。
文だけ追う人しか残せない。
③改稿していない
これがデカい。投げっぱなしの状態。しかも結構なハイペースで書いていたから誤字脱字がヒドイ。文字数も結合してないことからてんでバラバラ。八千近いのもあれば、二千ぐらいのもチラホラ。
容量が合わない感じが強い。
「長いよ……話が長いよ、この人……」
「どうしよっかな……」
「もう、お腹いっぱいです……勘弁してください……」
「やっぱり、あそこのエピソードをボリューミーに変えて、あそこを削ってつけ加えるか!!」
「アァアアアアアア!」(聞いても無いのに話しかけてくるぅううう!)
やることがいっぱいで大変だけども、やることがあるっていうのはいいことだ。暇がないけど、好きなことで忙しいのは苦じゃない。さぁーて、吾輩はやるぞ!
「一人でやってくれ!」
「ずっと一緒だよ、眷属♡」
「ギャァアアアア!」
こうして、吾輩とセバスチャンはこれからまた改稿地獄へと勇んで向かうのである。では、今日はここらへんで寝ます。おやすみなさい。
《つづく》
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